竪琴の乙女

ライヒェル

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四章

怒濤の流れに

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派川と本流が交わる、巨大な渦の向こうに反り立つ岩場。
その岩場の下に鬱蒼と茂っている、高さが2メートルはありそうな葦の陰に、ひとつの人影があった。
風で揺れる葦の隙間から差し込む夕日が照らす、見覚えのある姿。
そんな、馬鹿な。
濡れた巻き毛が顔にまとわりついている、上半身裸の男がいる。
あれは、カスピアン……?
まさか。
大きく目を見開いて、真っすぐにこちらを見ている男。
やっぱり!
確信すると同時に度肝を抜かれ、パニックになる。
あれは、間違いなくカスピアンだ。
どうして?!
どうやって、ここに?!
しかも、一人で?!
なぜ?!
どうするつもりなの?!
驚愕のあまり、瞬きも忘れ、愕然としてその姿を見つめる。
葦が揺らいだと思った途端、カスピアンが河に飛び込んだのが見え、心臓が止まりそうになった。
見えない!
どこにいるの?!
河原に両手と膝をついたまま、精一杯目を凝らし、その姿を探す。
「セイラ?」
ルシア王子の声が聞こえ、咄嗟に立ち上がり後ろを振り返る。
「怪我は……」
こちらへ歩いてくるルシア王子の後ろには、数人の護衛の姿も見えた。
再度、河の方へ目を戻し、必死でカスピアンの姿を探す。
居た!
夕日で赤く染まる河の表面に、時折見え隠れする黒い影。
あの速い流れに逆らって、こちらに向かって泳いでいる!
やめて!
来たらダメ!
このままだと、カスピアンも捕まってしまう!
「セイラ!」
突然あたりに響いたカスピアンの叫び声。
ハッとして背後を振り返ると、一瞬足を止めたルシア王子と護衛が、次の瞬間、一斉にこちらに向かってくるのが見えた。
気づかれた!
考えるより速く、私は河原から本流へ駆け出し、ザブザブと冷たい水の中へと走りこんだ。
足に絡み付くドレスをめいっぱいたくし上げ、河の奥へ、奥へと進む。
ルシア王子の叫ぶ声がどんどん近づいた時には胸のあたりまで水流が押し寄せる深さまで入り、もう歩けなくなる。足が水中に浮いたかと思うと、強い流れが一気に私の体をすくいあげ、あっという間に流れに引きこまれた。
長いドレスが体に巻き付いて、身動きが取れない。
渦まく強い河の流れに押されながらが、体が一気に水面下へ沈む。
全ての音が遮断された水中。
恐ろしさにぎゅっと目を閉じた。
轟く水の流れが振動となり耳に響く。
怖い!
なんとか浮上しようと手を伸ばした時、腕を掴まれたことに気づいて目を開く。
私の腕を掴み、たぐり寄せようとしているカスピアンが見える。
力強く下から押し上げられるようにして、ようやく頭が水面の上に出た。
思い切り空気を吸い込み、目を開く。
夕焼けの空が見えた。
なんとか息継ぎをしながら、目の前にある大きな流木にしがみつき、河原の方を振り返る。
すでにルシア王子達の姿は遥か遠くに消えていくところだった。
自分が、ものすごい勢いで巨大な河のど真ん中を流されていることに、今更パニックになり、恐怖で思わず流木から手が離れてしまい、体がまた、水面下に沈みかける。
強烈な流れに押され続け、声も出ない。
カスピアンが私の上半身を引き上げ流木の上に乗せ、落ちないように私と流木を一緒にしっかりと抱え込む。
この激しい流れの中、助かるのだろうか。
この巨大な河のど真ん中を下流へと流されている私達。
耳を突き破るような水の轟音しか聞こえない。
絶え間なく体に打ち付ける激しい流れとその水の冷たさに、だんだん気が遠くなっていく。
四肢の感覚が消えていくようだ。
自分が呼吸しているのかさえわからなくなってくる。
このまま、すべて終わってしまうのか。
意識が遠のく直前、死を覚悟した。



パチパチという何かが跳ねる音が遠くから聞こえてきて、ぼんやりと目を開く。
薄暗い天幕の中に寝かされていることに気づくまで、しばらく時間がかかる。
さっきから聞こえているのは、天幕の外の焚火の音らしい。
薄暗さからしてもう、夜になっているのは間違いない。
私はヴォルガの河に飛び込んだのだ。
まだ、生きてる……
助かったんだ。
あの激流に流されながら、もう駄目かもしれないと覚悟を決めた事を思い出す。
恐怖が蘇ってきて、瞬きをすると目から涙がこぼれ落ちた。
手を動かそうとして、自分の右手が温かいことに気がつき隣に目を向けると、カスピアンがそこに身を横たえ私を見ていた。
「!」
驚いて、思わず目をそらし反対側に顔を向けた。
カスピアンは、何も言わない。
私の右手を包み込む大きな手に力が込められる。
恐る恐る、ゆっくりと振り返ってみた。
薄明かりに照らされたカスピアンが、黙って私を見ている。
「あの……」
何かを言わねば、と声を出そうとしたけれど、喉が掠れて声がうまく出ない。
きっと、河の水をしこたま飲んだか、ずぶ濡れになり冷えたせいだろう。
「あり、がとう……」
ありったけの勇気で、なんとかお礼の言葉を絞り出した。
とても人が泳ぐようなのどかな河ではなかった。あの激流の中、一人では間違いなくあっという間に溺れ死んでいただろう。
いつもすぐ怒鳴り散らすカスピアンが無言という、ありえない状況で、いたたまれなくなる。
頭がまだ完全に機能していないのか、お礼以外に何を言えばいいかもわからず、黙って天幕の上から吊るされているランプの火が揺れるのを見上げる。
ここはもう、ラベロアの領域なのだ。
生きたまま、ルシア王子から逃げる事ができたと実感し、安堵のため息をついた。
身を起こそうとして腕に力を入れた途端、全身に鈍い痛みが走り、身を起こせずにまた倒れる。
きっと、全身を激流に打たれたせいだろう。
頭もなんだかぐらぐらする気がする。
カスピアンが私の背を支えてゆっくりと起こしてくれたが、体に全然力が入らない。
平衡感覚もなくふらふらと不安定な私を、背後から抱えるように座り直したカスピアン。
「殿下、セイラ様は気づかれましたか」
エイドリアンが天幕の向こうから声をかけ、少し間を空けてから中に入ってきた。
起きている私を見てほっとしたような表情になり、エイドリアンは温かいお茶を入れた器を二つ、私たちが座っているラグの上に置いて、また、天幕の向こうに消えた。
カスピアンが湯気のたつ器を手に取り、静かに口に含んだ。
冷えきった指先を温めようと、もうひとつの器に手を伸ばそうとしたら、カスピアンが持っていた器を私の口元に寄せる。
もしかして、飲ませてくれるつもりなの?
確かに、手の指にも力が入らないから、熱いお茶が入った器さえ、自力で持てるか怪しい。
飲み物を飲ませてもらうというのが、恥ずかしくて戸惑ったが、喉が枯れきってヒリヒリ痛いし、ずぶ濡れで体が冷えて今にも風邪を引きそうな状態で、遠慮している場合ではないだろう。
恥ずかしさで頬が熱くなる気がしながら、器に口を寄せると、ゆっくりと、温かくほんのり甘いハーブティが注ぎ込まれる。
その美味しさに何度か続けて飲み、ホッとして頬が緩む。
「美味しい……」
思わず口にして、カスピアンを振り返った。
今まで見た事のない、穏やかな目が自分に向けられているのに、ドキリとして思わず目線を落とした。
未だに一言も発しない上、ずっと静かなカスピアンの様子に、ひどく落ち着かなくなる。
いつもみたいに、声を荒げ命令口調で何か言えば、言い返すことも出来るのに!
どうしてこんなに静かなんだろう。
怒っているからなのかと思ったが、表情を見る限り、そうでもなさそうに見える。
まるで別人のような態度に、どう接したらいいのか分からず、完全に調子が狂う。
普段、言いたい事をそのまま口にしていたカスピアンが黙っていると、何を考えているのかさっぱり分からない。
落ち着かず自分の膝を見下ろし、この居たたまれなさを、どうしのげばいいのか悩む。
持っていた器をラグの上に置くカスピアンの手を目で追った時、その腕に大きな傷があるのに気がついた。10センチ以上はある切り傷で、皮膚が裂けており、出血は止まっているようだが、赤い肉が見えているほど深い。
あまりの痛々しさに思わず叫んでしまう。
「カスピアン!これ……」
激流の中、流れる流木か隆起した岩で傷を負ったのは明らかだった。
「傷が開いてる!手当てしないと」
当のカスピアンは特に反応もせず、相変わらず一言も発さない。
「エイドリアン?」
仕方なく、天幕の向こうに声をかけてみる。
すぐにエイドリアンが天幕を開けて中に入ってきた。
「怪我の手当を……」
カスピアンの腕を指差すと、エイドリアンが頷いていくつか治療道具を持ってきたが、そのまますぐに天幕から出て行ってしまう。
そうなると、当然、私しか手当出来る人間はいない。
腕を伸ばしたままじっとしているカスピアンは、相変わらずだんまりを続けている。
この人は、いつまで黙っているつもりなんだろう。
話しかけるのも諦めて、とにかく手当を始めた。
清潔な水で十分に洗い流し、消毒をした後、傷が開かないようにしっかりと包帯を巻く。ただそれだけの作業だが、体の節々が痛く、思うように指先に力が入らないので、やっと包帯の結び目を留めるまで、随分と時間がかかってしまった。
「痛い?」
傷が開かないようにと、包帯をきつく縛りすぎたかもしれない。気になって尋ねてみたが、やはり、特に反応はない。
聞くだけ無駄だったか、とため息をつく。
包帯の結び目が気になり、もう一度結び直そうかと手を伸ばしかけると、カスピアンがその腕で私を抱きすくめた。
不意をつかれドキリとして顔をあげると、間近に深い緑色の目があった。まるで、私の心の中を読み取ろうとしているかのように、まっすぐに見つめられて、目を逸らすことが出来ない。
頭の中が真っ白になって身動きが出来ず、その目を見つめていると、少しずつ視界が横転していく。後ろに倒れていく感覚に、思わず手を伸ばしてカスピアンの肩に触れた。彼の栗色の巻き毛がはらりと私の頬に落ちると、視界がカスピアンでいっぱいになる。
「……セイラ」
カスピアンがまるで独り言のように、静かに私の名を呼んだ。
彼の息づかいを頬に感じて、心臓がひとつ大きく跳ね、鼓動がどんどん早まり始める。
胸が苦しくなり、この緊張感に耐えられず目を閉じた。
怖くてドキドキしているわけではない、とそれだけははっきりと分かっていた。
彼の胸に触れている自分の両手は、なぜか、彼を押し返そうとはしない。
激しく鼓動する自分の心臓の音だけが聞こえる。
やがて、唇に体温を感じた。
遠慮がちに重ねられたカスピアンの唇が、優しくゆっくりと、私の心を蝕んでいた苦しみの全てを消していく。
時間の感覚も消え、何も考えられなくなる。
まるで火がついたように胸が熱くなり、このまま自分は溶けてしまうような気がした。
ようやく唇が離れ、ぼんやりとした意識の中でゆっくり目を開くと、カスピアンが、今まで見た事がないような、熱の籠った眼差しをこちらに向けていた。
どうして、そんな目で私を見るの?
なぜ、口づけをしたの?
疑問がぐるぐると頭の中を回るが、言葉にすることが出来ない。
それに、全く逃げる気にならずそのまま受け入れた自分自身もよくわからない。
ただひとつだけわかっているのは、これはきっと、一生忘れられない瞬間だということだけ。
労わるように私の頬に手を触れたカスピアンが、静かな声で聞いた。
「水に打たれて体が痛むのだろう。怪我はないか」
「うん……大丈夫、怪我は、してないから」
「そうか」
ホッとしたように表情を和らげて、カスピアンは私の背を抱く手に力を込めた。
「体が随分と冷えている。もっとこちらに寄れ」
耳元で聞こえた言葉に、小さく頷く。
身じろぎすると、カスピアンの逞しい腕がぎゅっと私の背を抱きしめた。
全身が温かさに包み込まれて、自分が仔猫になったような気分になる。
小さく安堵の溜息をつく。
自分がどうして素直になっているのかよくわからない。
「もうすぐサリーが到着する。それまで我慢しろ」
命令口調なのにその言葉は耳に優しく響いた。
カスピアンは乾いた布を手繰り寄せて私に掛けると、もう一度しっかりと抱きしめる。
大きくて温かい胸の中に包まれ、ぴったりとくっついていると、カスピアンの心臓の鼓動が聞こえてくる。
力強い規則的な音だ。
目を閉じてじっとしていると、時折カスピアンが私の様子を見ようと、顔を覗き込んでいるのが気配で分かる。
恥ずかしさで目を開けることが出来ず、ドキドキとうるさい自分の心臓に戸惑う。
私はどうして、この温かさに包まれたままじっとしているのだろう。
今までだったら、隙あらば逃げようと暴れてたのに。
体の節々が痛くて動けないから、なんて、いい訳だ。
体が冷えて寒いから?
それも違う。
……このぬくもりに心地よさを感じているから?
そう考えた時、心臓がドッキンと一度大きく跳ね、頬がカッと熱くなる気がした。
気づかれまいとさらに目をきつく閉じ、早くサリーが到着しますようにと願った。
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