4 / 154
#4 歪んだ関係 (残酷)
しおりを挟む
彼女は涙を流すだけで、口を開こうともしない。困ったな。
「お願いだから泣かないでくれ」
俺は泣いた顔も好きだが、やっぱり彼女には笑っていてほしい。
そんなことを思いつつ、ふと彼女の部屋を見渡すと、押入れがほんの少し開いていた。押入れを空けると、そこにはぶるぶると震えている少年の姿があった。
「こ、殺さないで」
少年の目には恐怖が宿っていた。
「止めて、弟には手を出さないで!」
ようやく彼女が口を開いてくれた。俺は嬉しくなって、ついナイフで少年の首を切ってしまった。
「きゃあー!!」
彼女の苦痛の叫びが心地良い。少年の死体を放り投げ、俺は押入れの中を漁る。思ったとおり、通帳と印鑑が出てきた。
俺は怯える少女の手を取り告げた。
「みんな死んじゃったね。君はもう俺といるしかないな」
「誰があんたなんかと! パパもママも弟もみんな死んじゃった。あんたと一緒にいるくらいなら死んだ方がマシ」
彼女の叫びに俺は首を振った。
「でも生きないと、俺に復讐できないよ」
「っ! ……いつか殺してやる」
彼女は俺の手を握る。
こうして、二人だけの、奇妙で歪な生活が始まった。
お互いに決して離れたがらないので、世間では、きわめて仲がいいと噂されている。
「お願いだから泣かないでくれ」
俺は泣いた顔も好きだが、やっぱり彼女には笑っていてほしい。
そんなことを思いつつ、ふと彼女の部屋を見渡すと、押入れがほんの少し開いていた。押入れを空けると、そこにはぶるぶると震えている少年の姿があった。
「こ、殺さないで」
少年の目には恐怖が宿っていた。
「止めて、弟には手を出さないで!」
ようやく彼女が口を開いてくれた。俺は嬉しくなって、ついナイフで少年の首を切ってしまった。
「きゃあー!!」
彼女の苦痛の叫びが心地良い。少年の死体を放り投げ、俺は押入れの中を漁る。思ったとおり、通帳と印鑑が出てきた。
俺は怯える少女の手を取り告げた。
「みんな死んじゃったね。君はもう俺といるしかないな」
「誰があんたなんかと! パパもママも弟もみんな死んじゃった。あんたと一緒にいるくらいなら死んだ方がマシ」
彼女の叫びに俺は首を振った。
「でも生きないと、俺に復讐できないよ」
「っ! ……いつか殺してやる」
彼女は俺の手を握る。
こうして、二人だけの、奇妙で歪な生活が始まった。
お互いに決して離れたがらないので、世間では、きわめて仲がいいと噂されている。
1
お気に入りに追加
17
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる