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十七話 お題:幽明 縛り:なし
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同僚の家に女の幽霊が出るという。いつも家の中にいて同僚に話しかけたり、物を動かしたりと様々な嫌がらせをするらしい。私はそういったことを信じない性質だったので、話半分に聞いていたのだが、どうも態度に出てしまったらしく、
「君、信じてないだろう、一度家に見に来いよ、俺が言ってることが正しいってわかるはずだ」
と、家に招かれてしまった。内心嫌で仕方がなかったが、ここで断ってしまっては更にこじれるだろうなと思い、お互い予定がないということで次の休みに訪問することにした。そして当日になり、同僚の家に行くと、
「よく来たな、さぁ上がってくれ、実は今もリビングにいるんだ」
家に入るなり同僚はそんなことを言ってきた。いくら信じていないとはいえ、幽霊がいると言われた部屋には入りたくない。しかし入らないことには話が進まないので意を決して入ってみると、
「主人の同僚の方ですか」
やつれた女性がいた。青ざめた顔をしているが、確かに生きている。
「主人はおかしくなってしまいました。ずっと私のことを幽霊だって言い続けてるんです。もう、どうしたらいいかわからないんです」
私は後ろを振り返った。同僚が立っていた。同僚は女性を指さして言った。
「ほら、俺の言ったことは本当だっただろう。そこにいるだろう。女の幽霊が」
「君、信じてないだろう、一度家に見に来いよ、俺が言ってることが正しいってわかるはずだ」
と、家に招かれてしまった。内心嫌で仕方がなかったが、ここで断ってしまっては更にこじれるだろうなと思い、お互い予定がないということで次の休みに訪問することにした。そして当日になり、同僚の家に行くと、
「よく来たな、さぁ上がってくれ、実は今もリビングにいるんだ」
家に入るなり同僚はそんなことを言ってきた。いくら信じていないとはいえ、幽霊がいると言われた部屋には入りたくない。しかし入らないことには話が進まないので意を決して入ってみると、
「主人の同僚の方ですか」
やつれた女性がいた。青ざめた顔をしているが、確かに生きている。
「主人はおかしくなってしまいました。ずっと私のことを幽霊だって言い続けてるんです。もう、どうしたらいいかわからないんです」
私は後ろを振り返った。同僚が立っていた。同僚は女性を指さして言った。
「ほら、俺の言ったことは本当だっただろう。そこにいるだろう。女の幽霊が」
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