ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-139 ギルマスを連れて森のダンジョンの再調査〜菌糸類エリア〜

　初級エリアの一つである菌糸類エリアに入る入り口が目の前に現れた。
私達兄弟はギルマスを取り囲むように佇み、ギルマスと入り口を交互に見つめる。

ギルマスは目の前に現れた入り口を見つめて生唾を飲み込み拳を握る。

「マジかぁ...。入り口って...こんなのか？」

ギルマスがそう言いたくなる気持ちも分からなくもない。
だって...目の前に現れた入り口はキノコの形をしているからね。

入り口を見つめていると楽しそうな様子でキュリッチが話しだす。

『いいでしょう。この方が入り口だって、分かりやすいでしょう？ちなみに爬虫類エリアはトカゲ形で、昆虫は蜜蜂の形をしていて、スライムエリアはスライムの形をしているよ。』

キュリッチの言葉を聞いてギルマスがギョッとした表情をして私達を見るので、私達はギルマスの顔を見て苦笑いを浮かべて頷く。

キュリッチの言った通りの入り口を私達はちゃんと以前みているからね...。

『本当に分かりやすい入り口をしていますよ。』

『ああ...あれなら間違うことないしな。』

『もう次どこのエリアに入るのかはっきり分かるよね。』

『ちなみに、はっきり分かる入り口なのは最初のエリアのみよ。他は魔法陣だから分からないわよ。』

私達兄弟がそう話すとギルマスも苦笑いを浮かべだす。

「それはそれは...ありがたいなぁー。まぁ～頑張っていくしかないよなぁー。普通に手をかざしたらいいのか？それとも...」

『前に立つだけで自然と扉が開くから。』

ギルマスが言い終わる前にキュリッチが答える。

私達はギルマスの肩に手を当てて一緒に入り口に向かって足を進め、入り口に私達が立つとキュリッチが話した通りにキノコの形をした入り口がゆっくりと開く。

私達はそのまま中に入って行くと扉は静かに閉まり、姿を消した。


　キノコの形をした入り口から入った私達は菌糸類が蔓延るエリアに足を踏み入れた。

完全に気候も気温も景色も全く違うものに変わった。
それに気付きギルマスは驚きつつもしっかり辺りを観察する。

「確かに...これはダンジョンだな。ここまで環境が変わるとなると認めざるおえないなぁー。で、ここはどんな魔物がでるんだ？」

ギルマスがそう言った瞬間だった。

《おやっ？？あんさんら、以前来られたおかたじゃないですか？？ありゃ？？あみないお方もおりますね。》

丁度私達の真上にあたる木の枝から真下にぶら下がるように生えているキノコが声をかけてきた。

ギルマスはギョッとした表情を浮かべてキノコを見つめ、私達は笑顔でキノコに挨拶をする。

『ご無沙汰してます、マッシュさん。』

『またきたぜ！マッシュ！』

『どうも！相変わらず美味しそうな姿してるね。マッシュ。』

「今回もこの森を案内してくれるのか？マッシュ？」

『マッシュ！ヤッホー！元気にしてた？以前に比べて肥えた？』

『マッシュ！相変わらずだね。ちゃんと森を管理してくれているか？』

私達の言葉に木の枝にぶら下がっていたキノコがぽこっと音を立てて落ちてきた。