ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第二章

2-10 難航を極める新たな修行？！

　お世話になっているギルドのギルマスや副ギルマスやギルド職員さん達の協力を得て、ブルーム兄さん達の修行が始まったのだが...。

ははは。
それは今までのどの訓練や修行より困難を極めた。

それは兄達だけでない。
兄達に指導する人達もほんの数時間で疲労困憊を示している。

それと同時に日々怒号が飛び交うギルドへと変貌を遂げたのだ。

それもこれも全て兄達のせいなのだけど...。


「な、何回言ったら理解してくれるんだ！！」

『だ、か、ら！！！何だってって言うだ！』

「そうですよ！こんな説明でどう理解しろと言うのですか！！」

「お前らはここに何を入れてんだ！あ？！」

『ここには脳みそしか入ってないわ！！』

「私の頭にもそれしか入っておりません！」

「本当にはいってんのかぁ！！！」

...。
側から聞いてたら何の会話をしているのか？って言う状況なのだが...彼らを知っている人や側で見守っている人達からしたら慣れた光景だ。

まぁ～ブルーム兄さんは分かっていた。
兄弟の中で馬鹿だからこうなるのは皆んな予想はついていた。

しかし...あの第二王子も？？と言う意外な状況だった。

第二王子はけっしてブルーム兄さんみたいな馬鹿ではないのは間違いない。
ではなぜ？？？

それはね、一つはギルマスの説明の仕方がとても下手だからだ。

ギルマスは感覚で行動するのが基本なのだろう。
その点はブルーム兄さんも同じだからなんとなくのニヤンスで汲み取る事はできるのだろうけど、相手はギルドの仕事に関してはずぶの素人だ。

さらにだ、ギルマスは字がとても独特なので解読できる人がほんの数人しかいない。

その本の数人が、今自分の仕事をこなしながらラース兄さん達に指導をしているからそこまで手が回ってないのだ。

説明の下手さと文字の汚さでブルーム兄さんと第二王子の指導は困難を極めてしまったのだ。

その上理解力の悪いブルーム兄さんに、感覚的に物事を言われても理解ができない第二王子という組み合わせもあり、日々ギルマスの怒号が飛び交うハメになったというのだ。

その為、最近ではギルドに入る前に訪れる人達には耳栓が無償で配られる事になった。

中で働くギルド職員達も耳栓しながら日々仕事をしているのだ。
こなす事に。

それはツルピカさん達や長老達が選んでくれたギルド職員候補の選別だ。

連れて来てくれた人達をそのまま雇えばと思うでしょう？
でもそうはいかないのよね。

私達がやろうとしている事は前代未聞の挑戦。
多種族混合の上、平等のギルドを目指しているからだ。

だから互いに協力して働いてもらわないといけないので、偏見や差別をはなからする人はお断りなのだ。

だからこの選別も難航を極めたのだった。