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幕間
X7.*苦悶と安堵2(蒼空の父)
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「待って!待って!さっき続けて三回もしたばかりじゃないか!
お前の執着はもう解ったから。解ったからちょっと休ませてくれ。
俺ももう歳なんだよ。腰も穴も痛くてしょうがねぇんだよ。」
「このじじいが。俺のザーメン飲んどけば若返るよ。」
「んなわけあるか!
変な事言った俺が悪かったから、いいからもう少しだけ休ませてくれ。
動けるようになったら、お前の上に乗ってやるから。」
「じゃああと30分な。」
時刻は午後9時30分を回ったところ。
画面の中では、家庭教師のアルバイトを終えた正吾が家に帰ってきて、スーツのまま地下室に蒼空を迎えに来ているところだった。
この後二人で仲良く手を繋いで一階に行き、二人で一緒に夕食を作るのがいつものルーティーンだ。
画面の中の二人は大変仲睦まじく、抱きしめ合ったりキスをしたりしてから、手を繋いでそのまま一緒に一階に上がっていった。
地下だけでなく、普通に一階にも上がっている事に、櫂は驚かされた。
良かった。蒼空は無事だった。
後は凛空だけだ。
もう少しコイツに従順なふりをして、今度は凛空の様子を聞き出そう。
コイツの事だ。きっとこんな風に映像位は手に入れてくれる。
櫂は、水を取りに行こうとした哲也の手を握って引き留めた。
「あと…その…。…ありがと。蒼空が不自由なく過ごせてるみたいで。」
「あぁ。安心しな。お前が俺の言う事聞いてる限りは蒼空くんは毎日幸せに生きてるよ。」
「なぁ、また蒼空の様子を見せてくれないか?」
ニヤリ。哲也の口角が上がった。良くない事を考えている証だ。
「じゃあ、次は蒼空くんの映像流しながらヤるか。」
「いやっそういう意味じゃ。またお前が仕事に行っている時とかに見せてくれって言ってるだけで、そういう事じゃ…。」
「うん?いい考えだろう?
今度お前の痴態も蒼空くんに見せたらどんな顔するかな?」
「嫌だ!やめてくれ!それは絶対にやめてくれ!」
それだけはダメだ。親としての矜持もあるが、蒼空を精神的に傷つける事になるだろう。
「はは。俺が誰か他人にお前の可愛い顔を見せるかよ。35年越しの執着を甘く見るなよ?
そいつに会わせる事は出来ないけどさ、そいつがどんなふうに蒼空くんを抱いているかは見せてあげられるぜ?
見る?」
「いや…それは…。」
櫂は自分の常識に照らし合わせて躊躇した。
「だって、ベッドの上が一番ソイツの本性が出るだろ?
見たら一発で解るぜ。蒼空くんが今幸せなこと。」
「ホントなのか?本当に、今蒼空はソイツの事が好きで、今幸せなのか?
演技をしている訳じゃなくて?」
「何なら音声まで拾えるぜ?
見てみろよ。もうラッブラブのアッチアチだぜ?」
「いやしかし…それは…。」
「?親として心配じゃないのか?
蒼空くんがドエス男にハマってすごいプレイさせられてたりしても?」
「え?そうなのか?」
「まぁ、今度蒼空くんのえっち見ながら俺たちもしようぜ。
ラッブラブのアッチアチ具合じゃあ、若いやつらには負けてない事を教えてやる。」
「いや…それは親としてどうかと。」
「ははははははは。決まりな」
画面の中では、お腹いっぱいになった正吾と蒼空が手を繋いで仲良く地下室に戻ってきて、そのまま二人で仲良く地下のお風呂に消えて行くところだった。
結局その晩、正吾と蒼空がベッドに入ってイチャイチャラブラブしてから二人で抱き合いながら寝るところを映し終わるまで、テレビ画面は明るいままだった。
明るい箱からは音が出ない代わりに、その晩の豪華な地下室には、熟した雄の荒い息遣いと苦悶に満ちた声がBGMとして流れ続けた。
お前の執着はもう解ったから。解ったからちょっと休ませてくれ。
俺ももう歳なんだよ。腰も穴も痛くてしょうがねぇんだよ。」
「このじじいが。俺のザーメン飲んどけば若返るよ。」
「んなわけあるか!
変な事言った俺が悪かったから、いいからもう少しだけ休ませてくれ。
動けるようになったら、お前の上に乗ってやるから。」
「じゃああと30分な。」
時刻は午後9時30分を回ったところ。
画面の中では、家庭教師のアルバイトを終えた正吾が家に帰ってきて、スーツのまま地下室に蒼空を迎えに来ているところだった。
この後二人で仲良く手を繋いで一階に行き、二人で一緒に夕食を作るのがいつものルーティーンだ。
画面の中の二人は大変仲睦まじく、抱きしめ合ったりキスをしたりしてから、手を繋いでそのまま一緒に一階に上がっていった。
地下だけでなく、普通に一階にも上がっている事に、櫂は驚かされた。
良かった。蒼空は無事だった。
後は凛空だけだ。
もう少しコイツに従順なふりをして、今度は凛空の様子を聞き出そう。
コイツの事だ。きっとこんな風に映像位は手に入れてくれる。
櫂は、水を取りに行こうとした哲也の手を握って引き留めた。
「あと…その…。…ありがと。蒼空が不自由なく過ごせてるみたいで。」
「あぁ。安心しな。お前が俺の言う事聞いてる限りは蒼空くんは毎日幸せに生きてるよ。」
「なぁ、また蒼空の様子を見せてくれないか?」
ニヤリ。哲也の口角が上がった。良くない事を考えている証だ。
「じゃあ、次は蒼空くんの映像流しながらヤるか。」
「いやっそういう意味じゃ。またお前が仕事に行っている時とかに見せてくれって言ってるだけで、そういう事じゃ…。」
「うん?いい考えだろう?
今度お前の痴態も蒼空くんに見せたらどんな顔するかな?」
「嫌だ!やめてくれ!それは絶対にやめてくれ!」
それだけはダメだ。親としての矜持もあるが、蒼空を精神的に傷つける事になるだろう。
「はは。俺が誰か他人にお前の可愛い顔を見せるかよ。35年越しの執着を甘く見るなよ?
そいつに会わせる事は出来ないけどさ、そいつがどんなふうに蒼空くんを抱いているかは見せてあげられるぜ?
見る?」
「いや…それは…。」
櫂は自分の常識に照らし合わせて躊躇した。
「だって、ベッドの上が一番ソイツの本性が出るだろ?
見たら一発で解るぜ。蒼空くんが今幸せなこと。」
「ホントなのか?本当に、今蒼空はソイツの事が好きで、今幸せなのか?
演技をしている訳じゃなくて?」
「何なら音声まで拾えるぜ?
見てみろよ。もうラッブラブのアッチアチだぜ?」
「いやしかし…それは…。」
「?親として心配じゃないのか?
蒼空くんがドエス男にハマってすごいプレイさせられてたりしても?」
「え?そうなのか?」
「まぁ、今度蒼空くんのえっち見ながら俺たちもしようぜ。
ラッブラブのアッチアチ具合じゃあ、若いやつらには負けてない事を教えてやる。」
「いや…それは親としてどうかと。」
「ははははははは。決まりな」
画面の中では、お腹いっぱいになった正吾と蒼空が手を繋いで仲良く地下室に戻ってきて、そのまま二人で仲良く地下のお風呂に消えて行くところだった。
結局その晩、正吾と蒼空がベッドに入ってイチャイチャラブラブしてから二人で抱き合いながら寝るところを映し終わるまで、テレビ画面は明るいままだった。
明るい箱からは音が出ない代わりに、その晩の豪華な地下室には、熟した雄の荒い息遣いと苦悶に満ちた声がBGMとして流れ続けた。
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