237 / 664
第二章
2-29 ブルーム兄さんはシスコン?!
しおりを挟む
『俺たちは兄弟だ。お前一人で全てしてしまったら俺は...お前が辛い時...お前を救ってやれなくなる。それはなによりも辛い...。
だから次は絶対に俺たちを呼べ!いいな!全員が無理でも...俺だけは必ず呼べ!』
ブルーム兄さんはそう言って私を力強く抱きしめてくれ、その上から他の兄弟達も私を抱きしめてくれた。
『スノー。あなたが強いのは他の誰よりも私達が知ってます。
ですが...あなたは女の子です。』
『姉ちゃん。無理はしたらダメだよ。僕達は男の子なんだから多少無茶をしても大丈夫なんだからね。』
「そうだ。これ以上悪目立ちをしていると本当に嫁の貰い手がなくなるぞ。」
『はっ?!そんなことで俺の妹を嫌がる奴になんか嫁ぐことはねぇー!
第一に俺たちより弱い奴はお呼びじゃないからな。』
『ならスノーは一生独身ですね。』
『それは...ちょっと酷くない?あっ!でもそうなるならずっと僕のお姉ちゃんって事か!』
「やはりスノー。少しお淑やかになって嫁にいく方がいいぞ。このままではずっとこいつらの面倒をみないといけない。」
『あ?!それの何がいけないんだ!てか、お前はどっちの味方なんだよ!
スノーに変な害虫がつくのはいいのか?!』
『害虫はダメですね。せめて人かドラゴンでないと。あっ!エルフでもいいですね。』
『えーー。姉さんに似合う奴じゃないと嫌だなぁー。』
「俺は常にスノーの味方のつもりだが?一度でもお前の見方をした事があるか?」
兄達は私を抱きしめたまま普段通りの口喧嘩をはじめた。
これは彼らなりの気遣いであることは理解しているが...喧嘩の内容にケチをつけたい。
彼らのおかげで流れていた涙なんてとうに止まってしまい、沸々と彼らに対して怒りがわいてきてしまったのだ。
「でも、スノーが嫁に行く前に兄であるお前達が先に嫁取りをしないとな。」
『えっ?!そうか?俺は...嫁かぁ...。必要ねぇ~な。スノーがいるし。』
『そうですね。変な雌に引っかかるぐらいでしたら一生こうして兄弟で生活している方がいいかも知れませんね。』
『あっ!それいいね。だってラース兄さんはともかく、ブルーム兄さんは絶対変な雌に引っかかりそうだよ!』
「さすがローダン。よくわかってるな。」
『はっ?!なんでだよ!』
『えっ?!兄さん自覚なしですか?!それはもうダメですね。』
『うん。ダメだね。』
「あー。もう手遅れだ。」
『な!なんでだよ!俺の何が駄目なんだよ!』
ブルーム兄さんは今度は自分が非難の対象となり焦り出した。
『だってこの前ですが、兄さんギルドの女性職員から食事に誘われたら、"ああ。おれまだ腹減ってないからいいわ。お前らで行けば。それに、俺腹減ったらスノーと飯食いにいくら。"って言ってましたよね?』
『うわぁ~ないよ。それはないよ!』
「ないな。食事を断るのに妹を使うのはないわ。」
『他にもありますよ。手作りのお菓子を差し入れされた時も、"ヘェ~スゲェーなぁー。ありがとうよ。スノーと一緒に食べるわ。"とも言ってましたよね?』
兄達の間に挟まってずっと話を聞いているのに耐えられなくなった私。
(なんなの?!これ!なんの拷問?!)
思わずそう叫びそうになった。
だから次は絶対に俺たちを呼べ!いいな!全員が無理でも...俺だけは必ず呼べ!』
ブルーム兄さんはそう言って私を力強く抱きしめてくれ、その上から他の兄弟達も私を抱きしめてくれた。
『スノー。あなたが強いのは他の誰よりも私達が知ってます。
ですが...あなたは女の子です。』
『姉ちゃん。無理はしたらダメだよ。僕達は男の子なんだから多少無茶をしても大丈夫なんだからね。』
「そうだ。これ以上悪目立ちをしていると本当に嫁の貰い手がなくなるぞ。」
『はっ?!そんなことで俺の妹を嫌がる奴になんか嫁ぐことはねぇー!
第一に俺たちより弱い奴はお呼びじゃないからな。』
『ならスノーは一生独身ですね。』
『それは...ちょっと酷くない?あっ!でもそうなるならずっと僕のお姉ちゃんって事か!』
「やはりスノー。少しお淑やかになって嫁にいく方がいいぞ。このままではずっとこいつらの面倒をみないといけない。」
『あ?!それの何がいけないんだ!てか、お前はどっちの味方なんだよ!
スノーに変な害虫がつくのはいいのか?!』
『害虫はダメですね。せめて人かドラゴンでないと。あっ!エルフでもいいですね。』
『えーー。姉さんに似合う奴じゃないと嫌だなぁー。』
「俺は常にスノーの味方のつもりだが?一度でもお前の見方をした事があるか?」
兄達は私を抱きしめたまま普段通りの口喧嘩をはじめた。
これは彼らなりの気遣いであることは理解しているが...喧嘩の内容にケチをつけたい。
彼らのおかげで流れていた涙なんてとうに止まってしまい、沸々と彼らに対して怒りがわいてきてしまったのだ。
「でも、スノーが嫁に行く前に兄であるお前達が先に嫁取りをしないとな。」
『えっ?!そうか?俺は...嫁かぁ...。必要ねぇ~な。スノーがいるし。』
『そうですね。変な雌に引っかかるぐらいでしたら一生こうして兄弟で生活している方がいいかも知れませんね。』
『あっ!それいいね。だってラース兄さんはともかく、ブルーム兄さんは絶対変な雌に引っかかりそうだよ!』
「さすがローダン。よくわかってるな。」
『はっ?!なんでだよ!』
『えっ?!兄さん自覚なしですか?!それはもうダメですね。』
『うん。ダメだね。』
「あー。もう手遅れだ。」
『な!なんでだよ!俺の何が駄目なんだよ!』
ブルーム兄さんは今度は自分が非難の対象となり焦り出した。
『だってこの前ですが、兄さんギルドの女性職員から食事に誘われたら、"ああ。おれまだ腹減ってないからいいわ。お前らで行けば。それに、俺腹減ったらスノーと飯食いにいくら。"って言ってましたよね?』
『うわぁ~ないよ。それはないよ!』
「ないな。食事を断るのに妹を使うのはないわ。」
『他にもありますよ。手作りのお菓子を差し入れされた時も、"ヘェ~スゲェーなぁー。ありがとうよ。スノーと一緒に食べるわ。"とも言ってましたよね?』
兄達の間に挟まってずっと話を聞いているのに耐えられなくなった私。
(なんなの?!これ!なんの拷問?!)
思わずそう叫びそうになった。
10
お気に入りに追加
579
あなたにおすすめの小説
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです
ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。
女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。
前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る!
そんな変わった公爵令嬢の物語。
アルファポリスOnly
2019/4/21 完結しました。
沢山のお気に入り、本当に感謝します。
7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。
2021年9月。
ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。
10月、再び完結に戻します。
御声援御愛読ありがとうございました。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
前世の記憶さん。こんにちは。
満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。
周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。
主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。
恋愛は当分先に入れる予定です。
主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです!
小説になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる