ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第四章

4-32 "邪神"を生み出さないために

　私は彼との会話のやり取りでなんとなく気付いた事がある。
それは...彼があんな"邪神"に変わったのは、人の妬みや嫉み、怨みの心が常に継続して積もりに積もっていくから耐えきれなくなってあの姿になったのではないかと。

『そう考えると...感情を抱いても蓄積しなかったらどうにかなぁーと思ったの。』

私のその言葉にブルーム兄さんとローダン、フレアはいまいちピンときてなかったようだが...ラース兄さんだけは私の言っている意味が理解できたようで...

『なるほど！確かにそれは一理あるかも知れない。
感情はどんな感情にしても生きている間は抱くもの...下手したら死んでもなお抱くものかもしれない。
　それならそれを変に蓄積させずにその負の感情を発散させるか、違うものに変える事により蓄積を防げば..."邪神"にはならずにすむかもって話だな？』

私が思っている事を全てラース兄さんが言ってれたので他の兄弟達への説明の手間が省けて助かった。

『そう。ラース兄さんが言ってくれた言葉そのままですよ。
以前の世界に比べてこの世界はだいぶ人も減ったし、今はこの世界をどうにかするため...復活するであろう"邪神"からこの世界を守るためにって感じで気持ちが一致しているから彼が"邪神"にならずにすんだのかなぁ？と思ったりもしてるの。
このまま皆の気持ちが前向きだったらどうにかなるかなぁ？とね...。
　でも人の心って不安定なものじゃない？だから...現状を維持しながら新しい国の...世界のあり方を考えて動いていく必要があると思うの。』

私がそう話すとラース兄さんも私の話に賛同してくれてとりあえず国王達にはこの石や邪神の事について説明して協力を得る必要があるとなった。

まだいまいち私とラース兄さんの話について来れてないブルーム兄さん達を放置して私とラース兄さんでどのように国王達に話をするか話し合って考えを纏めていく。

『まず国の代表達とギルマス達を集めて彼らに先に話をしてから国民達に話をどのようにするかを決めていった方がいいんじゃない？？』

『そうだな。その方がやはりいいか...。いつがいいと思います？』

『早い方がいいんじゃない？今から大事な話があるから明日時間を作ってもらえないか確認をとる必要があると思う。』

『じゃー直ぐに私の方から連絡をとりますよ。スノーはその石を大事に持っていて下さい。』

『わかったわ。ラース兄さん頼んだわ。』

ラース兄さんは私との会話を打ち切って早速国王達に連絡をとるため行動してを起こしたのだった。