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第一章
幕間 目覚め
しおりを挟むふと書きたくなったので、さらっとですが書いてみました!
~~~~~~~~~~~~~~
穏やかな夏の朝、エアコンの効いたベッドで目覚める。
肌触りのいいシーツの感触。
隣から聞こえてくる微かな寝息。
無防備な寝顔。
その顔を見ていると、昨夜のことを思い出して愛おしさが込み上げてくる。
サラサラな栗色の髪を優しく撫でると、ゆっくりと目が開く。
「ん...」
「おはよ、伶奈」
声をかけると彼女は、数秒間フリーズしてから、顔を真っ赤にしてブランケットを頭から被って隠れてしまった。
また数秒してから、ブランケットの中から顔半分だけちょこりと出して
「......お、おはよう」
と、消え入りそうな声で言った。
その姿を見ているだけで心が満たされる。
微笑んで頬っぺたに手を触れると、恥ずかしそうに身を捩りながらも受け入れてくれる。
普段はどちらかと言うとクールな彼女のそんな一面に、また愛情が溢れ出して、胸が熱くなる。
顔を近づける。
伶奈の顔が耳まで赤くなる。
「が、学校いかにゃか......」
「ふっ」
つい笑ってしまうと、「もう」と言って
ぺち
と頬を叩かれた。
また顔を隠してから、潤んだ綺麗な瞳で俺を見つめる。
お互い沈黙したまま数秒見つめ合ってから、背中に手を回す。
どちらからともなく顔を近づける。
唇が近付いていき、目を閉じる。
ぺち
と、また頬を叩く感触。
やっぱり恥ずかしいのだろうか。昨日はもっとすごいことまでしたのに。
もう、何今更恥ずかしがってんの?
そんなところもかわいいなと思いながら、唇を寄せる。
べち!
「いでっ」
強い衝撃が走って、俺は目を開けたーーー。
アルフレッドは、目覚めたベッドの上で震え上がっていた。
昨日はスタンピードで、寮に帰ると疲れ果てて同室のエルリックのベッドで一緒に眠った。
二段ベッドの上に上がる気力がなかったのだ。
そこまではいい。
しかし、謎の息苦しさを感じて目を開ければ、エルリックに抱きしめられているではないか。
しかもニヤニヤと気色悪い笑みを浮かべていて、それはアルフレッドの全身を悪寒が駆け抜けるのに充分な光景であった。
顔を背け、脱出しようとするも極度の筋肉痛の体では難しかった。
起こすか?
でも、こいつも疲れてるだろうし、何より昨日は短時間とはいえ気を失うほど消耗してたしな......。
仕方ない、起きるまで我慢してやるか...。
そう思った直後、ニマニマとしたエルリックの顔が近付いて来たのだ。
うぇっ!流石にきもすぎる!
頬を軽く叩くが、起きないどころか、笑みが深くなるではないか。
な、なんだこいつ......!!
にゅーっと唇が伸びて来て、アルフレッドは身震いしてエルリックの顔面を思い切り引っ叩いた。
「いでっ」
「はぁ、はぁ...き、キモすぎて死ぬかと思った......」
「なんだ...夢か...」
「おい、起きたならさっさと腕どけろよ」
「うわ、俺なんでお前に抱きついて...!?」
「しらねーよ!!」
アルフレッドの絶叫が、昼下がりの学生寮に響き渡った。
「あ、ちょっと待って。筋肉痛やばすぎて腕動かないわ。はぁ、これが伶奈だったらなぁ......なんでお前なんかと...」
「こいつ......」(殺意に震える音)
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BLフラグではありません!!
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