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番外編
番外編⑧ 人それぞれ
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こちらは本編の中盤、「キッチンが出来ました」の後くらいです。
完全にお遊びで書いたものなので、広い心でお楽しみください。
- - - - - -
「何の音かしら?」
いつもの女子会をしている時でした。何やら固い物がぶつかるような音に私は首をかしげました。ここは王宮の奥まった場所で、誰でも近づける場所ではないため、基本的にひっそりとしています。そんな中で響く異質な音に、私は興味を惹かれました。キッチンの工事は既に終わっていますが、他にも何かあるのでしょうか…
「あ~もしかして、陛下達かな?」
「陛下達、ですか?」
「うん、時々執務の合間に鍛錬をしているんだよ。ずっと執務室に籠っていると気が滅入るからって」
「そうなのですか」
執務の合間に鍛錬とは、何だか不思議な感じですわ。でも、確かにこの国の王の条件は強さですし、側近の皆さんも何気に強そうな方ばかりですわね。宰相様もあんな風ですが、竜人なのでお強いのでしょうし。
「…見に行ってみる?」
「え?いいのですか?」
「別に見るだけならいいと思うよ。近づくと危ないって止められるだろうけど」
ベルタさんがそう言うので、私達は音のする方へと向かいました。そこは陛下の執務室の下の庭で…そこでは陛下と宰相様、レイフ様とエリック様がいらっしゃいました。今は陛下がエリック様と剣で打ち合っています。
「凄い…」
お二人は執務服のまま、剣を振っていらっしゃいました。こういう時は着替えるものだとばかり思っていましたが、ベルタさん曰く、刺客に狙われる事も多いから、普段の服装でも鍛錬しているのだとか。確かに刺客は着替えるのを待ってはくれませんわね、納得です。それにしても…
「早すぎて何してるかわかりません~」
「本当だわ。エリック様が優勢…なのかしら?」
「ううん、陛下の方が優勢だよ」
ラウラとユリア先生がお二人の様子を見てそう言いましたが、ベルタさんの意見は逆でした。
「ええ?どう見ても陛下が押されているように見えるけど…」
「そんな事ないよ。まぁ、見てて」
私も陛下が押され気味な気がしましたが…ベルタさんがそういう事は、何か理由があるのでしょう。ベルタさんは騎士ですから、何か感じていらっしゃるのでしょうか…
「あ!」
「え?」
次の瞬間、あっという間に形勢逆転、陛下がエリック様の剣を弾き飛ばしてしまわれました。早すぎて何が起きたのかわからなかったほどです。私の目には、いきなり明後日の方向に飛んでいく剣と、喉元に剣を突きつけられたエリック様、そして陛下の背中が見えただけでした。
「凄い…」
「ベルタの言ったとおりになったわ…」
「でしょ?陛下の強さは群を抜いているんだ。エリック様も十分すぎる程強いんだけどね」
ラウラもユリア先生も驚いていましたが、ベルタさんはお二人の実力差をご存じだったのですね。ベルタさんの話では、一番強いのは陛下で、その次がレイフ様、エリック様…と続くのだとか。宰相様は滅多に剣を持たれないので実力のほどはわからないそうですが、決して弱くはないそうです。それにしても…陛下がこんなにも強かったなんて…知りませんでしたわ。そ、それに…
「エリサ殿?」
急に名を呼ばれて、私は飛び上がりそうになりました。ど、どうやら目の前の光景にすっかり気を取られていたみたいです。いえ、別にのぞき見していたわけじゃありませんし、やましい事は何もないのですが…でも…
「どうされた、この様な場所に?」
「え?い、いえ…その…」
何がと言うわけではないのですが…私はしどろもどろになっている自分に気が付きました。ど、どうしたと言うのでしょうか…陛下を見ていると、何だかドキドキするのですが…と、特に、そのお姿は…
「だ、ダメですッ!」
思わず私はダッシュでそこから駆けだしてしまいました。エリサ様?!と後ろでベルタさん達が戸惑いを含んだ声で私を呼ぶ声がしますが…今はそれどころじゃありません。何だか訳が分かりませんが、なぜかあの場所にいるのが酷く恥ずかしいと言うか、居たたまれなくなってしまったのです。ど、どうしたと言うのでしょうか…
「エリサ殿?!」
後ろから呼ぶ声がしたと思った瞬間、私は腕を取られて止められました。腕を掴んでいるのは…私よりも背が高くて、青銀色の髪がとても綺麗で…今はシャツの間から…
「ひゃああぁっ!」
あまりの刺激の強さに、私はその場に座り込んでしまいました…
「…エリサ様、胸板フェチだったんですね…」
ラウラにそう言われましたが、その言葉の意味が分かりませんでした。現在私は、自室に戻って女子会のみんなに囲まれていました。
「フェチって…」
「だって、陛下の胸板を見て逃げ出したじゃないですか」
「に、逃げてなんて…」
「じゃ、何でいきなり走り出したんですか?」
うう、そう言われると返事のしようもないのですが…でも、あの後陛下は、いつのも上着を脱いだ上にシャツの前を寛げていたのです。汗をかいたせいだとは思いますが、そこから陛下のお身体が見えていたのです…って、思い出したら何だか頬が火照ってきましたわ…ど、どうしたのでしょう、私…
「もしかしてエリサ様って…男性の生の身体、見た事ないの?」
「う~ん、私の知っている限りでは、ないですね。王宮にいた時は近くに男性は護衛くらいしかいませんでしたし、小屋に追いやられてからは尚更…」
「なるほど…男性に免疫が皆無だと…」
「それは間違いないですね。側にいるのはきっちり服を着こんだ男性ばかりでしたし」
た、確かにラウラの言う通りですが…だからと言ってフェチってなんですか、フェチって…私、そんな特殊な趣味はないはずです…
「でもエリサ様、フェチは悪いものじゃありませんわ!ちなみに私は筋肉フェチですから」
「あ~ラウラはそうだよね。兄さんたちの筋肉、いつも凝視してるし」
「ええ、お二人とも、素敵ですわ…」
「ちなみにユリアは首よね」
「…違うわ、首じゃなくて喉仏よ」
「同じじゃない」
「全く違うわ!」
ユリア先生が力説し始めました。ちなみにベルタさんは髭だそうですが…ちょっと待ってください、皆さん。さも当然のように言っていますが…何でそんなにはっきり決まっているのでしょう…
「別に私はそういうんじゃ…」
「今までエリサ様はある意味、厳重封印されていた箱入りでしたから、男性の生のお姿を見る事もありませんでしたものね」
「そっか、なんか納得」
うう、ラウラったら言いたい放題ですわね…しかもベルタさんまで…そりゃあ、私は母国ではラウラ以外の人とは滅多に話をする事もなかったし、身近にいる男性は護衛の方くらいでしたが…
「でも、意外でしたわ、エリサ様が胸板フェチだったなんて」
「だから、そういうんじゃありませんわ」
「でも、陛下の胸、ず~っと見てましたよね?」
「そ、それは…」
うう、私にもよくわかりませんのに…酷いですわ、ラウラったら…それに…あんな風に逃げ出してしまって、陛下達に変に思われたじゃないですか…
「…陛下達に…合わせる顔がありませんわ…」
「ああ、そっちは大丈夫だよ。エリサ様が初心だって事で収まってるから」
「な…!」
「そうね、王女様だからそんなもんだろう、ってみんな仰っていたわね。だから大丈夫よ」
「大丈夫って…」
何だかちっとも大丈夫な気がしないのですが…それに、私が胸板フェチだなんて認識が広まっているのもどうかと思いますわ…確かに刺激が強すぎて、鼻血が出そうになりましたけど…
ここだけの話で終わる筈でしたが…実はこの話は後を引いたのは言うまでもありません。陛下を前にすると、あの光景が思い出されて、私は一人悶絶する羽目になったのです。き、きっと、ええ、きっとラウラ達が胸板フェチだなんて連呼したせいですわ。
完全にお遊びで書いたものなので、広い心でお楽しみください。
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「何の音かしら?」
いつもの女子会をしている時でした。何やら固い物がぶつかるような音に私は首をかしげました。ここは王宮の奥まった場所で、誰でも近づける場所ではないため、基本的にひっそりとしています。そんな中で響く異質な音に、私は興味を惹かれました。キッチンの工事は既に終わっていますが、他にも何かあるのでしょうか…
「あ~もしかして、陛下達かな?」
「陛下達、ですか?」
「うん、時々執務の合間に鍛錬をしているんだよ。ずっと執務室に籠っていると気が滅入るからって」
「そうなのですか」
執務の合間に鍛錬とは、何だか不思議な感じですわ。でも、確かにこの国の王の条件は強さですし、側近の皆さんも何気に強そうな方ばかりですわね。宰相様もあんな風ですが、竜人なのでお強いのでしょうし。
「…見に行ってみる?」
「え?いいのですか?」
「別に見るだけならいいと思うよ。近づくと危ないって止められるだろうけど」
ベルタさんがそう言うので、私達は音のする方へと向かいました。そこは陛下の執務室の下の庭で…そこでは陛下と宰相様、レイフ様とエリック様がいらっしゃいました。今は陛下がエリック様と剣で打ち合っています。
「凄い…」
お二人は執務服のまま、剣を振っていらっしゃいました。こういう時は着替えるものだとばかり思っていましたが、ベルタさん曰く、刺客に狙われる事も多いから、普段の服装でも鍛錬しているのだとか。確かに刺客は着替えるのを待ってはくれませんわね、納得です。それにしても…
「早すぎて何してるかわかりません~」
「本当だわ。エリック様が優勢…なのかしら?」
「ううん、陛下の方が優勢だよ」
ラウラとユリア先生がお二人の様子を見てそう言いましたが、ベルタさんの意見は逆でした。
「ええ?どう見ても陛下が押されているように見えるけど…」
「そんな事ないよ。まぁ、見てて」
私も陛下が押され気味な気がしましたが…ベルタさんがそういう事は、何か理由があるのでしょう。ベルタさんは騎士ですから、何か感じていらっしゃるのでしょうか…
「あ!」
「え?」
次の瞬間、あっという間に形勢逆転、陛下がエリック様の剣を弾き飛ばしてしまわれました。早すぎて何が起きたのかわからなかったほどです。私の目には、いきなり明後日の方向に飛んでいく剣と、喉元に剣を突きつけられたエリック様、そして陛下の背中が見えただけでした。
「凄い…」
「ベルタの言ったとおりになったわ…」
「でしょ?陛下の強さは群を抜いているんだ。エリック様も十分すぎる程強いんだけどね」
ラウラもユリア先生も驚いていましたが、ベルタさんはお二人の実力差をご存じだったのですね。ベルタさんの話では、一番強いのは陛下で、その次がレイフ様、エリック様…と続くのだとか。宰相様は滅多に剣を持たれないので実力のほどはわからないそうですが、決して弱くはないそうです。それにしても…陛下がこんなにも強かったなんて…知りませんでしたわ。そ、それに…
「エリサ殿?」
急に名を呼ばれて、私は飛び上がりそうになりました。ど、どうやら目の前の光景にすっかり気を取られていたみたいです。いえ、別にのぞき見していたわけじゃありませんし、やましい事は何もないのですが…でも…
「どうされた、この様な場所に?」
「え?い、いえ…その…」
何がと言うわけではないのですが…私はしどろもどろになっている自分に気が付きました。ど、どうしたと言うのでしょうか…陛下を見ていると、何だかドキドキするのですが…と、特に、そのお姿は…
「だ、ダメですッ!」
思わず私はダッシュでそこから駆けだしてしまいました。エリサ様?!と後ろでベルタさん達が戸惑いを含んだ声で私を呼ぶ声がしますが…今はそれどころじゃありません。何だか訳が分かりませんが、なぜかあの場所にいるのが酷く恥ずかしいと言うか、居たたまれなくなってしまったのです。ど、どうしたと言うのでしょうか…
「エリサ殿?!」
後ろから呼ぶ声がしたと思った瞬間、私は腕を取られて止められました。腕を掴んでいるのは…私よりも背が高くて、青銀色の髪がとても綺麗で…今はシャツの間から…
「ひゃああぁっ!」
あまりの刺激の強さに、私はその場に座り込んでしまいました…
「…エリサ様、胸板フェチだったんですね…」
ラウラにそう言われましたが、その言葉の意味が分かりませんでした。現在私は、自室に戻って女子会のみんなに囲まれていました。
「フェチって…」
「だって、陛下の胸板を見て逃げ出したじゃないですか」
「に、逃げてなんて…」
「じゃ、何でいきなり走り出したんですか?」
うう、そう言われると返事のしようもないのですが…でも、あの後陛下は、いつのも上着を脱いだ上にシャツの前を寛げていたのです。汗をかいたせいだとは思いますが、そこから陛下のお身体が見えていたのです…って、思い出したら何だか頬が火照ってきましたわ…ど、どうしたのでしょう、私…
「もしかしてエリサ様って…男性の生の身体、見た事ないの?」
「う~ん、私の知っている限りでは、ないですね。王宮にいた時は近くに男性は護衛くらいしかいませんでしたし、小屋に追いやられてからは尚更…」
「なるほど…男性に免疫が皆無だと…」
「それは間違いないですね。側にいるのはきっちり服を着こんだ男性ばかりでしたし」
た、確かにラウラの言う通りですが…だからと言ってフェチってなんですか、フェチって…私、そんな特殊な趣味はないはずです…
「でもエリサ様、フェチは悪いものじゃありませんわ!ちなみに私は筋肉フェチですから」
「あ~ラウラはそうだよね。兄さんたちの筋肉、いつも凝視してるし」
「ええ、お二人とも、素敵ですわ…」
「ちなみにユリアは首よね」
「…違うわ、首じゃなくて喉仏よ」
「同じじゃない」
「全く違うわ!」
ユリア先生が力説し始めました。ちなみにベルタさんは髭だそうですが…ちょっと待ってください、皆さん。さも当然のように言っていますが…何でそんなにはっきり決まっているのでしょう…
「別に私はそういうんじゃ…」
「今までエリサ様はある意味、厳重封印されていた箱入りでしたから、男性の生のお姿を見る事もありませんでしたものね」
「そっか、なんか納得」
うう、ラウラったら言いたい放題ですわね…しかもベルタさんまで…そりゃあ、私は母国ではラウラ以外の人とは滅多に話をする事もなかったし、身近にいる男性は護衛の方くらいでしたが…
「でも、意外でしたわ、エリサ様が胸板フェチだったなんて」
「だから、そういうんじゃありませんわ」
「でも、陛下の胸、ず~っと見てましたよね?」
「そ、それは…」
うう、私にもよくわかりませんのに…酷いですわ、ラウラったら…それに…あんな風に逃げ出してしまって、陛下達に変に思われたじゃないですか…
「…陛下達に…合わせる顔がありませんわ…」
「ああ、そっちは大丈夫だよ。エリサ様が初心だって事で収まってるから」
「な…!」
「そうね、王女様だからそんなもんだろう、ってみんな仰っていたわね。だから大丈夫よ」
「大丈夫って…」
何だかちっとも大丈夫な気がしないのですが…それに、私が胸板フェチだなんて認識が広まっているのもどうかと思いますわ…確かに刺激が強すぎて、鼻血が出そうになりましたけど…
ここだけの話で終わる筈でしたが…実はこの話は後を引いたのは言うまでもありません。陛下を前にすると、あの光景が思い出されて、私は一人悶絶する羽目になったのです。き、きっと、ええ、きっとラウラ達が胸板フェチだなんて連呼したせいですわ。
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