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#26 要望が叶う国(ヒネリ)
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むかしむかし、誰よりも賢く、立派な王様がいました。
「国民の要望は何でも叶えてやろう」
そう王様は言いました。
ある日、国民が言いました。
「この国には知的に劣っている者がいます。私たちはその世話にかかる税金を負担しなければなりません。彼らはこの国に何の貢献もしていないのにおかしな話です。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は知的に劣っている者を全員処刑しました。
またある日、国民が言いました。
「この国には身体に障害を持ち、働くこともせずに税金でタダ飯を食らっている奴がいます。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は障害者を全員処刑しました。
またまたある日、国民が言いました。
「この国には無意味に長生きして、みんなの荷物になっている老人がいます。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は70歳以上の老人を全員処刑しました。
国民は万歳三唱。これで国が豊かになると思いました。
しかし、不慮の事故や病気で障害を持ち働けなくなると処刑され、70歳の誕生日を迎えると処刑され…国民は自らの要望の結果に苦しめられるようになりました。
またまたまたある日、王様のもとに国民が集いました。
「王様、あなたのせいでこの国は崩壊寸前だ。死んでもらおう」
「よかろう」
王様は処刑されました。
おしまい。
「はぁ…ありきたりな話ですね。もっといい感じに書き直せます?」
原稿から顔を上げた編集者が言った。
「はぁ…前回こういう風に修正しろと要望したのはそちらですが」
「でも、面白みに欠けるんだよなぁ」
「その要望はこれで3回目です」
「うーん…オチをつけてくれればいいんです」
「…わかりました」
私は原稿を編集者から受けとると勢いよく破り捨てた。ハラハラと舞い散る紙片を受けながら編集者は驚いた顔で私を見ている。
私は言った。
「要望を何でも叶える王様はここでも処刑されてしまいました。めでたしめでたし」
その後編集者に叱られたのは言うまでもない……。
「国民の要望は何でも叶えてやろう」
そう王様は言いました。
ある日、国民が言いました。
「この国には知的に劣っている者がいます。私たちはその世話にかかる税金を負担しなければなりません。彼らはこの国に何の貢献もしていないのにおかしな話です。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は知的に劣っている者を全員処刑しました。
またある日、国民が言いました。
「この国には身体に障害を持ち、働くこともせずに税金でタダ飯を食らっている奴がいます。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は障害者を全員処刑しました。
またまたある日、国民が言いました。
「この国には無意味に長生きして、みんなの荷物になっている老人がいます。どうか彼らをみんな処刑してください」
「よかろう」
王様は70歳以上の老人を全員処刑しました。
国民は万歳三唱。これで国が豊かになると思いました。
しかし、不慮の事故や病気で障害を持ち働けなくなると処刑され、70歳の誕生日を迎えると処刑され…国民は自らの要望の結果に苦しめられるようになりました。
またまたまたある日、王様のもとに国民が集いました。
「王様、あなたのせいでこの国は崩壊寸前だ。死んでもらおう」
「よかろう」
王様は処刑されました。
おしまい。
「はぁ…ありきたりな話ですね。もっといい感じに書き直せます?」
原稿から顔を上げた編集者が言った。
「はぁ…前回こういう風に修正しろと要望したのはそちらですが」
「でも、面白みに欠けるんだよなぁ」
「その要望はこれで3回目です」
「うーん…オチをつけてくれればいいんです」
「…わかりました」
私は原稿を編集者から受けとると勢いよく破り捨てた。ハラハラと舞い散る紙片を受けながら編集者は驚いた顔で私を見ている。
私は言った。
「要望を何でも叶える王様はここでも処刑されてしまいました。めでたしめでたし」
その後編集者に叱られたのは言うまでもない……。
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