上 下
349 / 664
第三章

3-20 怪しい屋敷に潜入

しおりを挟む
 私達が見かけた馬車はこの人里の中でも一際大きな屋敷の側に停まっていた。

一応馬車を確認すると人は誰も居なかったのでこの屋敷の中に居るのかと思い屋敷に潜入してみる事にした。

屋敷の入り口にも中にも武装した人達が居るが誰一人私達の存在には現時点では気付いてない。

それだけ私達の使っている隠密は凄い。

(ムキじぃーちゃんに習っておいて良かったぁー。)

(あのハゲジィじぃーたんなるハゲじゃなかったんだな。)

(異世界のスキルなのにこの世界でこれだけ有利に使えるなんて...ありがたい話ですね。)

(今度、他にもいい技ないかきかないとね。)

(あのじぃーさん只者じゃないんだな。)

などそれぞれ思いながら屋敷に潜入すると...思ってた通り。
馬車に乗っていたメンツが全員いたのだ。
しかも応接室にて誰かと話をしていた。

私達は応接室の隣の空き部屋に入り彼らの会話を盗み聞きすることに。

すると...ここが彼らの元締のいる屋敷で間違いがなかった様だ。

「お前ら首尾の方はどうなんてんだ?」

野太いおっさんの声がする。
どうやら馬車に乗っていた人達に質問している様だ。

おっさんの言葉に彼らは歯切れ悪く答える。

「じ、実は...情報提供者とまだ会えてないんです。」

「そうなんですよ。」

「ここに来る前に落ちあう話だったんですが...俺たちが魔物に襲われちまって...。」

そんな風に話す彼らの言葉を聞いておっさんは舌打ちをしてテーブルを蹴り上げる音がした。

これはかなりお怒りの様だった。

「いいか?!お前たちが大金が入る話があるって言うから俺はお前達に出資をした上に、色々と整えてやってんだ!!
ちゃんと成果をださねぇーと命はないと思え!!」

どうやらこのおっさん以外にも彼らに関わっている人物がいる様子だった。
その人物がドラゴンの卵の話をもちかけたのだろう。

一体どんな人なのか気になり私達はそのまま彼らの話を聞く。

「頭...わかってます。でも本当に金になる話だったんですよ。」

「でも、その話を持ってきた奴がいない事にはどうにもならんだろうが!!俺たちではあのドラゴンの里すら入れない...いや、入れても生きて帰ってくることはできんのだ!!」

おっさんの言葉に彼らは言葉を詰まらせていた。

そりゃそうだろうね。
ドラゴンの里...つまり私達兄弟の生家てある場所。

そこにはいろんな種の、いろんな性格のドラゴンが住んでいる。

気のいいものもいれば、気性の激しいものもいるのでそれなりに力があるものでないとあの里では過ごせない。

運良く侵入できたとしても...

「いっそうのこと...ドラゴンの里出身の連中を騙して連れて行く方がいいんじゃないですか?」

そう言いたくなるのも分からないでもない。
でも同じドラゴンでもあの里は危険地帯なのだ。














しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

月が導く異世界道中

あずみ 圭
ファンタジー
 月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。  真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。  彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。  これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。  漫遊編始めました。  外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。

田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。 最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。 自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。 そして、その価値観がずれているということも。 これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。 ※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。 基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

グラティールの公爵令嬢

てるゆーぬ(旧名:てるゆ)
ファンタジー
ファンタジーランキング1位を達成しました!女主人公のゲーム異世界転生(主人公は恋愛しません) ゲーム知識でレアアイテムをゲットしてチート無双、ざまぁ要素、島でスローライフなど、やりたい放題の異世界ライフを楽しむ。 苦戦展開ナシ。ほのぼのストーリーでストレスフリー。 錬金術要素アリ。クラフトチートで、ものづくりを楽しみます。 グルメ要素アリ。お酒、魔物肉、サバイバル飯など充実。 上述の通り、主人公は恋愛しません。途中、婚約されるシーンがありますが婚約破棄に持ち込みます。主人公のルチルは生涯にわたって独身を貫くストーリーです。 広大な異世界ワールドを旅する物語です。冒険にも出ますし、海を渡ったりもします。

ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

にくなまず
ファンタジー
今年から冒険者生活を開始した主人公で【ソロ】と言う適正のノア(15才)。 その適正の為、戦闘・日々の行動を基本的に1人で行わなければなりません。 そこで元上級冒険者の両親と猛特訓を行い、チート級の戦闘力と数々のスキルを持つ事になります。 『悠々自適にぶらり旅』 を目指す″つもり″の彼でしたが、開始早々から波乱に満ちた冒険者生活が待っていました。

司書ですが、何か?

みつまめ つぼみ
ファンタジー
 16歳の小さな司書ヴィルマが、王侯貴族が通う王立魔導学院付属図書館で仲間と一緒に仕事を頑張るお話です。  ほのぼの日常系と思わせつつ、ちょこちょこドラマティックなことも起こります。ロマンスはふんわり。

魔法のトランクと異世界暮らし

猫野美羽
ファンタジー
 曾祖母の遺産を相続した海堂凛々(かいどうりり)は原因不明の虚弱体質に苦しめられていることもあり、しばらくは遺産として譲り受けた別荘で療養することに。  おとぎ話に出てくる魔女の家のような可愛らしい洋館で、凛々は曾祖母からの秘密の遺産を受け取った。  それは異世界への扉の鍵と魔法のトランク。  異世界の住人だった曾祖母の血を濃く引いた彼女だけが、魔法の道具の相続人だった。  異世界、たまに日本暮らしの楽しい二拠点生活が始まる── ◆◆◆  ほのぼのスローライフなお話です。  のんびりと生活拠点を整えたり、美味しいご飯を食べたり、お金を稼いでみたり、異世界旅を楽しむ物語。 ※カクヨムでも掲載予定です。

僕の従魔は恐ろしく強いようです。

緋沙下
ファンタジー
僕は生まれつき体が弱かった。物心ついた頃から僕の世界は病院の中の一室だった。 僕は治ることなく亡くなってしまった。 心配だったのは、いつも明るく無理をして笑うお母さん達の事だった。 そんな僕に、弟と妹を授ける代わりに別の世界に行って見ないか?という提案がもたらされた。 そこで勇者になるわけでもなく、強いステータスも持たない僕が出会った従魔の女の子 処女作なのでご迷惑かける場面が多数存在するかもしれません。気になる点はご報告いただければ幸いです。 --------------------------------------------------------------------------------------- プロローグと小説の内容を一部変更いたしました。

処理中です...