ドラゴンなのに飛べません！〜しかし他のドラゴンの500倍の強さ♪規格外ですが、愛されてます♪〜

第一章

1-24 凍りつくできごと？

　長老の言葉で、このお披露目会で見た事は、他言無用となったが無駄な気もせん事はないような...。

何せ、大人のドラゴン達はそれぞれ若返ってしまったからだ。

大幅に若返ったドラゴンはいないようだが、それでもね...。

今回のお披露目会にて、私と私達家族はドラゴン族の中でも一躍有名となってしまった。

大ぴらには騒がれないが、それでもだった...。

長老の一括の後、特に何事となくお披露目会は幕を閉じた。

解散時には、皆んなから個々に御礼を受けた。

特に女性陣からは、熱烈なハグやキスの嵐を受けたのだった。

その為、私達家族は皆んなが帰った後に帰宅する事に...。

その間、お父さんの兄弟...私からしたら叔父さん達も待っていてくれた。

と言うか...お父さんが兄弟に囲まれて、どう言うことかと、説明を求められていたのだった。

私の兄弟である兄と弟は、疲れて眠っていた。

そんな中、長老はお母さんに小声で何か話をしていた。

私1人で、感謝の行列の相手をしていた。

感謝の行列は迫力があった。
皆んな口々に文字通り"感謝"の言葉を述べていた。

"若返れるなんて...夢みたい。ありがとう。"

"これで、孫達の成長をもう暫く見れる。ありがとう。"

"昔おった傷まで治してもらって...なんと御礼をいったら...。"

"もっと若くしてくれありがとう。妊活頑張るわ！"

など、皆んなそれぞれ違った言葉だった。

若返って何が良いのかわからないが、皆んな喜んでいるので良いのだろう。

最後のドラゴンの言葉を聞き、その場にはもう私達家族と叔父さん達家族、そして長老と長老の息子のみとなった。

私は疲れ果てて、のっそりお母さんの側に行こうとしたら、叔父さん達に捕まった。

今度はなんだろう？不安に思いながら見上げてみると...。

皆んな無言で私を見ていた。

私は益々訳がわからずに縮こまっていると、叔父さん集団の中でも1番最年長だろうと思われるドラゴンが、私に声をかけて来た。

"お前さんは、他にどんな事ができるんだ？"

その言葉に私は首をかしげた。
何を知りたいのかがわからないからだ。

私のその行動が気に入らなかったんだろう。

叔父さんの1人が尻尾で地面を叩き威嚇して来た。

あまりの音と振動で、寝ていた兄や弟が目を覚まして、泣きじゃくってしまった。

それには、お母さんが激怒。

尻尾を使って威嚇して来た叔父さんをお母さんは、自分の尻尾で叩き飛ばしたのだった。

一瞬の出来事でよくわからなかったが、叔父さんは離れた山にどうやらめり込んだ様だった。

その光景を目の当たりにして、誰も私に威嚇しなくなった。

そして、なぜか腰を屈めて丁寧な口調で再度声をかけて来たのだった。

"いきなりすまなかったね。お嬢さんは、あの"回復魔法"以外にできることはあるのか、叔父さん達に教えてくれるかなぁ？"

ひきった笑みと一緒に問われて、逆に怖かったが、側でお母さんが目を光らせてくれているので、安心感があった。

私は今度は素直に頷き返事した。

"お母さんから色々教わったよ。
お母さんが使える魔法は全て教わって、使えるよ。"

私の予期せぬ返答に、その場にいたドラゴンが凍り付いた。

もちろんお母さん以外だ。

私はまた、首を傾げるとお母さんがあらあらと苦笑いをしていたのだった。