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第五章
5-21 ダンジョンに再び コルクの能力確認④
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『ラース兄さん、フレア、ローダン、聞こえている?あっ!返事はいいわ。私、兄さん達の声も姿も分からないから返事をされても無理なの。
とりあえず、どれだけの間こうしていられるか分からないから、簡単に今の状況を伝えるわ。』
私は姿の見えない三人に向かって伝言を告げる。
賢い三人だから要点だけ伝えるだけで、しっかり状況を汲み取ってくれる確証があったからだ。
『私達がダンジョンに入ってすぐに異変が起きたの。でも、私もブルーム兄さんもキュリッチも心配ないわ。
今、私たちダンジョン入ってすぐの空間でいるから。
で、どうにもならないからできることをしようと今やってる最中なの。そんでもって、今多分ラース兄さん達には私の姿と声が届いていると思うんだけど、こんな事ができる魔獣をゲットできたの。
私達も色々やって、せめてダンジョンの奥に進むか、出てるかやってみるから無謀なことはしないで。何かあればこうして連絡するから、それまでは体力も魔力量も食料も切らさないでね!頼んだわよ!』
私は満面の笑みを浮かべてそれだけ伝えるとコルクの尻尾から手を離した。
コルクは私の意図がわかったのだろう、手を離した瞬間に光がやみ、コルクはゆっくりと私の肩まで降りて来て頬ずりすると眠りについた。
どうやらかなりの魔力を消費したようだ。
自分の肩で丸くなって休むコルクの頭を優しく撫でてお疲れ様とねぎらいの言葉を呟く。
その一方、結界の外では...私の考えが的中しており、私の姿と声がしっかりと三人に届いていた。
コルクの魔力が途切れると同時に私を映し出していた場所も元に戻ったのだった。
三人は私の姿が消えた後もその場所を見つめて動かなかった。
『姉さん達無事だって。』
『...そうだな。』
「中でも異変が起きていたんだな。」
『みたいだな。...。』
『出れるように頑張ってるって。さすが姉さん達だね。』
『...ああ。...。』
「無事なのがわかったんだ...言われた通りにしておこうか。」
『...ああ...だ...な...。』
ローダンとフレアの言葉に微妙な返事しか返せてなかったラース兄さんは、どうやら涙を堪えていたようで、...最後には声を殺して涙を流してしまった。
兄弟の中でも一番冷静なラース兄さん。しかし、今回はかなり焦っていて冷静な判断が中々できずにいたよう。
そんな中、わずかだが私達が無事である事を知る事ができてホッとしたのだろう。
声を殺してなくラース兄さんの両肩をローダンとフレアが優しく包み、ラース兄さんが落ち着くの静かに待つのだった。
とりあえず、どれだけの間こうしていられるか分からないから、簡単に今の状況を伝えるわ。』
私は姿の見えない三人に向かって伝言を告げる。
賢い三人だから要点だけ伝えるだけで、しっかり状況を汲み取ってくれる確証があったからだ。
『私達がダンジョンに入ってすぐに異変が起きたの。でも、私もブルーム兄さんもキュリッチも心配ないわ。
今、私たちダンジョン入ってすぐの空間でいるから。
で、どうにもならないからできることをしようと今やってる最中なの。そんでもって、今多分ラース兄さん達には私の姿と声が届いていると思うんだけど、こんな事ができる魔獣をゲットできたの。
私達も色々やって、せめてダンジョンの奥に進むか、出てるかやってみるから無謀なことはしないで。何かあればこうして連絡するから、それまでは体力も魔力量も食料も切らさないでね!頼んだわよ!』
私は満面の笑みを浮かべてそれだけ伝えるとコルクの尻尾から手を離した。
コルクは私の意図がわかったのだろう、手を離した瞬間に光がやみ、コルクはゆっくりと私の肩まで降りて来て頬ずりすると眠りについた。
どうやらかなりの魔力を消費したようだ。
自分の肩で丸くなって休むコルクの頭を優しく撫でてお疲れ様とねぎらいの言葉を呟く。
その一方、結界の外では...私の考えが的中しており、私の姿と声がしっかりと三人に届いていた。
コルクの魔力が途切れると同時に私を映し出していた場所も元に戻ったのだった。
三人は私の姿が消えた後もその場所を見つめて動かなかった。
『姉さん達無事だって。』
『...そうだな。』
「中でも異変が起きていたんだな。」
『みたいだな。...。』
『出れるように頑張ってるって。さすが姉さん達だね。』
『...ああ。...。』
「無事なのがわかったんだ...言われた通りにしておこうか。」
『...ああ...だ...な...。』
ローダンとフレアの言葉に微妙な返事しか返せてなかったラース兄さんは、どうやら涙を堪えていたようで、...最後には声を殺して涙を流してしまった。
兄弟の中でも一番冷静なラース兄さん。しかし、今回はかなり焦っていて冷静な判断が中々できずにいたよう。
そんな中、わずかだが私達が無事である事を知る事ができてホッとしたのだろう。
声を殺してなくラース兄さんの両肩をローダンとフレアが優しく包み、ラース兄さんが落ち着くの静かに待つのだった。
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