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第五章 親父たちと砂漠
親父たち、(最臭兵器を)散布する!
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前回までのあらすじ
ピラミッドと思っているダンジョン内の罠を突破する為に、親父たちはとんでもない作戦を実行しようとしていた。
ピラミッドと思っているタンジョンの入り口に親父たちは作戦の為の準備をしていた。
「うむ、では最終確認を行うよ!まず送風機担当は!」
入口に前設置された大型手動式扇風機を回す係はブドウと軍曹。
「問題ない!」
「肯定であります!」
「うむ、では次に缶詰め開け担当は!」
缶詰を投げて、五寸釘で穴を開ける係は影。
「いつでもいいでござるよ!」
「うむ、周辺警戒担当はどうかね?」
警備は鉄パイプを構えた村正が担当だった。
「問題なし!」
「うむ、では始めよう!」
教授の言葉と共に影は缶詰を投げ、すかさずに五寸釘を投げた。
五寸釘は見事に缶詰に命中し、破裂したことを確認した影は素早くその場を離れた。
「成功でござる!」
影の合図と共に扇風機を動かすブドウと軍曹。
「ファイト!」
「一発!」
どこかのCMのようなセリフを言いながら風量を上げるブドウと軍曹。
「教授!」
「うむ、なんだね?村正君!」
「今思ったんだが、あるトーテムポールが罠だったとしてカラクリ仕掛けの罠だったら、臭い作戦は意味ないんじゃないのか?」
「…………」
教授はポーカーフェイスだったが、その裏側は今気づいたと動揺していた。
その動揺を隠すためにパイプに火を点けるフリをする教授。
「うむ、村正君の言うことももっともだが、これは可能性を一つでも潰していく作戦だよ!」
「可能性?」
「うむ、まず村正君が言うとおり、カラクリ仕掛けだった場合は、必ずそれを作動させるためのスイッチがあるはずだ。だが、そのスイッチを探している間に別の罠。たとえばモンスターが襲って来る可能性もあるから、こうして可能性を一つずつ潰して安全を確保する為の作戦なんだよ!」
「そうだったのか?てっきり思い込みだけでやっていた作戦だと思っていたから、変に疑ってすまないな!」
「うむ、きちんと説明しなかった私にも非があるから気にしないでくれたまえ!」
なんとか誤魔化すことのできた教授はパイプに火を点けるフリをやめて、臭い匂いが風で、ピラミッド内部に送り込まれる様子を見ていたが、今度は影から質問を受けた。
「教授殿!匂いを流した後はどうするんでござるか?」
「うむ、もちろん内部に侵入するよ!」
「臭い匂いが充満した空間にでござるか?」
「ガスマスクと防護服の用意はできているから、何の問題もないさ!」
「「…………」」
教授の返答に沈黙する村正と影。
これまでの経験から教授の発明品は「安全」という言葉が抜けている物ばかりだからだ。
「ファイト!」
「一発!」
ブドウと軍曹の掛け声が虚しく砂漠に響く中で、親父たちの探索はまだ始まらない。
ピラミッドと思っているダンジョン内の罠を突破する為に、親父たちはとんでもない作戦を実行しようとしていた。
ピラミッドと思っているタンジョンの入り口に親父たちは作戦の為の準備をしていた。
「うむ、では最終確認を行うよ!まず送風機担当は!」
入口に前設置された大型手動式扇風機を回す係はブドウと軍曹。
「問題ない!」
「肯定であります!」
「うむ、では次に缶詰め開け担当は!」
缶詰を投げて、五寸釘で穴を開ける係は影。
「いつでもいいでござるよ!」
「うむ、周辺警戒担当はどうかね?」
警備は鉄パイプを構えた村正が担当だった。
「問題なし!」
「うむ、では始めよう!」
教授の言葉と共に影は缶詰を投げ、すかさずに五寸釘を投げた。
五寸釘は見事に缶詰に命中し、破裂したことを確認した影は素早くその場を離れた。
「成功でござる!」
影の合図と共に扇風機を動かすブドウと軍曹。
「ファイト!」
「一発!」
どこかのCMのようなセリフを言いながら風量を上げるブドウと軍曹。
「教授!」
「うむ、なんだね?村正君!」
「今思ったんだが、あるトーテムポールが罠だったとしてカラクリ仕掛けの罠だったら、臭い作戦は意味ないんじゃないのか?」
「…………」
教授はポーカーフェイスだったが、その裏側は今気づいたと動揺していた。
その動揺を隠すためにパイプに火を点けるフリをする教授。
「うむ、村正君の言うことももっともだが、これは可能性を一つでも潰していく作戦だよ!」
「可能性?」
「うむ、まず村正君が言うとおり、カラクリ仕掛けだった場合は、必ずそれを作動させるためのスイッチがあるはずだ。だが、そのスイッチを探している間に別の罠。たとえばモンスターが襲って来る可能性もあるから、こうして可能性を一つずつ潰して安全を確保する為の作戦なんだよ!」
「そうだったのか?てっきり思い込みだけでやっていた作戦だと思っていたから、変に疑ってすまないな!」
「うむ、きちんと説明しなかった私にも非があるから気にしないでくれたまえ!」
なんとか誤魔化すことのできた教授はパイプに火を点けるフリをやめて、臭い匂いが風で、ピラミッド内部に送り込まれる様子を見ていたが、今度は影から質問を受けた。
「教授殿!匂いを流した後はどうするんでござるか?」
「うむ、もちろん内部に侵入するよ!」
「臭い匂いが充満した空間にでござるか?」
「ガスマスクと防護服の用意はできているから、何の問題もないさ!」
「「…………」」
教授の返答に沈黙する村正と影。
これまでの経験から教授の発明品は「安全」という言葉が抜けている物ばかりだからだ。
「ファイト!」
「一発!」
ブドウと軍曹の掛け声が虚しく砂漠に響く中で、親父たちの探索はまだ始まらない。
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