ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第二章

2-16 悪党退治？！

　私の目の前ではかなり痩せ細ってボロボロの衣類を見に纏ったエルフの男性と女性。
そして彼らの間に幼い子供がいた。

そしてその彼らの周りにも明らかに暴行を加えられているエルフ達の倒れている姿が...。

私はその光景を見た瞬間なんとも言えない怒りが全身を巡り気づいたら男性をぶん殴っていた。

私に殴られた男性は一瞬にて空の彼方へと吹っ飛んでしまった。

彼の生死は分からないが、この際死んでいても誰も文句は言わないだろう。

そう思い男性が吹っ飛んだ先を見つめた。

しばらく空を見ている私に何か小さな声がかけられた。

私は声がした方を見ると...先程まで男性に殴られていたエルフの男性と女性の姿が。

女性もそれなりに傷があったが男性ほどではなかった。
男性が彼女と彼女の腕の中にいる子供を庇ってくれていたからだろう。

男性は顔の原型が僅かにわかるかなぁ？って感じだった。
彼らは怯えて震える体を必死に保たせて私の方を見つめていた。

その姿を見て私はなんとも言えない気持ちに...。

彼らの周りにも僅かに息はしているボロボロになったエルフ達の倒れている姿も。

私は怒りをグッと抑え込んで彼らの方に向き合った。

彼らはかなり怯えているので私は微笑みかけた。
少しでも警戒を解いてもらえたらと思い。

そしてその場にいる彼らのギスを...痛みをとれるようにと思い回復魔法をかけた。

その場を癒しの光が覆った。
一瞬にして彼らの"見た目の傷"は癒えていった。

回復し終えた時だった。
彼らに声をかけようとしたら私の背後から数人の人の気配がした。

私は倒れているエルフ達と目の前のエルフのきっと家族だろうと思える人達を魔法で浮かせて結界を張って自分の後ろへ隠した。

彼らを結界で保護し終えたと同時に武器を持った複数の柄の悪い人間達が建物から出てきた。

どうやら私が殴り飛ばした男の仲間？なのだろう。

私は彼らから少し距離をあけ様子を伺った。

相手の方が人数が多いが...ふっ。余裕で勝てる相手だ。

しかし、結界で保護したエルフの人達は武器を持った人間達を見るなり怯えて悲鳴をあげだした。

あー。これはヤっていい奴らだな。
私は瞬時に判断して戦闘モードへ。

「おいおい。ねぇーちゃん。えらくかわい顔をしてやってくれるじゃないかい。」

「よくも俺たちの仲間を吹っ飛ばしてくれたなぁ？落とし前、つけてくれるんだろうなぁ？」

「なんならねぇーちゃんが俺たち全員の相手をしてくれてもいいぜ。」

「ねぇーちゃん可愛からな。ボロボロになっても穴が壊れるまでは相手して貰うぜ。」

明らかに下世話な言葉を言いながら外に出てくる人達。

私は全員が建物から出るのをひたすら待った。

なぜならまだ建物ないに囚われている者たちがいる事がわかったからだ。

彼らの仲間が一人でも中にいると、囚われている者達に危害が加わる可能性があるからだ。

彼らが全員出た時がヤリ頃なのだ。

私は涼しい顔をして笑みをこぼしながら相手を少し煽ってみる事にした。

『あら？たったこれだけの人数で私の相手がつとまるかしら？私を楽しませてくれないと...だ・め・よ？』

わたしがそう言うと建物の窓からも武器を持った連中が飛び出して着て私の周りを取り囲んだ。

あと一人...。あと一人出てきたら全員となる。
そう思いじっと平然とその時をまった。

するとゆっくりと正面の扉から武器も持たずに一人の男性が出てきた。

どうやらこいつがこの建物の親玉なのだろう。

これで全員だね。
親玉と思える人が外に完全に出た瞬間、結界で保護しているエルフ達を建物の中に入れて建物自体に結界を張り男達が建物の中に入れないようにした。

「なっ！小娘！何をした！」

慌てる男達。
そんな彼らに私は満面の笑みを浮かべて告げてやった。

『あら？私を楽しませてくれるのでしょ？ならいいじゃない。私が貴方達に勝ったらこの建物とその中の人達は私が貰うわね。貴方達が勝ったら私を好きにさせてあげるわ。
まぁ～でも勝つのは私よ。』