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第三章

3-47 末っ子は重度の箱入りです

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 ナチョマはローダンの欠点であるメンタルの弱さをどうにかしようと考えて、多少荒療治となっても致し方がないと思いながらずっとやり方を模索していたのだ。

ローダンの成長速度はナチョマが思っていたより遥かに凄かった。
扱える魔法の種類もかなり増えたし、魔力コントロールに関してももう問題ないレベルに達した。

あとは...あのひ弱なメンタルをどうにかすればかなり良くなるとナチョマは思っていたから。

しかし...あえて行った荒療治が悪い方向へと向かってしまった。

ナチョマが思っているよりローダンのメンタルは箱入りだったのだ。

下手に刺激してしまったため、ローダンの魔力は暴走してしまい、神様で手に負えなくなり他の空間で訓練という名の修行をしていた私達に助けを求めてきた。

これには他の神様達も驚いていたが、ナチョマがかなり血相を変えていたので緊急性を感じて修行を一時中断してナチョマを助ける様に言われたので、私達は揃ってナチョマに連れられてローダンが暴走している空間へと向かった。

そこは大型の台風が来たかのように荒れ狂っていた。

暴風が吹き荒れて、雷が鳴り、大きな竜巻まで何十本と言わず爆音を上げて渦巻いていた。

そんな荒れた環境の中心に涙を流してブツブツ何かを呟いているローダンの姿が。

《すまない。メンタル面を強くすればもっと伸びると思って荒療治をしたらこうなったんだ。》

ナチョマは申し訳なさそうに私達に説明する。

でも私達としてはローダンがこうなるのは三度目なのであまり驚いてない。

一度目は生まれて間もない頃。
自分だけ上手く歩けなくてドクれてしまい猛吹雪が吹き荒れて父さんが大きな雪だるまになり、寝床が氷漬けになった。

二度目は私が仲間達と上手くいかなくなった時だ。
私を慰めようとしてくれたローダンを疲れ切っていた私が跳ね除けたら、大雨が降り雷が落ちまくり暴風が吹き荒れて父さんが雷に打たれてた。

三度目が今回だ。
いつも何かと犠牲になってくれている父さんがこの場にいないので兄弟の誰かが父さんの代わりをしないといけないのだが...

『うっわ!な、なんで雷がこっちに向かってくるんだよ!』

どうやら別にこちらで決めなくても良いみたい。
ブルーム兄さんが必死に雷から逃げ回っている間に私とラース兄さんでローダンを慰めにかかる。

『ブルーム兄さん頼んだわよ!私とラース兄さんでローダンの所に行ってくるから!』

私がそう言うとブルーム兄さんは雷と必死に戦いながら"頼んだ!"と返事を返してくれたので急ぎ私とラース兄さんはローダンの元へと向かった。






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