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第四章

4-54 母の言葉に

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 私達の母親は本当に偉大な人だと改めておもった。 

いざとなったら、というか家族に害が及ぶと瞬時に判断できたら速やかにこの世界を捨てる覚悟があるのだ。

この世界を捨ててどこ行こうと思っているのかは私達には分からないが母さんにはそれだけの覚悟があり、現にこの場にいる人達の返答次第では会場をぶっ壊してわたしたを連れて飛び去るつもりなのが見てとれた。

それは母さんだけでなく父さんも同じ考えの様で、密かに私達に自分の魔力で作った紐を胴体に結んでいたのだ。

それはドラゴン族しか見ることのできない特殊な紐。

そのためこの場で見えるのは私達家族とフレアだけだ。

両親は王様達を軽く睨みつけらながら返事を待っていると国王達ではなくその息子達が母さんの問いかけに返答したのだった。

「恥ずかしい話ですけど、昔の私だと貴女の言葉に対してかなり反抗的なイメージを抱いて実際に反抗していたと思います。
 現に私は彼らと揉めたこともありますから。ですが、そんな私だからこそ今言わせてもらいます。
私達が以前彼らだけでなく他種族に対して嫌な態度を取っていたのは偏った知識や情報を幼い頃より見聞きしていたことに原因があります。
 実際に彼らと関わることによって自分が幼い頃に母や乳母達から聞いていたのとは全く違っている事を実体験しているからです。」

それは私達がよく知る第二王子の言葉だった。

その第二王子の言葉に続く様に他の王子達も自分達の言葉で思いを伝えていく。

「それに関しては俺も同意見です!勝手な思い込みで最初の頃は彼らを見ていたました。実際にひどい言葉を投げかけました。
でも、実際に関わりを持った彼らは俺が聞いてきたものとは全く違っていたんだ。
 確かに人間に比べたら頑丈で強いけど、野蛮でもなく、俺たちと同じ様に食事をして、遊んで、家族を大事にする奴らだって知ってる。」

「現に思い出してほしい。今この世界で産まれている幼い子供達の姿を。違う種族同士仲良く手を取り合って遊んでないですか?
学び舎でまなんでないですか?姿が違うからと言って罵っているやついますか?いないですよね?」

「未だになんやかんやって陰で文句を言ってるのは大人達だけだと思う。
子供達は互いに違う事を理解して、相手の足りないものを補い合いながら日々を過ごしてます。
 子供ができていることが大人ができなくて恥ずかしくないですか?
 俺は恥ずかしいと思う。」

「今の子供達が大人になった時今の貴方方の様な大人にはならないと思います。」

最後に皇太子が一言言うと国王様は口元に笑みを浮かべて自分の息子達の方を向き口を開く。
















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