ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第二章

2-80 従業員候補の面談は

　ギルマスに従業員候補を紹介するからと言われて二日たった。

ようやくその人物との対面となるが...。
ギルマスから話を貰った当初は、兄弟全員で彼らと会う予定にしてたのだが、なんやかんやで私とフレア以外の兄弟達は仕事や依頼で出払う事に。

結局、私とフレアの二人だけでその従業員候補達と会う事になった。

朝ご飯後、いてもの様にギルドへ向かうと珍しくも街の広場でギルマスと遭遇する。

どうやら朝早くから私達が来るのを待っててくれた様だ。

ギルマスは私とフレアの姿を見ると満面の笑顔を浮かべて手を振り、ついて来いと私達をギルドとは違う方向へと案内する。

どこに向かうのかと聞いてもギルマスは来れば分かると言って行き先を教えてくれなかった。

仕方なく黙ってついて行くと...西側のまた外れにある廃墟へと案内された。

廃墟と言っても去年まで人が住んでいた建物だからそこまで朽ちてはいない。

なんでこんな所へと思ったが...ついてみるとよく分かった。

なんと、ギルマスが集めたと言うか...話を聞いて集まった人数がかなり多く、冒険者ギルドではとてもじゃないが業務の支障をきたしてしまう感じの人だかりだった。

ざっと見積もっても百人は超えているだろう...。
しかも人種は様々。

人間もいれば、ドワーフ族、エルフ族の姿もあった。

彼らはギルマスの姿を見るなり詰め寄ってくる。

「オイ！いつになったら仕事を紹介してくれるんだよ！」

「なぁー！ちゃんと雇ってくれるんだろうな！」

など、皆んな口々に騒ぎ出す。

これはこれは面倒だなぁーと思ってると、ギルマスが叫ぶ。

「静かにしろ！お前ら！仕事が欲しいならちゃんとしろ！
今からお前達の上司を紹介する！」

そう言うとギルマスは私とフレアを呼ぶので、仕方なしにギルマスの横へと行き彼らを見つめる。

「オイオイ、アンタ！こんな小娘達が俺たちの上司になるなんて言わないよな？」

「そんなわけあるかい。」

と笑いながら私達を馬鹿にする連中。
こりゃー全員いらないなぁーと思ってると、ギルマスが彼らを睨みつける。

さすが腐ってもギルマスだ。
たったひと睨みで彼らを黙らせた。

そして、私達にちゃんとした自己紹介をする様に言うのでギルドカードを彼らに見せながら自己紹介をした。

すると...さっきまで小馬鹿にしていた連中から顔色がなくなっていくではないか。

自己紹介が終わる頃には嘲笑っていた連中全員が身なりを整えて、姿勢を正して私達の方を向いて土下座をし出したのだった。