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第四章

4-55 私達の国王陛下は素晴らしい人だった

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 「いつ私が偏った考えをしていたかね?私は悪い昔から...今も変わらず考えは変わらないよ。この世界はとても広いんだ。
 その中を色んな人がいるのは当たり前。人以外の種族が存在して当たり前だと思っている。
 それを自分と違うからと言って蔑むのはどうかと思う...という考えをしているのは知っているだろう?」

国王陛下の言葉に皇太子や王子達は嬉しそうな表情をする。

「私は子供達と同じ気持ちだ。姿が違えどこの世界に生きる生き物だ。
腹を割ってこの様に話をすれば気持ちは通じる。互いに納得するまで話し合えば言いだけのことだろう??
 それだけで済むなら私はその道を進む方がより良い世界になると信じている。
現に私達の世代でも少しずつだが歩み寄りができているし、子供達の世代でもトラブルはそれなりにあるが歩み寄れているではないですか?
さらに言えば孫世代に至っては種族の垣根なく関係が気付けているじゃないですか。
だから...だから...これから先の"未来"は希望が持てると思います。
希望が持てるからこそ、生い先短い我々が踏ん張ればいいのではないでしょうか??」

この国王陛下の言葉は他の国王陛下達の耳にも心にも響いてくれたようで...誰も異議を唱える者はいなかった。

いなかったし...より良い"未来"を作るためにどのようにしていくか、全員の気持ち一致して取り組めるように話し合いをすることになった。

これらの状況に両親の反応は良くなり一触即発は免れたし、私達も馴染んだこの地から去らなくて良くなってホッとした。

これからは大人達である程度の話し合いをすると言われて私達"子供達"は一度話し合いの場から外されたのだ。

外されたが私達は会議室の扉の前から動くことはせず、私達...私達子供世代は世代で会議室の扉の前で軽く意見交換しながら話し合いが終わるのを待った。

なんやかんや話し合いをしていると会議室の扉が開いて国王陛下が驚いた顔をしながらも私達を会議室の中に招き入れてくれたので私達は話し合いを中断して会議室の中へ。

私達がそれぞれ席に着くのを確認したら国王陛下がその場の大人達の代表として私達抜きで話し合った内容について報告してくれた。

これから話すことは国民に対しても説明する内容だと前置きをして話をしていく。

王子達や私、ラース兄さん、フレアは元より難しい話を聞くのを苦手とするローダンやブルーム兄さんすら真面目な顔をして国王陛下の話に耳を傾ける。

国王陛下はそんな私達の姿を見て微笑を浮かべながらゆっくりと言葉を発していった。
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