209 / 231
5章.妹君と辺境伯は時を刻む
208.リーゼロッテは拒む
しおりを挟む
「え……?」
「……陛下の時を早めてくれないか、と言っているのだ」
あまりの衝撃にリーゼロッテは言葉を失った。
今まで時を戻したことはあっても、早めたことはない。
とはいえ時間に干渉する能力だ。
できないということはないだろう。
しかし、早めるということは──。
(……私が……陛下を暗殺することに……)
ゾッとするほどの悪寒が背筋を走る。
頬を伝う冷や汗に、急速に周囲の気温が下がったようにすら感じる。
手先の嫌な冷たさをどうにか温めようと両手を胸の前で合わせた。
「……で、できません。そんなこと……いくら殿下のお願いでも……」
身震いするように首を振るリーゼロッテを、フリッツは冷ややかに見つめる。
「……もしやってくれたら、ユリウスのことは不問にする。特別に結婚も認めよう」
「ですが……」
「やってほしい」
「……………………」
フリッツの強硬な態度に、リーゼロッテは押し黙った。
彼女自身、ユリウスに会えない日々は辛かった。
ずっと恋焦がれ、手紙を読むたびに会いたい気持ちが膨れ上がる。
それ自体は否定できない。
しかし、その気持ちを国王の命と天秤に量れと言われれば──無理だ。
「……私にはできません」
ゆっくりと首を振ったリーゼロッテをフリッツは睨め付けた。
冬の溜め池のように濁り、冷え冷えした色が瞳に宿る。
「……やらなければ貴女を投獄する。聖殿内……ここで一生、飾りだけの聖女として終えるのだ」
「できません」
「ならば貴族殺しの大罪を犯したとしてユリウスも投獄するしかない」
「……それは……」
リーゼロッテの眉が下がる。
彼女が言うことを聞けば、ユリウスの生活を守れる。
しかしそれは彼女が殺人を犯すということに他ならない。
(……私が犠牲になれば……ですが……それは……)
リーゼロッテは内ポケットに触れた。
今までのことが脳裏に蘇る。
出会った時からずっと、リーゼロッテの境遇を気遣ってくれていたユリウス。
冤罪だと信じて握ってくれた温かな手。
そばから離れるなと守り、抱きしめてくれた腕。
優しく笑いかけるような心地よい声。
それら全てが愛しく、誰にも彼を侵されたくない。
──リーゼロッテの心は決まった。
法衣の中に手を入れ俯く彼女を、彼の今後というカードを握っているフリッツは見つめると、口端をこれでもかというほど吊り上げた。
「さあ、やるんだ」
「……やりません。ですがユリウス様も殿下のお好きにはさせません」
「……どういうことだ」
微かに眉を動かしたフリッツは、次の瞬間目を疑った。
リーゼロッテの白くほっそりとした首によく研がれたナイフが押し当てられていた。
それを握るのはリーゼロッテ自身だ。
「何をバカなことを……」
「近づかないでください。近づいたら私は死にます」
ため息混じりに近づこうとしたフリッツをリーゼロッテは制す。
その手は微塵も震えず首を捉えていた。
「そんなことをしても……ユリウスの投獄は変わらない。貴女が死体になるだけだ。それよりは、そこにいる老体を殺して愛する男と結婚できたほうが遥かにいいのではないか?」
「……もし誰かを……ユリウス様の恩人でもあらせられる陛下を殺してしまったら、私はユリウス様に顔向けできません。殿下の時を止めて私も死にます」
「……全く、姉妹揃って融通の効かない……」
歯軋りするように呟いた彼は、ヘッダの方へと視線を移した。
「もういい。神官。お前がやれ」
「……どういうことでございましょう?」
「忘れたのか。もし聖女が力を使わなかったらお前が陛下を暗殺しろと言っていただろう」
取り繕うこともせず、怒りと苛立ちをぶつけるように彼女に言い放つ。
もはや暗殺を隠すこともせず言う彼の顔は醜く、リーゼロッテには悪魔のように見えた。
「…………私めは……」
「ヘッダさん……?」
珍しく戸惑うように視線を這わせるヘッダは、半歩後退るようによろめいた。
「どうした。諜報より暗殺の方が得意なのだろう? だからお前をこの女の世話係にしたというのに……やらなければお前もこの女に加担したとして投獄する」
「……承知いたしました」
投獄、の言葉に肩が震える。
その表情は髪色以上に青白く、唇は微かにわなないていた。
とても暗殺が得意と言われるほどの冷徹さも自信も感じられない。
彼女は懐から黒い暗器を取り出すと、呼吸を整えるように息を吐き出した。
「ダメです、ヘッダさん! やめてください!」
必死に止めようとするリーゼロッテの声を振り払うように首を振ると、彼女は腕を振り下ろした。
ひゅ、と空気を薙ぐ音が聞こえ天蓋が裂かれる。
「っ!?」
しかし暗器は硬い音を立て床に落ちた。
呆然とそれを見つめるヘッダの背後から、聞き慣れた──そして最も聞きたかった声が響く。
「……聖女だけでなく神官にすら陛下の暗殺を強制するとは……酷いな」
「! だ、誰だ!?」
フリッツは振り向くが、ヘッダの後ろには誰もいない。
謎の人物に暗器を防がれた彼女は、恐怖からか安堵からか、へなへなと腰を抜かしてしまった。
(この声は……まさか)
ここにいるはずもない彼の声に、リーゼロッテは首に当てたナイフを下ろしかける。
その瞬間を狙っていたかのように、フリッツは彼女を取られまいと「こっちに来い」と黒髪に手を伸ばす。
「嫌っ!」
手にしたナイフをフリッツに向けることすら躊躇われ、リーゼロッテは目を瞑った。
髪を絡め取られる──その手は途中で止まった。
怖々と目を開けてみると、そこには見慣れた黒の軍服を身に纏った逞しい背中が、彼女を庇うようにフリッツの手を阻んでいた。
「王太子殿下……いや、フリッツ。国王陛下の暗殺未遂、および聖女迫害の容疑で拘束させてもらう」
「ユリウス様!」
リーゼロッテの歓喜の声に、フリッツは目を見開いた。
「ユリウス……?! 何故ここに!? ここは男子禁制……いやそれ以前に城への不法侵入じゃないか!」
「いやいや、そんな罪には問えないよ。彼は僕が呼んだからね」
剣でも向けられているのか、震え声で喚き立てるフリッツの背後から、人を食ったような笑みのテオが姿を現した。
いや、テオだけではない。
エルやデボラ、マリー、そしてクリスタの姿まである。
その皆が、フリッツに厳しい視線を向けていた。
「あ……兄上?! ま、マリーまで……一体どういうことだ……?!」
「どうもこうもないよ?」
テオは面白いものを見た、と浮かべていた笑みをすっと消した。
あからさまに発せられた怒りを受け、フリッツは怯んだように小さな悲鳴を上げた。
「君はもう、おしまいだよ。フリッツ」
「……陛下の時を早めてくれないか、と言っているのだ」
あまりの衝撃にリーゼロッテは言葉を失った。
今まで時を戻したことはあっても、早めたことはない。
とはいえ時間に干渉する能力だ。
できないということはないだろう。
しかし、早めるということは──。
(……私が……陛下を暗殺することに……)
ゾッとするほどの悪寒が背筋を走る。
頬を伝う冷や汗に、急速に周囲の気温が下がったようにすら感じる。
手先の嫌な冷たさをどうにか温めようと両手を胸の前で合わせた。
「……で、できません。そんなこと……いくら殿下のお願いでも……」
身震いするように首を振るリーゼロッテを、フリッツは冷ややかに見つめる。
「……もしやってくれたら、ユリウスのことは不問にする。特別に結婚も認めよう」
「ですが……」
「やってほしい」
「……………………」
フリッツの強硬な態度に、リーゼロッテは押し黙った。
彼女自身、ユリウスに会えない日々は辛かった。
ずっと恋焦がれ、手紙を読むたびに会いたい気持ちが膨れ上がる。
それ自体は否定できない。
しかし、その気持ちを国王の命と天秤に量れと言われれば──無理だ。
「……私にはできません」
ゆっくりと首を振ったリーゼロッテをフリッツは睨め付けた。
冬の溜め池のように濁り、冷え冷えした色が瞳に宿る。
「……やらなければ貴女を投獄する。聖殿内……ここで一生、飾りだけの聖女として終えるのだ」
「できません」
「ならば貴族殺しの大罪を犯したとしてユリウスも投獄するしかない」
「……それは……」
リーゼロッテの眉が下がる。
彼女が言うことを聞けば、ユリウスの生活を守れる。
しかしそれは彼女が殺人を犯すということに他ならない。
(……私が犠牲になれば……ですが……それは……)
リーゼロッテは内ポケットに触れた。
今までのことが脳裏に蘇る。
出会った時からずっと、リーゼロッテの境遇を気遣ってくれていたユリウス。
冤罪だと信じて握ってくれた温かな手。
そばから離れるなと守り、抱きしめてくれた腕。
優しく笑いかけるような心地よい声。
それら全てが愛しく、誰にも彼を侵されたくない。
──リーゼロッテの心は決まった。
法衣の中に手を入れ俯く彼女を、彼の今後というカードを握っているフリッツは見つめると、口端をこれでもかというほど吊り上げた。
「さあ、やるんだ」
「……やりません。ですがユリウス様も殿下のお好きにはさせません」
「……どういうことだ」
微かに眉を動かしたフリッツは、次の瞬間目を疑った。
リーゼロッテの白くほっそりとした首によく研がれたナイフが押し当てられていた。
それを握るのはリーゼロッテ自身だ。
「何をバカなことを……」
「近づかないでください。近づいたら私は死にます」
ため息混じりに近づこうとしたフリッツをリーゼロッテは制す。
その手は微塵も震えず首を捉えていた。
「そんなことをしても……ユリウスの投獄は変わらない。貴女が死体になるだけだ。それよりは、そこにいる老体を殺して愛する男と結婚できたほうが遥かにいいのではないか?」
「……もし誰かを……ユリウス様の恩人でもあらせられる陛下を殺してしまったら、私はユリウス様に顔向けできません。殿下の時を止めて私も死にます」
「……全く、姉妹揃って融通の効かない……」
歯軋りするように呟いた彼は、ヘッダの方へと視線を移した。
「もういい。神官。お前がやれ」
「……どういうことでございましょう?」
「忘れたのか。もし聖女が力を使わなかったらお前が陛下を暗殺しろと言っていただろう」
取り繕うこともせず、怒りと苛立ちをぶつけるように彼女に言い放つ。
もはや暗殺を隠すこともせず言う彼の顔は醜く、リーゼロッテには悪魔のように見えた。
「…………私めは……」
「ヘッダさん……?」
珍しく戸惑うように視線を這わせるヘッダは、半歩後退るようによろめいた。
「どうした。諜報より暗殺の方が得意なのだろう? だからお前をこの女の世話係にしたというのに……やらなければお前もこの女に加担したとして投獄する」
「……承知いたしました」
投獄、の言葉に肩が震える。
その表情は髪色以上に青白く、唇は微かにわなないていた。
とても暗殺が得意と言われるほどの冷徹さも自信も感じられない。
彼女は懐から黒い暗器を取り出すと、呼吸を整えるように息を吐き出した。
「ダメです、ヘッダさん! やめてください!」
必死に止めようとするリーゼロッテの声を振り払うように首を振ると、彼女は腕を振り下ろした。
ひゅ、と空気を薙ぐ音が聞こえ天蓋が裂かれる。
「っ!?」
しかし暗器は硬い音を立て床に落ちた。
呆然とそれを見つめるヘッダの背後から、聞き慣れた──そして最も聞きたかった声が響く。
「……聖女だけでなく神官にすら陛下の暗殺を強制するとは……酷いな」
「! だ、誰だ!?」
フリッツは振り向くが、ヘッダの後ろには誰もいない。
謎の人物に暗器を防がれた彼女は、恐怖からか安堵からか、へなへなと腰を抜かしてしまった。
(この声は……まさか)
ここにいるはずもない彼の声に、リーゼロッテは首に当てたナイフを下ろしかける。
その瞬間を狙っていたかのように、フリッツは彼女を取られまいと「こっちに来い」と黒髪に手を伸ばす。
「嫌っ!」
手にしたナイフをフリッツに向けることすら躊躇われ、リーゼロッテは目を瞑った。
髪を絡め取られる──その手は途中で止まった。
怖々と目を開けてみると、そこには見慣れた黒の軍服を身に纏った逞しい背中が、彼女を庇うようにフリッツの手を阻んでいた。
「王太子殿下……いや、フリッツ。国王陛下の暗殺未遂、および聖女迫害の容疑で拘束させてもらう」
「ユリウス様!」
リーゼロッテの歓喜の声に、フリッツは目を見開いた。
「ユリウス……?! 何故ここに!? ここは男子禁制……いやそれ以前に城への不法侵入じゃないか!」
「いやいや、そんな罪には問えないよ。彼は僕が呼んだからね」
剣でも向けられているのか、震え声で喚き立てるフリッツの背後から、人を食ったような笑みのテオが姿を現した。
いや、テオだけではない。
エルやデボラ、マリー、そしてクリスタの姿まである。
その皆が、フリッツに厳しい視線を向けていた。
「あ……兄上?! ま、マリーまで……一体どういうことだ……?!」
「どうもこうもないよ?」
テオは面白いものを見た、と浮かべていた笑みをすっと消した。
あからさまに発せられた怒りを受け、フリッツは怯んだように小さな悲鳴を上げた。
「君はもう、おしまいだよ。フリッツ」
1
お気に入りに追加
2,525
あなたにおすすめの小説
前世軍医だった傷物令嬢は、幸せな花嫁を夢見る
花雨宮琵
恋愛
侯爵令嬢のローズは、10歳のある日、背中に刀傷を負い生死の境をさまよう。
その時に見た夢で、軍医として生き、結婚式の直前に婚約者を亡くした前世が蘇る。
何とか一命を取り留めたものの、ローズの背中には大きな傷が残った。
“傷物令嬢”として揶揄される中、ローズは早々に貴族女性として生きることを諦め、隣国の帝国医学校へ入学する。
背中の傷を理由に六回も婚約を破棄されるも、18歳で隣国の医師資格を取得。自立しようとした矢先に王命による7回目の婚約が結ばれ、帰国を余儀なくされる。
7人目となる婚約者は、弱冠25歳で東の将軍となった、ヴァンドゥール公爵家次男のフェルディナンだった。
長年行方不明の想い人がいるフェルディナンと、義務ではなく愛ある結婚を夢見るローズ。そんな二人は、期間限定の条件付き婚約関係を結ぶことに同意する。
守られるだけの存在でいたくない! と思うローズは、一人の医師として自立し、同時に、今世こそは愛する人と結ばれて幸せな家庭を築きたいと願うのであったが――。
この小説は、人生の理不尽さ・不条理さに傷つき悩みながらも、幸せを求めて奮闘する女性の物語です。
※この作品は2年前に掲載していたものを大幅に改稿したものです。
(C)Elegance 2025 All Rights Reserved.無断転載・無断翻訳を固く禁じます。
呪われ令嬢、王妃になる
八重
恋愛
「シェリー、お前とは婚約破棄させてもらう」
「はい、承知しました」
「いいのか……?」
「ええ、私の『呪い』のせいでしょう?」
シェリー・グローヴは自身の『呪い』のせいで、何度も婚約破棄される29歳の侯爵令嬢。
家族にも邪魔と虐げられる存在である彼女に、思わぬ婚約話が舞い込んできた。
「ジェラルド・ヴィンセント王から婚約の申し出が来た」
「──っ!?」
若き33歳の国王からの婚約の申し出に戸惑うシェリー。
だがそんな国王にも何やら思惑があるようで──
自身の『呪い』を気にせず溺愛してくる国王に、戸惑いつつも段々惹かれてそして、成長していくシェリーは、果たして『呪い』に打ち勝ち幸せを掴めるのか?
一方、今まで虐げてきた家族には次第に不幸が訪れるようになり……。
★この作品の特徴★
展開早めで進んでいきます。ざまぁの始まりは16話からの予定です。主人公であるシェリーとヒーローのジェラルドのラブラブや切ない恋の物語、あっと驚く、次が気になる!を目指して作品を書いています。
※小説家になろう先行公開中
※他サイトでも投稿しております(小説家になろうにて先行公開)
※アルファポリスにてホットランキングに載りました
※小説家になろう 日間異世界恋愛ランキングにのりました(初ランクイン2022.11.26)
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
【完結】身を引いたつもりが逆効果でした
風見ゆうみ
恋愛
6年前に別れの言葉もなく、あたしの前から姿を消した彼と再会したのは、王子の婚約パレードの時だった。
一緒に遊んでいた頃には知らなかったけれど、彼は実は王子だったらしい。しかもあたしの親友と彼の弟も幼い頃に将来の約束をしていたようで・・・・・。
平民と王族ではつりあわない、そう思い、身を引こうとしたのだけど、なぜか逃してくれません!
というか、婚約者にされそうです!
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
婚約破棄されたショックですっ転び記憶喪失になったので、第二の人生を歩みたいと思います
ととせ
恋愛
「本日この時をもってアリシア・レンホルムとの婚約を解消する」
公爵令嬢アリシアは反論する気力もなくその場を立ち去ろうとするが…見事にすっ転び、記憶喪失になってしまう。
本当に思い出せないのよね。貴方たち、誰ですか? 元婚約者の王子? 私、婚約してたんですか?
義理の妹に取られた? 別にいいです。知ったこっちゃないので。
不遇な立場も過去も忘れてしまったので、心機一転新しい人生を歩みます!
この作品は小説家になろうでも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる