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百四話 お題:不断 縛り:内国
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ラジオを聞きながら受験勉強をしていた時のことである。勉強に疲れた俺は暇つぶしにラジオのチューニングを適当にいじっていたのだが、ある周波数に合わせた時に奇妙な放送が聞こえてきた。
『私共は内国のあらゆる憂いを取り除くため、日々祈り、そしてその祈りの力を電波に乗せて発信しております。この祈りは始まってから今日に至るまで一日たりとも休むことなく続けられており、今日で29200日目となりました。今後も私共は祈り続けてまいります。どうか、どうか、一人でも多くの人に私共の祈りが届きますよう……』
放送を聞くのはそこまでにしたが、それでもなんとも言えない嫌な感覚が胸の奥に残った。翌日俺は父にそのことを話したのだが、それを聞いた父は、
「……その放送、本当にずうっと続いてるのかもしれないぞ。昔お前のお祖父ちゃんが似たようなこと話してたの、今思い出したよ」
その奇妙な放送の周波数はもう忘れてしまっていたが、父の話を聞いて忘れてよかったのだ、と確信した。
『私共は内国のあらゆる憂いを取り除くため、日々祈り、そしてその祈りの力を電波に乗せて発信しております。この祈りは始まってから今日に至るまで一日たりとも休むことなく続けられており、今日で29200日目となりました。今後も私共は祈り続けてまいります。どうか、どうか、一人でも多くの人に私共の祈りが届きますよう……』
放送を聞くのはそこまでにしたが、それでもなんとも言えない嫌な感覚が胸の奥に残った。翌日俺は父にそのことを話したのだが、それを聞いた父は、
「……その放送、本当にずうっと続いてるのかもしれないぞ。昔お前のお祖父ちゃんが似たようなこと話してたの、今思い出したよ」
その奇妙な放送の周波数はもう忘れてしまっていたが、父の話を聞いて忘れてよかったのだ、と確信した。
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