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水神殿編
1-23 ナナの誕生日会(前編)
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今日はナナの9歳の誕生日だ!
18時からの誕生日会なのだが、皆朝から準備に余念がない。
今回も姫騎士側からカリナ隊長とナターシャさんが、朝から料理の手伝いにきてくれている。
巫女側からも固定のサクラとアンナさんが手伝ってくれている。
騎士たちもナナを祝いたがって、騎士舎でやってもらえないかとフィリアに打診があったようだが、そこはカリナ隊長がバッサリやったようだ。
「ナナ殿を祝いたいという気持ちは理解できるのだが、巫女様方に近付く事は姫騎士として承諾できぬ! 巫女様方は美しい、ついつい魔が差したとかで傷物にでもされたら申し開きもできぬのでな。それに少し前に行ったフィリア様の200周年の誕生祝ですら合同ではなかったのに、フィリア様より大規模にはできぬであろう」
「やはりだめか。では誕生会の時に騎士たちが用意したプレゼントを渡してあげてほしい」
ナナが水神殿にきて3か月ほど、その愛らしさでマスコット的存在になっていたのだ。
アラン隊長も渋々諦めたようだが、やはり騎士舎で騎士一同で祝いたかったようだ。
俺は午前中に料理とナナが期待しているであろう誕生ケーキを作り上げてインベントリ内に保管してある。
メインケーキはナナ希望のイチゴのショートケーキだ。俺が個人的に食べたかったので白桃のケーキもつくった。もちろんプリンとアイスクリームも外せない。
今回は各種多めに作って、参加できない可哀想な男性騎士たちにも分けてあげるつもりだ。
午後から少し訓練に時間を当てた。もうすぐここを出ていくので少しでも強くなっておきたい。
フィリアは残念ながら無詠唱が未だできず頭を抱えている。どうやら無言で魔法を発動するイメージができないようだ。一方のナナの方は簡略発動に成功していた。完全ではないが詠唱の部分を唱えないでスキル名だけで発動できるようになっていたのだ。習得している魔法全てではないが、得意魔法はスキル名のみで発動できている。
《清らかなる水の精霊達よ、集まりて敵を打ち倒せ【アクアボール】》
つまり【アクアボール】ここの最後のスキル名だけで発動できているのである。
当然落ち込んだのがフィリアだ。【並列思考】【多重詠唱】【ホーミング】を伝授されたのは自分なのに、ナナにさっさと先を越されてしまったのだ。【ホーミング】は上手く使えているようだが無詠唱ができないので【多重詠唱】が無駄になっている。
いくら思考がたくさんできても、口は1つしかないのだ。
ナナの目標の【エアコン】だが、風の祝福がまだついてなくて習得できずにいる。
俺はその事を聞いてちょっとだけイラッときてしまった。
訓練を切り上げ、ナナを連れ神殿の祭壇場にきていた。
「リョーマどうしたの? なんか怒ってる? ナナの覚えが悪いから怒ってるの?」
「違うよナナ、ナナの覚えが悪いとかフィリア様の前で言ったらダメだぞ。ナナより進捗のないフィリア様が落ち込んじゃうからな」
「あぅ。わかった、じゃーなんで、リョーマ機嫌悪そうなの?」
「機嫌悪そうに見えるか? ナナの誕生日の日に機嫌悪いとかダメだよな……ナナは水の適性が一番いいだろ? という事は適性的には火属性は基本苦手なんだよ。それはナナも解るな?」
「うん、フィリア様の授業で教えてもらったよ?」
「ああ、そこでだ。ナナの適性の悪い火属性の祝福を火神のロキ様がくれてるのに、元々ナナの適性のある風属性の祝福がなんで付いてないのかと思ったらちょっとムカついてきたのでね。流石一番人気のない風神エウロスだと思ったわけだ。一番人気のあるヴィーネ様は1時間お祈りしただけで初級の祝福までしてくれていたのにな」
『……マスターが脅してる! 風神エウロスが可哀想です。ただ真面目にナナの規定クリアを待っているのですよ。もうすぐその規定値もナナはクリアできます』
『そんなことは俺も分かっている。だが俺がナナに与えた俺の祝福の意図を理解できてないのが腹立たしい。流石にヴィーネはやり過ぎだが、他神はちゃんと俺の意図を理解して、俺が神殿に居られる間に【エアコン】を伝授できるように祝福を与えてくれている。カリナの事を考えると、もうあまり時間はないだろう。コツとかの事はフィリアに伝授できているから、サクラや他の娘はフィリアが教えてくれるだろう。でもナナは俺の一番弟子という事になっている。やはり俺が直伝で教えてあげたい』
「リョーマ、そんないい方したらダメだよ! 祝福が付かないのはナナのお祈りが足りてないからだよ!」
「あ~ごめんごめん。ナナ、今からもう1回風神エウロス様に祝福のお願いをしてみようか? 俺も一緒に手伝ってあげる」
「うん、いいよ。いつものでいいの? 風神エウロス様、いつも心地よい風を与えてくれてありがとうございます……」
俺は、ナナに信仰値を上げる簡単なコツを伝授していた。
厨房で火を使ったら火神ロキに、水を使ったら水神ネレイスに、明かりを付けたら光神ベレネスに、農作業で土を感じたら土神エメシュに大地の感謝を、風を感じたら風神エウロスに清浄と四季の感謝を、雷は嫌っているので勉強をするときに知の象徴である雷神セトに感謝を、インベントリを使ったら暗黒神ヴィーネに感謝するように言ってあった。生活魔法程度の祝福ならこれだけで大抵付くのだ。
心のこもってないお祈りを1時間するより、実利があった時に、その都度その属性の神に感謝の気持ちを伝えた方がずっと良いのだ。
心のない1時間より、心のこもった数秒の方がずっと良い。
「あ! エウロス様の祝福が付いた! リョーマがまた何かしたの?」
「こら! ちゃんとエウロス様にお礼を言わないか! 俺も一緒に言ってやるから」
「うん! エウロス様、祝福を下さりありがとうございます。きっと皆の為に役立たせて見せます!」
『……ナナの動機が俺の良心を傷つける。俺は自分の為に作っただけなのに……エウロス、無理を言って悪かった、ありがとうな』
「よしナナ、今から【エアーコンディショナー】魔法を伝授する! コツは以前に何度もいった通りだ、もう一回エアコン魔法を掛けてやるから、ちゃんと機能を理解してイメージするんだ。一番大事なのは完成後のイメージだからな」
うん、30分後ナナはエアコン魔法を習得しました。
流石天才少女……未だ3時間しか維持できないフィリアが涙目でした。
今日はそのまま訓練を切り上げ、こっそり神殿側の湖の対岸に花火の打ち上げ筒をせっせと設置していた。
風も微風で天気もいい。無風だとかえって煙がたまって見えずらいのだ。筒が動いたり倒れたりしないように土魔法で地面に固定してある。俺もナナの側で一緒に見たいので、打ち上げは導火線を使った時間差での打ち上げと、ホーミング魔法を使ってのピンポイント着火での2種類を考えている。
上手くいくか心配だが、この事は内緒にしてあるので失敗してもごまかせるだろう。
一応アラン隊長には、20時頃爆発音がするが俺の催しなので心配いらないと伝えている。
襲撃と勘違いするかもしれないので、その点はちゃんと伝えておいたのだ。
さぁ時間だ、ナナの誕生会開始時間だ。
神殿の食堂で皆席についているが、取り皿と各種食器類しか配膳されていない。
態とそうした俺の演出だ。
18時になったら、一気にテーブルに朝作ったアツアツの料理をどんどん並べていった。
増えていく豪華な料理に、皆、一喜一憂している。今回も新作があるのだ、皆の期待感が半端ない。
『誕生会の献立』
・オークジェネラルのとんかつ
・オークジェネラルのステーキ
・オークプリーストの角煮
・オークプリーストの生姜焼き
・オークの酢豚
・鶏肉のから揚げ・オーク肉のから揚げ
・湖で捕れた魚の甘酢あんかけ
・香草と野菜の天婦羅
・お好み焼き
・生野菜のサラダ
・コンソメスープ・コーンポタージュ
・米飯・パン
・バナナオレ・ミルクセーキ・ミックスジュース
・各種酒類
・プリン・アイスクリーム・ミルクババロア・レモンゼリー
・イチゴショートケーキ・ピーチショートケーキ
前回の肉祭りの時より、豪華になった。
ケーキとデザートはまだ出していない……デザートばっかり食べそうな女子がいそうだからだ。
「俺の育った村では、誕生日の日には料理とケーキでお祝いしてプレゼントを渡します。今回俺の村のようにさせてもらってますので、まずは料理からお楽しみください。この後にケーキなどのデザートが出ますので、飲みすぎたり食べ過ぎの無いように、腹八分目でお願いします」
「ではフィリア様、開始合図の乾杯の音頭をお願いします」
ナナとフィリアには乾杯の音頭と蝋燭の火消の事は伝えてある。
途中での解説はシラケるから、事前連絡は大事なのだ。
「ふむ、今日はナナのめでたい9歳の誕生日じゃ。リョウマたちが朝から作ってくれた料理を食べ、皆で祝おう、ではグラスを手に取り皆で乾杯じゃ!」
「「「乾杯!」」」 「「「ナナちゃんおめでとう!」」」
あちらこちらから、ナナに祝辞の声があがっている。余程感動したのか、ナナは嬉し泣きをしていた。
今回出した料理は前回好評だったオーク料理にから揚げ、湖にいる白身で淡白な味の魚の甘酢あんかけ、お好み焼きに、天婦羅を追加した。どれも好評だったので安心した。
意外だったのは、魚の甘酢あんかけが超人気だったことだ。
揚げ物やら天婦羅とか、油ものばっかりだったから、かえってあっさりしたものが受けたのかもしれない。
皆の食べ具合からそろそろかなと思い、誕生ケーキと各種デザートを取り出した。
18時からの誕生日会なのだが、皆朝から準備に余念がない。
今回も姫騎士側からカリナ隊長とナターシャさんが、朝から料理の手伝いにきてくれている。
巫女側からも固定のサクラとアンナさんが手伝ってくれている。
騎士たちもナナを祝いたがって、騎士舎でやってもらえないかとフィリアに打診があったようだが、そこはカリナ隊長がバッサリやったようだ。
「ナナ殿を祝いたいという気持ちは理解できるのだが、巫女様方に近付く事は姫騎士として承諾できぬ! 巫女様方は美しい、ついつい魔が差したとかで傷物にでもされたら申し開きもできぬのでな。それに少し前に行ったフィリア様の200周年の誕生祝ですら合同ではなかったのに、フィリア様より大規模にはできぬであろう」
「やはりだめか。では誕生会の時に騎士たちが用意したプレゼントを渡してあげてほしい」
ナナが水神殿にきて3か月ほど、その愛らしさでマスコット的存在になっていたのだ。
アラン隊長も渋々諦めたようだが、やはり騎士舎で騎士一同で祝いたかったようだ。
俺は午前中に料理とナナが期待しているであろう誕生ケーキを作り上げてインベントリ内に保管してある。
メインケーキはナナ希望のイチゴのショートケーキだ。俺が個人的に食べたかったので白桃のケーキもつくった。もちろんプリンとアイスクリームも外せない。
今回は各種多めに作って、参加できない可哀想な男性騎士たちにも分けてあげるつもりだ。
午後から少し訓練に時間を当てた。もうすぐここを出ていくので少しでも強くなっておきたい。
フィリアは残念ながら無詠唱が未だできず頭を抱えている。どうやら無言で魔法を発動するイメージができないようだ。一方のナナの方は簡略発動に成功していた。完全ではないが詠唱の部分を唱えないでスキル名だけで発動できるようになっていたのだ。習得している魔法全てではないが、得意魔法はスキル名のみで発動できている。
《清らかなる水の精霊達よ、集まりて敵を打ち倒せ【アクアボール】》
つまり【アクアボール】ここの最後のスキル名だけで発動できているのである。
当然落ち込んだのがフィリアだ。【並列思考】【多重詠唱】【ホーミング】を伝授されたのは自分なのに、ナナにさっさと先を越されてしまったのだ。【ホーミング】は上手く使えているようだが無詠唱ができないので【多重詠唱】が無駄になっている。
いくら思考がたくさんできても、口は1つしかないのだ。
ナナの目標の【エアコン】だが、風の祝福がまだついてなくて習得できずにいる。
俺はその事を聞いてちょっとだけイラッときてしまった。
訓練を切り上げ、ナナを連れ神殿の祭壇場にきていた。
「リョーマどうしたの? なんか怒ってる? ナナの覚えが悪いから怒ってるの?」
「違うよナナ、ナナの覚えが悪いとかフィリア様の前で言ったらダメだぞ。ナナより進捗のないフィリア様が落ち込んじゃうからな」
「あぅ。わかった、じゃーなんで、リョーマ機嫌悪そうなの?」
「機嫌悪そうに見えるか? ナナの誕生日の日に機嫌悪いとかダメだよな……ナナは水の適性が一番いいだろ? という事は適性的には火属性は基本苦手なんだよ。それはナナも解るな?」
「うん、フィリア様の授業で教えてもらったよ?」
「ああ、そこでだ。ナナの適性の悪い火属性の祝福を火神のロキ様がくれてるのに、元々ナナの適性のある風属性の祝福がなんで付いてないのかと思ったらちょっとムカついてきたのでね。流石一番人気のない風神エウロスだと思ったわけだ。一番人気のあるヴィーネ様は1時間お祈りしただけで初級の祝福までしてくれていたのにな」
『……マスターが脅してる! 風神エウロスが可哀想です。ただ真面目にナナの規定クリアを待っているのですよ。もうすぐその規定値もナナはクリアできます』
『そんなことは俺も分かっている。だが俺がナナに与えた俺の祝福の意図を理解できてないのが腹立たしい。流石にヴィーネはやり過ぎだが、他神はちゃんと俺の意図を理解して、俺が神殿に居られる間に【エアコン】を伝授できるように祝福を与えてくれている。カリナの事を考えると、もうあまり時間はないだろう。コツとかの事はフィリアに伝授できているから、サクラや他の娘はフィリアが教えてくれるだろう。でもナナは俺の一番弟子という事になっている。やはり俺が直伝で教えてあげたい』
「リョーマ、そんないい方したらダメだよ! 祝福が付かないのはナナのお祈りが足りてないからだよ!」
「あ~ごめんごめん。ナナ、今からもう1回風神エウロス様に祝福のお願いをしてみようか? 俺も一緒に手伝ってあげる」
「うん、いいよ。いつものでいいの? 風神エウロス様、いつも心地よい風を与えてくれてありがとうございます……」
俺は、ナナに信仰値を上げる簡単なコツを伝授していた。
厨房で火を使ったら火神ロキに、水を使ったら水神ネレイスに、明かりを付けたら光神ベレネスに、農作業で土を感じたら土神エメシュに大地の感謝を、風を感じたら風神エウロスに清浄と四季の感謝を、雷は嫌っているので勉強をするときに知の象徴である雷神セトに感謝を、インベントリを使ったら暗黒神ヴィーネに感謝するように言ってあった。生活魔法程度の祝福ならこれだけで大抵付くのだ。
心のこもってないお祈りを1時間するより、実利があった時に、その都度その属性の神に感謝の気持ちを伝えた方がずっと良いのだ。
心のない1時間より、心のこもった数秒の方がずっと良い。
「あ! エウロス様の祝福が付いた! リョーマがまた何かしたの?」
「こら! ちゃんとエウロス様にお礼を言わないか! 俺も一緒に言ってやるから」
「うん! エウロス様、祝福を下さりありがとうございます。きっと皆の為に役立たせて見せます!」
『……ナナの動機が俺の良心を傷つける。俺は自分の為に作っただけなのに……エウロス、無理を言って悪かった、ありがとうな』
「よしナナ、今から【エアーコンディショナー】魔法を伝授する! コツは以前に何度もいった通りだ、もう一回エアコン魔法を掛けてやるから、ちゃんと機能を理解してイメージするんだ。一番大事なのは完成後のイメージだからな」
うん、30分後ナナはエアコン魔法を習得しました。
流石天才少女……未だ3時間しか維持できないフィリアが涙目でした。
今日はそのまま訓練を切り上げ、こっそり神殿側の湖の対岸に花火の打ち上げ筒をせっせと設置していた。
風も微風で天気もいい。無風だとかえって煙がたまって見えずらいのだ。筒が動いたり倒れたりしないように土魔法で地面に固定してある。俺もナナの側で一緒に見たいので、打ち上げは導火線を使った時間差での打ち上げと、ホーミング魔法を使ってのピンポイント着火での2種類を考えている。
上手くいくか心配だが、この事は内緒にしてあるので失敗してもごまかせるだろう。
一応アラン隊長には、20時頃爆発音がするが俺の催しなので心配いらないと伝えている。
襲撃と勘違いするかもしれないので、その点はちゃんと伝えておいたのだ。
さぁ時間だ、ナナの誕生会開始時間だ。
神殿の食堂で皆席についているが、取り皿と各種食器類しか配膳されていない。
態とそうした俺の演出だ。
18時になったら、一気にテーブルに朝作ったアツアツの料理をどんどん並べていった。
増えていく豪華な料理に、皆、一喜一憂している。今回も新作があるのだ、皆の期待感が半端ない。
『誕生会の献立』
・オークジェネラルのとんかつ
・オークジェネラルのステーキ
・オークプリーストの角煮
・オークプリーストの生姜焼き
・オークの酢豚
・鶏肉のから揚げ・オーク肉のから揚げ
・湖で捕れた魚の甘酢あんかけ
・香草と野菜の天婦羅
・お好み焼き
・生野菜のサラダ
・コンソメスープ・コーンポタージュ
・米飯・パン
・バナナオレ・ミルクセーキ・ミックスジュース
・各種酒類
・プリン・アイスクリーム・ミルクババロア・レモンゼリー
・イチゴショートケーキ・ピーチショートケーキ
前回の肉祭りの時より、豪華になった。
ケーキとデザートはまだ出していない……デザートばっかり食べそうな女子がいそうだからだ。
「俺の育った村では、誕生日の日には料理とケーキでお祝いしてプレゼントを渡します。今回俺の村のようにさせてもらってますので、まずは料理からお楽しみください。この後にケーキなどのデザートが出ますので、飲みすぎたり食べ過ぎの無いように、腹八分目でお願いします」
「ではフィリア様、開始合図の乾杯の音頭をお願いします」
ナナとフィリアには乾杯の音頭と蝋燭の火消の事は伝えてある。
途中での解説はシラケるから、事前連絡は大事なのだ。
「ふむ、今日はナナのめでたい9歳の誕生日じゃ。リョウマたちが朝から作ってくれた料理を食べ、皆で祝おう、ではグラスを手に取り皆で乾杯じゃ!」
「「「乾杯!」」」 「「「ナナちゃんおめでとう!」」」
あちらこちらから、ナナに祝辞の声があがっている。余程感動したのか、ナナは嬉し泣きをしていた。
今回出した料理は前回好評だったオーク料理にから揚げ、湖にいる白身で淡白な味の魚の甘酢あんかけ、お好み焼きに、天婦羅を追加した。どれも好評だったので安心した。
意外だったのは、魚の甘酢あんかけが超人気だったことだ。
揚げ物やら天婦羅とか、油ものばっかりだったから、かえってあっさりしたものが受けたのかもしれない。
皆の食べ具合からそろそろかなと思い、誕生ケーキと各種デザートを取り出した。
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