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第一章
因縁
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自分が知らない、身に覚えの無い因縁に絡めとられ、今がどうと言うのでもなくただ“帝釈天とかぐやの血縁者”と言うだけで恨まれるなど、相手の一方的な言いがかりだと言ってしまえばそれだけなのかもしれない。
だが、それだけ深い恨みを持った本人が実在しているのだ。その本人を前に、”身に覚えがない”と言ったところで通用しない。
彼は、帝釈天の血を引く者たち全員を憎んでいる。そして今、その血は拡散して細く長く多くの人の体の中を巡っている……。
そう思うと、これから先多くの犠牲者が出る事が予測された。
自分たちを含め、多くの人の命が奪われてしまうだなんて……。
「因縁って言うのは、本当に厄介なものだよ……」
頼子は深いため息を吐きながら落胆したように肩を落とす。
冴歌は、複雑な表情を浮かべたまま視線を自分の手元に落とし黙り込んだ。
自分は妖怪たちからは恨みの標的に遭っている事。
各地に拡散している血縁者達よりも色濃く引き継ぐかぐやの血筋であり、更には、かぐやのような封印する力も持っていること……。
自分の中で頼子の言葉を反芻していて、ふと冴歌は顔を上げた。
「……私は、彼らを封じる力と言うのを知りません。そんな力があるなんて、とてもじゃないですけど思えないです。だって、私、普通の女子高生ですし……」
冴歌の言葉に、頼子も信明も難しい表情を浮かべて頭を抱えた。
「こればっかりはあたしにも信明にも分からないんだ。あたしにも子供の頃はその力の片鱗が見え隠れしていたらしいんだが、完全に目覚めない内に失われちまってね。残念だよ。あたしの代で力がちゃんと覚醒してれば、冴歌にこんな思いさせずに済んだかもしれないのに……」
心底悔しそうに呟く、頼子に信明もまた眉間に皺を寄せてうな垂れていた。
「そうだな……。男の僕にも、その力が受け継げたら良かったのに……」
「どういう事ですか? 男の人には継承されないんですか?」
「そうさ。この力は女性にしか受け継がれない。だからと言って確実に冴歌にあるかと言われると、それも分からないんだ」
相手を封じる力を持っているのに、その力に目覚めるかどうかは分からない。しかもそれは男性には受け継がれず、女性にのみ備わっている能力……。
その言葉に冴歌は目を見開く。
ではもしも、自分がその力に目覚めなかったとしたら、人間界に進出してきた彼らは一体どうなるのか? 僅かでも帝釈天の血を引く者たちを根絶やしにし、何の抵抗も出来ず自分たちも殺されたとしたら、もうこの世界には彼らを封じる者はいなくなって、まるで地獄のようなそんな世界が広がるのでは……?
運よく自分が生き残り、血筋を生かすために結婚、出産したとしたら、その子供にも危害が加わると言う事……。
冴歌はそこまで考えると、ぶんぶんと首を横に振った。
「目覚めなかったらと思うと、怖いです……」
あんな恐ろしい形相をした人ならざる化け物たちが辺りに散らばってしまった事を考えると、ゾッとしてしまう。何もなければ良いのだろうが、彼らの様子を見ている限りただ静かにしているとは思えなかった。
その冴歌の考えを察した信明がゆっくりと口を開く。
「妖怪たちは恐らくこれから色々な所で問題を起こしてくるだろう。彼らの行動はすぐにでも現れてくるはずだ。彼らの狙いは“帝釈天の血を引く者”。今となっては、かぐやの血は細く細く、世界中に拡散されている。だから例え僅かでも縁のある人間達に何かしら接触してくるはずだ。それが、いたずらにせよ……最悪、殺人にせよ、な」
殺人……。
それを聞いた瞬間、冴歌はぎゅっと拳を握り締めた。
多くの犠牲が出る前に、やはり封印する力を持つ者がいなければならない。
しかし、力に目覚めるかどうかも分からないのでは、打つ手無しだ。
「……私、どうしたら」
忘れていた震えが呼び起こされ、冴歌は顔を俯けた。
彩菜はそんな冴歌の傍に近づいて、手が白むほど硬く握られた彼女の手にそっと手を添え、抱きしめた。
「冴歌……」
抱きしめてくれる母のぬくもりに、冴歌は目を閉じた。
遅かれ早かれ、自分も殺されるかもしれない。そう思うと怖くて仕方が無かった。
「……やるしかないよ」
ふいに頼子が呟いた。
その言葉に全員が頼子へ視線を向けると、頼子は真っ直ぐに冴歌を険しい表情で見詰め、もう一度同じ言葉を口にする。
「やれるかやれないかじゃない。やれないでも、やるしかないよ。冴歌」
「え……?」
「お前はかぐや直系。あたしに片鱗が見えたぐらいだ。お前にもその力がきっと眠っているはず。妖怪たちは次に条件の揃う月の道が通じる時までは、自分の世界に帰る事は出来ないとされているし、そのまま野放しにしておく訳にもいかない。なら、封印する力がある事に賭けて、やってみるしかない」
頼子の言葉に、冴歌はぎゅっと唇をかんだ。
誰かがやらなければ妖怪たちの思う壺。自分も遅かれ早かれ殺される運命にあるのなら、力を目覚めさせ立ち向かえと、祖母は言っている。
たった一人で多くの妖怪を相手にするなど、目に見えて不利だとしか思えない。
そう思った矢先に、ふいに彩菜が頼子に噛み付いた。
「お義母さん。それは、冴歌一人に先立って死ねと仰るんですか」
「あたしだってこんな事言いたかないさ。だが誰かがやらなきゃいけない。それに、あたしらの一族は元々そうなる運命にあったんだ」
心苦しそうにそう呟く頼子に、彩菜は深く眉根を寄せて顔を俯け涙を零す。
「なぜこんな事に……。一千年もの間何も無かったのに、何故今なの……」
白い割烹着をきつく握り締めて涙する彩菜を見つめていた冴歌は、ぎゅっと胸が掴まれる。
自分が何とかしなければ、母も父も、そして祖母も殺されてしまう。そう思うと、恐怖に震える事しか出来なかった気持ちに、ふっと心が定まるのを感じた。
いくら自分が色濃い血筋を受け継いでいると言っても、覚醒は五分五分。ならば、もしかするとその力に目覚めない人がいないとも限らない。もしかしたら細く続く同じ血の流れている人の中に覚醒する人がいるかもしれない。
淡い望みであったとしても、最後までたった一人で立ち向かう可能性がゼロではないかもと思うと、ほんの少し気持ちが楽になった。
「……分かりました。やってみます」
「冴歌……」
意を決し、顔を上げてそう言うと、心配そうな彩菜の姿が目に映る。
その母を見つめ返し、冴歌はハッキリとした口調で言い切った。
「お母さん。私、皆が苦しむ姿を見たくない。自分にできる事があるのなら、精一杯やろうと思う。お母さんやお父さん、おばあちゃんの事も守りたい。それにもしかしたら、どこかで同じ力に目覚める人がいるかもしれないし……」
冴歌はそう言うとニッコリと微笑んで見せた。
心が定まれば潔い。それは冴歌にとってプラスでもありマイナスな部分でもあった。
彩菜はこの状況で微笑む冴歌を、勇ましくも優しく、しかし不憫に思い涙が止まらなかった。
母を泣かせたくはなかったが、それでも今出来るのはきっと自分だけ。これは自分にしかできない事なのだ。ならばもう、迷ってなどいられない。
頼子の言うように、やれるかやれないかじゃない。例えやれなくても出来る限りの事をする必要がある。
覚悟を決めた冴歌の様子を見ていた頼子は、険しい表情を浮かべながらも頷いた。
「力の覚醒に何が必要なのかは分からない。あたしと信明で色々調べてみるから、冴歌はひとまずいつも通りに生活を送りなさい」
「はい」
複雑な表情を浮かべる頼子と信明を見つめ返し、冴歌は真剣な表情で頷き返した。
だが、それだけ深い恨みを持った本人が実在しているのだ。その本人を前に、”身に覚えがない”と言ったところで通用しない。
彼は、帝釈天の血を引く者たち全員を憎んでいる。そして今、その血は拡散して細く長く多くの人の体の中を巡っている……。
そう思うと、これから先多くの犠牲者が出る事が予測された。
自分たちを含め、多くの人の命が奪われてしまうだなんて……。
「因縁って言うのは、本当に厄介なものだよ……」
頼子は深いため息を吐きながら落胆したように肩を落とす。
冴歌は、複雑な表情を浮かべたまま視線を自分の手元に落とし黙り込んだ。
自分は妖怪たちからは恨みの標的に遭っている事。
各地に拡散している血縁者達よりも色濃く引き継ぐかぐやの血筋であり、更には、かぐやのような封印する力も持っていること……。
自分の中で頼子の言葉を反芻していて、ふと冴歌は顔を上げた。
「……私は、彼らを封じる力と言うのを知りません。そんな力があるなんて、とてもじゃないですけど思えないです。だって、私、普通の女子高生ですし……」
冴歌の言葉に、頼子も信明も難しい表情を浮かべて頭を抱えた。
「こればっかりはあたしにも信明にも分からないんだ。あたしにも子供の頃はその力の片鱗が見え隠れしていたらしいんだが、完全に目覚めない内に失われちまってね。残念だよ。あたしの代で力がちゃんと覚醒してれば、冴歌にこんな思いさせずに済んだかもしれないのに……」
心底悔しそうに呟く、頼子に信明もまた眉間に皺を寄せてうな垂れていた。
「そうだな……。男の僕にも、その力が受け継げたら良かったのに……」
「どういう事ですか? 男の人には継承されないんですか?」
「そうさ。この力は女性にしか受け継がれない。だからと言って確実に冴歌にあるかと言われると、それも分からないんだ」
相手を封じる力を持っているのに、その力に目覚めるかどうかは分からない。しかもそれは男性には受け継がれず、女性にのみ備わっている能力……。
その言葉に冴歌は目を見開く。
ではもしも、自分がその力に目覚めなかったとしたら、人間界に進出してきた彼らは一体どうなるのか? 僅かでも帝釈天の血を引く者たちを根絶やしにし、何の抵抗も出来ず自分たちも殺されたとしたら、もうこの世界には彼らを封じる者はいなくなって、まるで地獄のようなそんな世界が広がるのでは……?
運よく自分が生き残り、血筋を生かすために結婚、出産したとしたら、その子供にも危害が加わると言う事……。
冴歌はそこまで考えると、ぶんぶんと首を横に振った。
「目覚めなかったらと思うと、怖いです……」
あんな恐ろしい形相をした人ならざる化け物たちが辺りに散らばってしまった事を考えると、ゾッとしてしまう。何もなければ良いのだろうが、彼らの様子を見ている限りただ静かにしているとは思えなかった。
その冴歌の考えを察した信明がゆっくりと口を開く。
「妖怪たちは恐らくこれから色々な所で問題を起こしてくるだろう。彼らの行動はすぐにでも現れてくるはずだ。彼らの狙いは“帝釈天の血を引く者”。今となっては、かぐやの血は細く細く、世界中に拡散されている。だから例え僅かでも縁のある人間達に何かしら接触してくるはずだ。それが、いたずらにせよ……最悪、殺人にせよ、な」
殺人……。
それを聞いた瞬間、冴歌はぎゅっと拳を握り締めた。
多くの犠牲が出る前に、やはり封印する力を持つ者がいなければならない。
しかし、力に目覚めるかどうかも分からないのでは、打つ手無しだ。
「……私、どうしたら」
忘れていた震えが呼び起こされ、冴歌は顔を俯けた。
彩菜はそんな冴歌の傍に近づいて、手が白むほど硬く握られた彼女の手にそっと手を添え、抱きしめた。
「冴歌……」
抱きしめてくれる母のぬくもりに、冴歌は目を閉じた。
遅かれ早かれ、自分も殺されるかもしれない。そう思うと怖くて仕方が無かった。
「……やるしかないよ」
ふいに頼子が呟いた。
その言葉に全員が頼子へ視線を向けると、頼子は真っ直ぐに冴歌を険しい表情で見詰め、もう一度同じ言葉を口にする。
「やれるかやれないかじゃない。やれないでも、やるしかないよ。冴歌」
「え……?」
「お前はかぐや直系。あたしに片鱗が見えたぐらいだ。お前にもその力がきっと眠っているはず。妖怪たちは次に条件の揃う月の道が通じる時までは、自分の世界に帰る事は出来ないとされているし、そのまま野放しにしておく訳にもいかない。なら、封印する力がある事に賭けて、やってみるしかない」
頼子の言葉に、冴歌はぎゅっと唇をかんだ。
誰かがやらなければ妖怪たちの思う壺。自分も遅かれ早かれ殺される運命にあるのなら、力を目覚めさせ立ち向かえと、祖母は言っている。
たった一人で多くの妖怪を相手にするなど、目に見えて不利だとしか思えない。
そう思った矢先に、ふいに彩菜が頼子に噛み付いた。
「お義母さん。それは、冴歌一人に先立って死ねと仰るんですか」
「あたしだってこんな事言いたかないさ。だが誰かがやらなきゃいけない。それに、あたしらの一族は元々そうなる運命にあったんだ」
心苦しそうにそう呟く頼子に、彩菜は深く眉根を寄せて顔を俯け涙を零す。
「なぜこんな事に……。一千年もの間何も無かったのに、何故今なの……」
白い割烹着をきつく握り締めて涙する彩菜を見つめていた冴歌は、ぎゅっと胸が掴まれる。
自分が何とかしなければ、母も父も、そして祖母も殺されてしまう。そう思うと、恐怖に震える事しか出来なかった気持ちに、ふっと心が定まるのを感じた。
いくら自分が色濃い血筋を受け継いでいると言っても、覚醒は五分五分。ならば、もしかするとその力に目覚めない人がいないとも限らない。もしかしたら細く続く同じ血の流れている人の中に覚醒する人がいるかもしれない。
淡い望みであったとしても、最後までたった一人で立ち向かう可能性がゼロではないかもと思うと、ほんの少し気持ちが楽になった。
「……分かりました。やってみます」
「冴歌……」
意を決し、顔を上げてそう言うと、心配そうな彩菜の姿が目に映る。
その母を見つめ返し、冴歌はハッキリとした口調で言い切った。
「お母さん。私、皆が苦しむ姿を見たくない。自分にできる事があるのなら、精一杯やろうと思う。お母さんやお父さん、おばあちゃんの事も守りたい。それにもしかしたら、どこかで同じ力に目覚める人がいるかもしれないし……」
冴歌はそう言うとニッコリと微笑んで見せた。
心が定まれば潔い。それは冴歌にとってプラスでもありマイナスな部分でもあった。
彩菜はこの状況で微笑む冴歌を、勇ましくも優しく、しかし不憫に思い涙が止まらなかった。
母を泣かせたくはなかったが、それでも今出来るのはきっと自分だけ。これは自分にしかできない事なのだ。ならばもう、迷ってなどいられない。
頼子の言うように、やれるかやれないかじゃない。例えやれなくても出来る限りの事をする必要がある。
覚悟を決めた冴歌の様子を見ていた頼子は、険しい表情を浮かべながらも頷いた。
「力の覚醒に何が必要なのかは分からない。あたしと信明で色々調べてみるから、冴歌はひとまずいつも通りに生活を送りなさい」
「はい」
複雑な表情を浮かべる頼子と信明を見つめ返し、冴歌は真剣な表情で頷き返した。
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