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五話 お題:教程 縛り:なし

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 小学生の娘がいるのですが、担任の先生から日記の宿題を出されていて、その日記を見てみた時のことです。ほとんどはなんということもない内容でしたが、一部ぞっとするような内容が混ざっていました。
〈先生、理科の授業でも死んだ虫を触るのは嫌です、虫をバラバラにするのももう嫌です。絶対にもうやりたくありません〉
《虫が苦手なんですね。大丈夫ですよ、慣れればなんてことはなくなります。先生も最初は嫌だったけど段々平気になりました。一緒にがんばりましょう》
〈カエルの解剖って今はもうやらなくてもいいんじゃないですか? それになんで道具を使っちゃいけないんですか? ゴム手袋をつけていても本当に嫌です。もう許してください〉
《大変だとは思いますが、ここを乗り越えないと次の動物に進めないのでがんばりましょう。理科室で吐いてしまう子も多かったですが、吐かずに最後までできたのはえらかったですよ!》
〈これ以上ひどいことをするならもう学校には行きません。子猫を殺すなんてできないし、子猫の死体なんて触りたくありません。先生は人間じゃないです。どうしてあんなひどいことができるんですか?〉
《今日の授業は流石に難しかったみたいですね。先生もちょっと焦っちゃったと反省しています。もっとゆっくり、じっくりと進めていきましょう。最後の授業は赤ちゃんを使いますので、くじけずがんばりましょう!》
 娘に日記の内容は本当かと問い詰めたところ、本当だと答えたので急いで学校側に問い合わせました。しかし問い合わせた時にはもう日記の返事を書いていた先生は産休に入っていて、しかもそのまま退職してしまったそうです。娘にどうしてもっと早く言わなかったのかと聞くと、先生に授業のことは親には言うなと言われたから、との答えでした。ただ日記には今日の授業の感想を書いてくるように、とも言われたそうです。学校側はそんな授業が行われていたということは全く把握していませんでした。ただ私以外に複数の親御さんから同じ問い合わせがあったとのことで、事実無根というわけでもないようです。あまりにも気味が悪いので、娘も私もこのことはすぐに忘れたいと思っています。特にその先生の産まれてくるお子さんのことについては、絶対に考えないようにしています。
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