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はじまりの物語

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ありきたりな痴話喧嘩。



じっとりと甘い砂糖水を、舐めているようだった。事の騒動はこんなもの。

自分の親友と浮気しただろうと、怒った彼は彼女の飲むワインへ、毒を一欠片。

けれど、心の底では愛している人を殺すなんて無理だと、彼は致死量には到底満たない毒を持ったのだと言う。

しかし、浮気自体が彼の勘違い。
だって、彼女と彼の親友が話していた話題はいつも彼のこと。



プレゼントをしたいの。彼が今欲しいものって分かる?


そんなことを相談していたそのタイミングで、どうやら彼はそれを見てしまったらしい。
そうして事件を決行してしまったわけだ。
毒から朦朧とした状態で彼女は言った、



そんなに私を、見て下さってただなんて知らなかった。




泣き崩れる彼。
おうおうおう、いいじゃないか病んでる者同士お似合いだわ。
と内心思いながら、淑女スマイルを貼り付け、抱きつき始めた彼らに拍手を送った。

ここまで大騒ぎしてくれたら、私の婚約破棄も勿論レイフとの婚約宣言だって霞むだろう。ナイスだ少年!と心でエールを送る。



そうして、殺人未遂事件を終わらせた私は何事も無かったかのように、家へ帰った。


が、物語はそうそう私の思い通り上手く進むわけが無いのだ。


私は、いや、私たちはこれから不可解な出来事に絡まれていく運命にあるのだ。


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感想 3

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