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1章:最果て編

2 出来ることを考えるのって楽しい

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 無数に煌めく虹色の光。
 燃えるような赤、肥えた土のようなオレンジ、痺れるような黄色、どこまでも吹き抜けていく風の緑、澄んだ川の流れのような水色、突き抜ける空の青、紫は……よくわかんない。

 球状のそれがくるくると手のひらの上で円を描くように回っている。
 これが何かと言われても困る。たぶん魔力じゃないかなーとは思うんだけど。
 手で掴もうとするとすり抜ける。かと思えば今度は手のひらに吸い付くように引き寄せられる。

 最初は地面や空気中にきらきらふわふわしてる光が気になって観察してた。
 それから手で触ろうとしたら今のこの感じ。
 しばらく考えて、「これが魔力なのかな?」って意識したら少しだけ操れるようになった。

 初めは砂みたいに小さな光から。一時間ぐらい試していると自分の周囲一メートルぐらいは自由にできるようになった。
 そのうち自分の中にも似たような感覚が芽生えてきて、ちょっとだけなら外に出せるようにもなった。

 やっぱり魔力なのかなこれ。他に思いつくものが何もないといえばそれまでだけど。

 操作は慣れてきた。気体というか液体というか、そういうのを動かすみたいに意識するとそういう風に流れてくれる。
 イメージするだけじゃ何も起きなくて、イメージした上で精神を集中して「こう動いて!」って指示する感じ?

 それからはとんとん拍子で色々と発見していった。

 「燃えて!」って指示すれば火が現れて、「固まれ!」って指示したら氷が出てくる。雷を想像したら静電気みたいなのが走ってびっくりした。ちょっと怖いから電気系はやめとこう。

 そんな訳で、たぶん魔法というものが私の中で形になってきたのでいざ実験。

 まずは周囲の魔力を集める。そしてイメージ。思い浮かべるのは空を飛ぶ自分の姿。背中とか足首の辺りに光る翼なんかつけたらそれっぽくて面白そう。

 目を閉じて集中、集中……からのイメージ、そしてイメージを現実に置いてくる!

「――っ、できた!」

 ふわっと身体の重みが消えたかと思うと、地面から足が離れていた。背中を見ると身体くらいは覆えそうなほど大きい白い翼もある。

 飛ぶっていうより無重力になったみたい。

 えっと、このまま前に進む感じでいいのかな?

 集中する。するとゆっくり前に進み始めた。

 やっぱり飛んでる気はしない。なんといっても体勢が間抜けだ。姿勢は安定してないし重力を無視して上下逆様になるし身体は回転するし。

 うん。これはすごくみっともない。
 せっかく飛べてもこれじゃ全然素敵だと思えない。

 もうちょっと集中、もっと集中。
 重力を無視するのはそのままでいいとして、姿勢制御? とやらを追加。ある程度地面の方に足が向くように調節。
 ついでに他の挙動も追加しておこう。急ブレーキするときの動作とか、急な方向転換とか、一気に加速するときとか。
 一通り設定し終えて、ひとしきり堪能したら浮島の端へ向かう。

 さあ、いよいよだ。

 ちょっと時間はかかったけど、これから私の異世界生活が始まる。

 えっと……まずは人と会わないと話にならないんだよね。家族以外の対人経験が無いのが致命的だけど……なんとか頑張ってみよう。
 流石に赤ちゃんじゃないんだから意思疎通の一つも出来ないなんてことないよきっと!

 それでは、行きましょう。

「――“飛翔フライ”」

 せっかくの魔法なんだからそれっぽい呪文も付けないとね。

 ふわりと身体が飛翔する。今度は上下反転もしない。姿勢は安定している。

 ゆっくり前に進む。足元から地面が消える。

 ここから先は地上何百メートルか分からない空の上だ。もしかしたら桁が一つ違ったりするかもしれない。そのくらい高い空の上を私は飛んでいる。

 こういうのなんて言うの? 壮観? 絶景?
 手を伸ばせば雲に触れるなんて夢みたいな光景だよ。触った感触は全然しなかったけど。
 しばらく高さは意識せずにそのまま前に前にと飛んでみる。
 風がすごく気持ちいい。結構すごい勢いで気流に逆らって飛んでるみたいだけど、音の割にはそよ風ぐらいにしか感じない。
 両手を広げて、ついでに背中の翼も広げて、ゆったり進む空中遊泳。
 時折くるっと回ったりしながら楽しんでみる。ライト兄弟もこういうのを夢見て飛行機を作ったりしてたのかな。

 そんなことを考えながら、たぶん一時間ぐらい空を飛んでいた。遊んでないでそろそろ下りよう。

 足は地面に向けて、ゆっくり風を捕まえるように斜め下へ下へ。
 何か声がして後ろを見上げると、茶色い鳥たちが尾を引くように二手に分かれてついて来てた。ごめんね。仲間じゃないんだ。

 鳥たちに別れを告げてそのまま降下。途中で魔法が途切れることもなく地表はもう目前。
 ちなみに真下は森。見た目にも広葉樹がいっぱいの「The・森」って感じの森。
 泉があってちょっと開けた空間を目掛けて速度を落とす。

 さて、ここからは魔法を解いて自分の足、で――でっ!?

「いっ――たぁい!?」

 魔法を解いて着地した瞬間脚に激痛が走って転んだ。

「痛い痛い痛い痛い――なんで!?」

 骨と筋肉が軋むような痛みを上げる。
 なに? なんで? え、本当になんで?

 立ち上がろうにも手をついたら痛くて立てないし。
 仕方なくしばらく転げまわってると徐々に痛みが引いてきた。

 そういえば無重力だとなんかあるんだっけ。骨とか筋肉が弱くなるみたいな。宇宙飛行士が地上に戻ってきたとき人に抱えられて移動してた光景とかネットで見た気がする。あんな感じの弊害?
 飛んでたのってたった一時間ぐらいだよ。それだけでこんなに、なる?

「――これじゃ気軽に空飛べないじゃない……」

 なんとか痛みが引いて立ち上がる。

 あ、やっぱ無理。まだ節々が痛い立てない。

 そのまま力を抜いて倒れる。

 うーん。空を飛ぶ魔法はちょっとやり方を変えた方がいいかもしれない。飛ぶ度に毎回こんな痛みに耐えなきゃいけないのはつらい。

 蹲りながら周りを見ると動物たちがこっちを見てた。
 鹿っぽいのとかリスっぽいのとか鳥とかネコ科っぽいのとか色々。

 ……肉食獣とかいないよね?

 今の私って恰好の餌じゃない? あ、でも鹿っぽいのとかリスっぽいのとか逃げないから周りにはいないのかな。

 なんて思ってたら近くの茂みが揺れる音。
 蜘蛛の子を散らすように逃げ出す動物たち。

 うん。フラグだったかな?

 全身が痛くてまだ立ち上がれない。
 こうなったら、もう一回魔法で飛んで安全なところまで逃げてから、また痛みに悶えればいい。
 食べられるよりは全然マシ。

 痛みを我慢しながら魔力を集中……って、あれ?
 そういえばきらきらした魔力の光が見えない。浮島にいたときははっきりと見えていたのに。
 意識すると自分の中の魔力もあんまり感じられない。

 ……うそ、魔力MP切れってやつ?

 茂みから聞こえる音が近づいてくる。
 もう、すぐ、そこ。

「――確かこっちの方に……おう?」

 にょきりと、つるつるてんの頭が飛び出した。

 背の低い木々の合間から飛び出す坊主頭。鋭く尖った目に、彫りの深い眉間や皺。太い眉毛に固そうな髭。
 なにより、顔を左上から右下にかけて斬られたような傷跡があって怖い。

 率直に言うとちょっと漏らしかけた。

 呟いてた言葉は聞いたことがない言語だったけど、意味は分かった。
 分かったところで怖いのは変わらないけど。

「おい嬢ちゃん……こんなところで何してんだ?」

 疑問を口にしながら茂みから身体を引っこ抜いたその人は、なんというかおっきかった。
 身長百八十は確実に超えてる。受けた印象としては縦にも横にも太い。

 そしてやっぱり怖い。

 私の人付き合いの経験が無いとかそういう次元を軽く無視して存在感だけで会話にならないと思った。

「黒い髪に黒い瞳……いや、まさかな」

 何か不思議に思っているらしい。
 けど、そんなことより、頑張って言葉にしようとしている挨拶が喉から出てこなくて。
 息を吸って吐いて、声にしようとしてるのに声にならなくて。
 「こんにちは」の一言が出てくれなくて。

「嬢ちゃん、名前は?」

 訊かれた名前も、口に出せなくて。

「……言えない理由でもあるのか?」

 男の人の低い声が、急に、恐い感じになって。

「――ぃ」

「い?」

「ゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 全身が痛いのも忘れて逃げ出した。

「――あ、ちょい、待てい!?」

 逃げて、走って、逃げて逃げて逃げて。
 しばらくして魔力が戻ってきた感じがして、飛んで逃げた。
 男の人はとっくに見えなくなってたけど、とにかく飛んで逃げた。

 恐い。怖い恐いこわいコワイ――。

 知らなかった。家族以外の人間がどんな感じなのか知らなかった。

 頭の中で「こわい」がゲシュタルト崩壊して、もう何がなんだか分からなくなった。

 異世界で? 人生やり直して? 社会復帰?

 無理むりムリMURI!

 あんな怖い人がいるなんて知らない聞いてない行きたくない!

 別に魔法があれば一人でだってきっと生きていけるし誰とも関わらなくたって寂しくなんかないし怖い思いするよりマシ!

 もうやだ異世界人怖い外怖い私やっぱり引き籠るぅうううううううううううううううううう!!

 空中の板を触るようにタップしてウィンドウを開いて円状に並んでいるアイコンの“Map”を押す。
 地図を何度も縮小して世界地図の縮尺になると人口分布と平均気温を検索。
 人がいなくて住みやすい気温のところ……なるべく人がこない僻地……。

 あった。

 三つある大陸の右側の大陸。その北東部に飛び出るように突き出た半島。
 名前はない。とりあえず実数値で人口が百にも満たないから相当に人気がないのは分かった。

 そこに行こう。そこで暮らそう。自給自足のシステムを作って延々と引き籠ろう。

 毎日ご飯を食べて好きなだけ遊んで好きなだけ寝て好きなだけ生きる。

 それでいい。もうそれでいこう。

 怖いのやだ外にいるのやだベッドの中がいい……!

「――“飛翔フライ”、“飛翔フライ”、“飛翔フライ”いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」

 周りの景色に目もくれないでただ一直線に空を飛んで移動する。

 すれ違う魔力を使って、自分の魔力も振り絞って、どのくらいの距離があるかも分からないけどとにかく加速して、加速して、加速した。

 神様ごめんなさい。

 今からでも願い事聞いてくれますか?

 泣きながら天高く思いよ届けと願ってみたけれど、誰も、何も、応えてくれなかった。



   **********************************



 その日、各国に激震が走った。

 突如として上空に現れた強大な魔力反応。七光を以て示すその意味は全属性を統べる事実。
 未だかつて、たった一つの存在を除いてどのような者にも不可能とされた万能の魔法を操る素質に、僅かな時差はあれどほぼ全ての国の長が目を疑った。
 目を疑って、その数秒後には何としても我が国へ迎え入れなければならないことも理解した。

 中央大陸の全土を領地とする帝国の皇帝もまた、その報告を受けてすぐさま議会を招集した。

 数刻も経たぬうちに百八ある議席の全てが埋まり、議論に議論を重ね実に迅速に采配を下していく。

「――つきましては、王国、共和国に先立ち彼の七光を統べる何者かへの接触は現時点の国政を滞らせてでも果たすべき最優先事項。最終的な決定を下す間も惜しく、直ちに部隊を編成、派遣すべきであると進言します」

 元老院議員のエンブランス・カタトリアは、現在執行中の全ての国政を一時中断した場合の損失や懸念を全て熟考し、あらゆるリスクを承知した上で発言する。
 これまでその説明を受けていた他の議員も――渋い顔をする者はあっても――元老院議員の中でも最年長の古参でもあるエンブランスが議会の舵を執ったこともあり、承服の度合いはあれど間違いではないと誰もが皆一様に首肯する。

「では、直ちに派兵しこれを確認して参れ。可能であれば穏便に、叶わぬならな」

 皇帝は含みを持たせるように言い放つ。当然、言葉通りではない。帝国三百年の歴史の中でも、開国の時分より培われてきた、もはや伝統と言えるそれ。

 要するに痛い目を見せてでも服従させて連れて来いという命令。
 その手法はとにかく問わない。こちらの言うことを聞かせる状況にさえ持ち込めば後はどうとでもなるのだから。

「騎士団長!貴様が指揮を執れ!」

 指名された全身鎧の男は右膝を着いて左手を胸に当てる。略式の敬礼だが式典でもない緊急の議会故にそれを見咎める者はいない。

「はっ!戦力の抽出も随意にこちらでよろしいでしょうか」
「構わん。国境線を下げるようなことでもなければ全て見逃そう」
「はっ!」

 騎士団長は頭を垂れ、再敬礼の後部屋を後にする。

「では続きを話し合うとよい。国政を無視するとは言え、ただ無計画に放棄する訳にもいくまい」
「畏まりました。陛下は、どちらへ?」

 再度の議会の舵取りへと意欲を燃やすエンブランスの問いに皇帝――アレグレオス・アルビオン・コンシリウムは「何を訊いておるのだ?」といった表情を返す。

「腹が減っては戦も出来ぬであろう」
「は、はあ……?」

 そう言って立ち去ったアレグレオスが突如として厨房へ襲撃を掛け、「苦しゅうない腕を振るえ」的なことを言われた料理人達を戦々恐々とさせたことなど議員の知る由もないことである。

 議員に関しても、議会の合間に出される料理としてはいつもより旨いな、と思った程度。

 二重のサプライズも済んだこともあり、威厳などそっちのけの満足げな表情で髭をさすったアレグレオスは呟く。

「余が先か他二国のどちらかが先か。エンブランスは直ちにと言ったが、あの七光が飛び去った方角からして共和国は除外。領土的には我が帝国か、ギリギリで王国の北部も視野に入る。いずれにせよ何かしら派遣するのは変わらぬが……さて。ここは目先の欲を制しつつ漁夫の利を狙うのもよかろうな」

 アレグレオス以外に誰もいない筈の廊下の隅で音もなく影が動く。

「例えば、そう。王国と共和国に『七光は強大な力を持つ人類の敵』という情報を流してみる、等な」

 すっと、影が消える。

「あれほどの強大な魔力……さぞ小気味よくを蹴散らしてくれることだろう」

 やがて廊下を抜けると議会へとその足を向けた。

 帝国歴三百年。
 この年、帝国はその領土を大陸の外へ拡大する。戦わずして他国の軍備を削ぎ一気呵成に攻め落とす目論見など、白熱する議論を耳に肉料理を頬張る皇帝の表情から誰が予想出来ただろう。



―――――――――――――――――――――――――――――――

 名 前:御堂 憧子 種 族:ヒューマン 年 齢:16
 職 業:なし    クラス:魔法使い  レベル:1

 称 号:

 HP:180    ┌――――――――――――――┐
 MP:2890   │              │
 筋力:10     │              │
 器用:56     │              │
 体力:18     │              │
 知能:12     │              │
 魔力:126    │              │
 敏捷:20     │              │
 信仰:100    │  No Picture  │
 淫蕩:10     │              │
           │              │
 スキル       │              │
 ├言霊理詛     │              │
 ├健康体      │              │
 ├非凡       │              │
 ├精霊の加護    │              │
 ├魔法適正:全   │              │
 └不老長寿     └――――――――――――――┘

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