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第三章

3-103 第三王子とガストン近衛隊長

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「お前たちは何者だ!!ここがこの国の国王陛下の部屋だと知っての狼藉か?!!」

若さゆえなのか...少し身体を震わせながらも必死に去勢を張る若者に対して私とフレアは一切態度を変えずに対応した。

『なんなのあんた?何様?客人に対して無礼ね。』

「見た目からして...この国の王族の一人...か?それにしても...そんなに死に急ぐような真似をしなくてもいいのに。」

私とフレアの言葉に対してワナワナと震えながら両手に拳を握り必死に睨みつけてくる青年。

その側に控えていた年配の騎士が私達の間に入り話しかけて来た。

「失礼した。こちらはこの国の第三者王子のラス王子殿下です。急な事により無礼な態度をとり申し訳ない。私はラス王子殿下の近衛騎士団長を務めさせて頂いているガストンと申す。何故この国にこられたか教えて頂けるだろうか?」

見た目からしてこの場にいる誰よりもしっかりして腕もかなり達人物。
下手に敵に回すより状況を速やかに解決するには仲間にする方が得策であると判断して私とフレアはガストンとなった騎士に話をした。

すると...彼自身もこの国が現在どの様になっているのか把握できていなかった様子でかなり顔色を悪くする。

『言っておくけど...この目でここに来るまでに見た事を話ただけだからね。別に虚言を伝えているわけでもないわ。』

私がそう伝えるとガストンの背後に隠れていたラス王子が顔色を一際悪くしてガストンの横から私達に声をかけて来た。

「う、嘘だ!!デタラメだ!!だ、だって...村や町の魔物討伐には兄様達が騎士達を連れて出向いて行ったんだもん!!ありえない!!」

必死にそう叫ぶ彼の言葉を聞いて道中で見かけた光景の中にガストン達が来ている服に似た色違いの服を着た人の死体の一部があった事を思い出した。

きっとそれが彼の言う兄達の部隊なんだろうが...状況的に...全滅したというのが正しいかもしれないと思い私はあえて伏せずに全部伝えた。

『そう言えば...魔物に襲撃された町や村には魔物の死体と一緒にガストン??だったわよね?あなたとよく似た色違いの服を着た人達の死骸の一部があったわ。運が良ければどこかで生き延びているとは思うけど...状況的には...かなり厳しいんじゃない?
だって...すでにこの王都手前の所まで魔物の姿があったからね。』

私の言葉にラス王子はその場に崩れ落ちる。
それを見て私はなお言葉を続けた。

『どうする?このままここであのクズブタと一緒に死ぬか...民と一緒に生き延びて再起を図るか選びな。』

その言葉にガストンはラス王子を小脇に抱えて側に控えていた部下達に何やら指示を出した。

そして...

「客人。すまぬが言葉に甘えさせてもらう。どちらに向かったらいい。」

「王都の広場だ。」

「分かった。恩にきる。」

こうしてガストン達もこの城から出て生き延びる選択をしたのだった。





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