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第三章

3-114 安全な場所へ移動かな

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 生き残りの中に敵の手先と思われる人物がいたのが分かりあえてそれに私達が気付いていないと装って行動を取ることにした。

『じゃー今からここから出るけど順番は...。これでいけるかしら?』

脱出する際移動する順番を軽く説明すると誰からもからも異論が出なかったのでそれで移動することに。

先頭は私が行き、その後ろを騎士団達のうち二人が、その後ろをメイドと執事、クズと大臣一とニ、騎士、大臣三、フレアの順番で移動する。

勘のいい人ならなぜこの並びなのかはもう分かっているだろう。

『じゃー今から移動するけど慌てず走らずね。何があっても私とフレアで守ってあげるから安心して。』

そう彼らに説明しながら部屋の扉を開け外に向かい移動を開始する。
その際少し仕掛けをしておいた。

それに気付いたのはフレアのみ。
フレアはやれやれと言った表情を少し浮かべつつも彼らの誘導を行う。

移動の順番に人が部屋から手をていく。
フレアの前にある大臣が部屋から出る際に私が仕掛けた仕掛けが反応するが気付いていない様子でフレアはホッとする。

大臣の動きを確認しながらフレアは何事もない様子で辺りを警戒しながら足をすすめる。

石造の通路を歩き大広間へと出ると...ペット達が寛いでいた。

大広間にいるグレーフェンリル達の姿を見て悲鳴をあげそうになる一同だったがグッと堪えてくれた。

そんな彼らな姿を見て私は優しく微笑みながら説明する。

『この子達は大丈夫よ。私のペット達だから。私が命令しない限り襲ったりはしないから。』

そう説明するとフレア以外の人達は豆鉄砲でも食らったような表情をしているのが面白く思わず笑いそうになったがグッと堪えて足を進める。

私の存在に気づいたグレーフェンリル達は嬉しそうに尻尾を振りながら近づいてくるので私は彼らの方に行き撫でてこれからの事を説明する。

すると...ちゃんと言葉を理解できる子達なので安全なルートを誘導してくれるのだった。

『あら?いいの?ありがとう。じゃー皆行くわよ。静かにね。辺りにいた魔物達はもういないと思うけど油断は禁物よ!』

私の声を聞いて騎士団の人達は武器を抜き中央にメイドや執事、クズを囲むようにして陣形をとり歩き出す。

もちろん例の大臣は陣形から外れている。
別にこれについては打ち合わせはしてないので彼らの本能での判断なのだろう。

あえて何も言わずに私達は足をすすめていく。

建物の中は人と魔物の血や爪痕などで悲惨な光景になっているが...亡骸が一つもない。

食ってもいいとは言ったけど...あれだけの魔物の数。
全く残らないのは不自然すぎると思いながら城の外に出て広場まで行く。

建物は大半が破壊されていた。
魔物の気配はグレーフェンリル以外ない事を確認して私は彼らを移動するために使う籠を取り出そうとしたそのときだった。








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