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水神殿編

1-26 誕生会に呼んでもらえなかった水神様

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 最近、午前中はフィリアの授業を皆と一緒に受けている。修理も全部終えて特にする事もなかったからだ。
 フィリアの授業を聞いて、魔法関係で間違ったことを言っていたら、指摘して修正してあげたりしていた。
 歴史関係やこの世界の国の情勢とかは、今後の為に凄く勉強になるのだ。フィリアの授業は解りやすかった。

 午後からは剣術の修行だが、まだ一度も騎士の一人にも勝てていない。
 APを剣術に振って熟練レベルを上げればすむ事なのだが、調理スキルにかなり振ってしまったので、現在APポイントは10ポイントしか残ってないので、万が一の為に温存しておきたいのだ。頑張って自力で剣術レベル2になったのだが、まだ全く敵わない。皆レベル4以上あるようだ。



 騎士の1人が【エアコン】魔法の変則を今日覚えた。
 フィリアと同じように発動可能時間が短いのとタイマー機能が使えないこと、あと温度調整の調整幅が少ない。
 具体的には発動可能時間は4時間、温度調整は27度プラスマイナス3度だ。
 使えないことはないし、当の本人は凄く喜んでいて、皆に自慢気に掛けてあげていたからいいだろう。



 剣術の修行を終え、神殿に帰っているとナビーが声を掛けてきた。

『……マスター、カリナの信仰値がさっき83になってしまいました』
『そうか、気を付けていたのだがダメだったか。もうここにはいられないな』

『……マスターに恋したようです。凄く悩んでいて、信仰値が下がったようです』
『……えと、誰が恋したって?』

『……例の騎士様です。あと巫女数名……巫女のほうは、逆に信仰値は上がっています……』

 例の騎士様とは色々あったが、最近俺が気を使いすぎて、逆に惚れさせてしまったようだ。
 恋愛禁止を掲げる姫騎士筆頭が恋してしまい、それを悩んでさらに信仰値を下げるとか……。

 俺的にカリナ隊長の事を女としてどうかと言うと……有りだ。
 むしろ高嶺の花と思っているくらいだ。カリナ隊長は超が付くほどの美人さんで、料理もできるし面倒見もいい。クソがつくほど真面目だが、俺みたいないい加減な人間が結婚するなら意外と合うはずだ。


 巫女はアンナさんだろうな……アンナ・ソレイユ、17歳。
 来年4月には任期が終え、婚約者と結婚だったはずだ。
 歩くだけでゆっさゆっさ揺れる、巨乳の可愛い感じの娘だ。有りか無しかでいうなら、勿論有りだ。
 彼女も俺には勿体無いくらいのいい娘だ。

 ここの巫女は神に捧げる嫁候補という事を考えたら、全員俺の嫁って事だけどね。
 でもそんな『俺設定』が通じる訳もなく、半数以上は既に婚約が決まっていると言っていた。
 こんな可愛い娘たちを他の男にくれてやるのは惜しいが、『俺、神様だから、みんな俺の嫁だよ!』と言えるわけもなく、どうしようもない事だよね。

 アンナさんの依頼で修理をしてあげた時に、婚約者の事を聞いてしまっている。
 その時彼女はこう言っていたのだ「昔からの顔なじみで、優しくてかっこいい人です。貴族どうしの結婚は顔も見たことない10も20も歳の離れた相手も有り得る事を考えたら、私は凄く幸せなんだ」といっていた。

 不幸な結婚なら邪魔するが、幸せな結婚なら俺が割り込んでトラブルにすることもないだろう。勿体ないけど、凄く勿体ないけど。

 恋する乙女が数名という事は、他にもまだいるようだが、この際関係ないな。
 変に未練になっても嫌だから、誰かという事は知らない方がいいだろう。



『ナビー、もうここには居られないから、例の計画を発動するよ』
『……ナビー的には反対なのですが、仕方ないですね……協力致します』

 さて【ジャミング】【認識阻害】女神と竜伸たちから認識できないようにした。

 俺は直ぐに騎士舎にアラン隊長とカリナ隊長を呼び出した。

「急に呼び出して、すみません。実は明日の朝ここを出ていくことになりました」

「エッ! なんで急にそんなことになっているのですか!?」
「また随分急な話ですな。使徒殿? なにか急な事情があるのですか?」

「俺の個人的な事情でして詳しくは言えません。明日出ていくのを伝えるのは協力してもらいたいあなたたち2名とナナとネレイス様の4人だけです。フィリアは怒るかも知れないですが、黙って出ていくつもりです。言うと止めたりしかねないので、教えられないのです」

「使徒の使命か……リョウマ殿、これはオーク討伐の報酬です。明日渡そうと思っていたのですが、先に渡しておきます。それとこれは私からの餞別です。たいした額ではないのですが、お金はあって困るものではないので」

「ありがとうございますアラン隊長。替わりといってはあれなんですが、これは俺からの剣術指導の礼です。騎士全員分のスタンドミラーと、この姿見はアラン隊長の分です」

 俺はインベントリから20枚の卓上鏡と姿見を1枚アラン隊長に渡した。
 最初「いいのか、こんな凄いものもらって」と驚いていたが、受け取ってくれた。

「この鏡のせいで、死者や怪我人が出ないことを祈っています。意味は解りますよね? 取り扱いは十分に気を付けるようにアラン隊長の方で皆に釘を刺しといてくださいね。みな良い人間過ぎるので、心配です」

「確かに……過ぎたる高価品は身を滅ぼすからな。十分に気を付けよう」

 俺はアラン隊長と握手を交わして別れた。

「カリナ隊長はもう少し付き合ってください。ナナと待ち合わせをしてますので湖に移動しましょう」

 湖のナナお気に入りの花畑で先に待っていたナナと合流した。
 パーティー招待し、3人で湖の際まで行き、簡単に説明を行ったのだが、ここまでカリナ隊長はほとんど喋っていない。なにか思い悩んでいるようだ。

「これから3人でネレイス様に会いに行きます。用件は向こうで伝えますがいいですか?」

 了承を得てネレイスがいる湖の底に行くための魔法詠唱をする。
 瞬間移動があれば楽だったのだが、まだ習得していない。

 【アクアシールド】【レビテト】【スキルコピー】円状の水のバリアを張って、重力魔法で水中に潜ったのだ。
 ついでにこの魔法をナナにコピーしてあげた。ナナなら自己習得できるだろうが、今回は時間がない。

 すぐに湖の底の神殿に到着する。
 本来こっちが本殿なわけなのだが、場所が水中なだけに、ここに入る巫女様はナナが初めてになる。

「ネレイス様、例の神器ができましたので設置にきました。あとナナが発動できるか実験ですね」
「それはご苦労様です。上手くいくと良いですね……これでフィリアも少しは自由にできるようになるでしょう」

「ネレイス様、先日は大変失礼をいたしました」
「カリナ、いつまでも些細なことを引きずるものではありませんよ。今日はよく来てくれました」

 カリナ隊長はガチガチに緊張していた。

 本神殿は結構な広さがあった。特に扉とかはないのに水が神殿内に入ってこない【アクアシールド】のようなモノが発動しているのかもしれない。


 ここの神域の結界を張っている水晶の横に、今回の魔法発動補助装置を設置した。

「ナナ、カリナ隊長。フィリアがこの神殿から動けない理由を知っていますか?」

「ああ。信仰値95以上じゃないと発動できないという、浄化の魔法を月に一度発動しないといけないからであろう?」

「その通りです。バカげた事です。今回女神様と協力してそれを少し改変しました」

 ・信仰値88以上の巫女の詠唱で発動可能
 ・発動には魔力が入った鍵が必要
 ・鍵は水神ネレイスが管理する

「ナナ、ちょっとおいで【スキルコピー】【アクアピュリファイ】魔石の中に【アクアピュリファイ】の呪文が書き込んであるから覚える必要はないんだがナナは覚えておいてくれ。ここ以外で必要な時もあるかも知れないからな。ちょっとネックレスを外してくれないか? それも鍵になっているから試してみたい」

「え~! 鍵なのこれ? ネレイス様が管理って、私だけのプレゼントって言ってたのに! リョーマの嘘つき!」

 ナナが涙目である。勘違いだよナナ。

「こら! 最後まで聞かないか。ネレイス様に渡すのはこっちだ。ナナのと比べてごらん」
「あ、おんなじじゃない。目が赤くないから、これはリョーマじゃない」

「正解! さすがは一番弟子! ちゃんと見てるな。じゃあ実験だ。魔石に触れて【アクアピュリファイ】を唱えてみろ。魔法はイメージ力で術後の威力が変わるからな、水が超きれいになるイメージを意識するんだぞ。この湧水が世界中に網の目のように各国に飲み水として行き渡るのだから、美味しい水というイメージも忘れないようにな。」

「解った。やってみる【アクアピュリファイ】……うわーこれ魔力一杯使うね」
「一応禁呪だからな。ネレイス様どうです? 効果は発動できていますか?」

「ハイ、成功のようです。これでフィリアしか発動できないって事はなくなりましたね」

「じゃあ、こっちの鍵はネレイス様に管理をお願いします」

「ナナのおかげで、これからはサクラやアンナさんもこの魔法が発動できる。だからこれからはナナたちがフィリアを自由に神殿から遊びに行けるようにサポートしてあげるんだぞ」

「うん、分かった。サクラ姉もこの魔法使えるんだね?」

「それとナナ、俺は明日の朝にここを出発することにした。知っているのはここに居る3名とアラン隊長だけだ。フィリアやサクラが心配したり黙って出て行ったことを怒ったりするだろうから、ナナが上手くフォローしてくれるかな?」

「……分かった。でも黙って行っちゃうと、フィリア様絶対怒るよ? むしろサクラ姉のほうが怖いかも」
「ナナ殿はリョウマ殿が出て行っても寂しくないのか?」

 カリナは、ナナの態度が思ったよりあっさりしているのが不思議なようだ。

「寂しいけど……ナナは我がまま言わないってリョーマと約束したの。そのかわりちゃんと時々会いにきてくれるって……学校に通う者は寮に入り、実家が隣町の人でも年に1回夏休みに帰れればいい方なんでしょ?」

「……そうだな。私が学生の時は実家まで片道で1カ月かかる距離だったから、在学中は一度も実家に帰ってないな。夏休みは友人数名で地下ダンジョンに通って、レベル上げとお小遣い稼ぎにいそしんでいた。ナナ殿は私なんかよりずっと強い心を持っているのだな……」

「ナナは俺の一番弟子だ。良い子で可愛いから、年に数回は帰ってくるからな。転移魔法ですぐだ! まだ覚えてないけど。ナナも俺も闇適性はいいからお互いに頑張って覚えような」

「うん。ナナとどっちが先に覚えられるかの競争だね」

「カリナ隊長、あなたをここに呼んだ理由なのですが。フィリアを含めた巫女と姫騎士たちを、時々町にお買い物や息抜きに連れ出してやってほしいのです。それとネレイス様も今のように人化しているときは外出できるようになったそうなので、一緒に連れて行ってあげてほしい。なにぶん巫女たちは世間知らずでしょ? カリナ隊長だけが頼りなんだ。それとナナ、ネレイス様を食堂に連れて行ってやってくれるか? 人々の信仰があれば竜神は食事は食べなくてもいいらしいけど、嗜好品も大事というのを教えてあげてほしい」

「リョウマ殿、了承しました。危険のないよう、姫騎士一同で護衛いたしましょう」

「リョーマ、ナナに任せて! プリンもバッチリつくれるよ! ネレイス様、きてくれたら皆もきっと嬉しいです!」

「そうだね、ネレイス様まずはこれを食べてみてください」

 プリンを人数分だし、スプーンを渡して皆で実食。

「創主様! なんて甘美な食べ物なのでしょう! はぁ~蕩けちゃいます」

 ネレイス! 思わず地がでてる、創主様はまずいでしょ!
 ネレイスも食べ物を口にしたのが今回始めてというわけではない。
 お供えや祭壇場にあるものを時々つまみ食いはしている。プリンが格別に美味しかったのだろう。

「ネレイス様、どうです? 今日からでも夕飯を巫女たちと一緒に食べるようにしてみては? 巫女たちも仕えてる主がきてくれるのです、皆、喜びますよ」

「そうでしょうか? 緊張したりして楽しくないのではないでしょうか?」

「そりゃ最初は緊張するでしょうけど、最初の2・3回だけですよ。フィリアが上手くその辺は取り持ってくれるはずです。ムードメーカのナナもいるしな」

 ナナの頭を撫でながらいうと。

「ナナ、ネレイス様と一緒に晩御飯食べたい」

 でた! ナナに下から見つめられてのお願いだ。ネレイスは逆らえるか?

「……分かりました。ナナに連れて行ってもらいましょう。ふふふ緊張しますね」

 くくくっ、そうだろう! ナナの可愛いお願に逆らえるはずがない!
 俺はさっそくサクラにネレイス様が今日から夕飯に参加すると追加注文のメールを送った。

「あの、ネレイス様! 騎士宿舎の夕飯にも時々食べにきていただけないでしょうか? 姫騎士たちもきっと喜びます!」

「いいのですか? 私、本当に行っちゃいますよ? プリンがこんなに美味しいものだとは思っていませんでした。ナナの誕生日に出されていた、イチゴのケーキや桃のケーキも美味しそうでしたね。とんかつというものも食べてみたいです」

「あ! ネレイス様ごめんなさい! 招待するのを忘れていました」

 ナナばかりに気がいってて、すっかりネレイスの事を忘れていた……ちょっと拗ねちゃってるみたいだ。

「……別にいいのですよ、これまでも皆の誕生祝は何度も見てきました。ただ先日のナナの誕生会はこれまでと全く違っていたので凄く興味を引いてしまいました。次回はぜひ呼んでくださいね」

 いい時間になっていたのでこのまま食堂に向かったのだが、カリナが姫騎士も一緒したいと騎士舎から夕飯を運び込んでくると飛んで帰った。

 フィリアも了承したので初の合同の夕食が始まった。
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