64 / 85
連載
幼馴染の遺したもの
しおりを挟む
ブロム様が亡くなって半月が経ちました。
あれからヴァルは表面上変わりありませんが…時折何かを考え込んでいる事が増えた様に思います。いえ、元から立場上もあってか、考え込んでいる事はよくあったのですが、それが以前よりも増えたように感じるのは、ヴァルがショックを受けていると私が感じているからでしょうか。
それにあの日から私の警備が一層厳重になりました。部屋にあった隠し扉は開けられないように完全に封鎖され、護衛の数も増やされました。執務がない時は片時も側を離れなくなりましたし、執務中も何度も様子を見に来るようになりました。眠る時も、抱きしめて眠るのは変わらないのですが、その腕の力の度合いが強くなった気がします。お陰で寝苦しいと言いますか…寝返りが打てないのでちょっと辛いです…
ブロム様が脱獄した経緯については、先王様の重鎮の一人が関与していた事がわかりました。その方は脱獄を助けた可能性がある者の一人として名が上がっていた方で、ブロム様が脱獄した直後から行方が分からなくなっていました。
でも、ブロム様が亡くなった翌朝、隠し通路を捜査していた騎士達に遺体となって発見されました。側には、自身が脱獄するように進めた事、他国に逃げるように説得したが聞き入れて貰えなかった事、子どもの頃から見守っていたブロム様が亡くなり、これ以上生きている意味がないから後を追う事などが綴られた遺書が見つかったそうです。
「彼は私達の教育係だったんだ」
「教育係?」
「ああ、元はブロムの教育係だったんだが、先王様が一人よりも二人で学んだ方が、張り合いがあっていいだろうと勧めて下さったんだ」
「そうだったんですか」
「あの方は先王様の幼馴染で親友でもあられたから…先王様が亡くなった後もずっと、ブロムを見守っていたんだ」
脱獄したブロム様はその方と一緒に、地下通路に隠れていたようです。ブロム様は隠れながらずっと、私を連れ去るチャンスを狙っていたのでしょうか…今となってはもう、話を聞く事も出来ないため、想像するしか出来ません。
「ブロム様は…私の事も気にして下さっていたんですね…」
「そう、だな」
「私がヴァルをどう思っているのか、覚悟はあるかと尋ねられました。きっと、お母様のように本意ではなかったら、逃がそうと思って下さったのでしょうね」
「そうだろうな。母君の事ではあいつもずっと心を痛めていた。いや、一番心を痛めていたのはあいつだっただろう…ああ見えて優しい奴だったんだ。そう見えないように悪態ばかりついていたが…」
ブロム様とまともにお話したのはあの時だけなので、為人まではわかりませんでしたが…ヴァルがそう言うのであれば、きっとそうなのでしょうね。だとすれば、ご自身の周りに反国王派を集めるため、わざとあのような態度をとっていたのかもしれません。こんな形ではなく、もっと別のやり方であったら…と思わずにはいられません。
いえ、母君の事がなければ、こんな結末にはならなかったのかもしれません。お二人にとっても、先王様とその番の悲劇は大きな傷となっていたのでしょう。番は呪いだとも言われますが、その呪いは当事者だけでなく子供達にも及び、多感な子供だったからこそ一層深い傷となったのかもしれません。
私が番だと知ったヴァルが離れようとした理由が、ようやく私にも実感として理解できたように思います。
「…ヴァル」
「どうした?」
「…私達は…幸せでいましょうね」
ブロム様がしてくれたことは、もしかしたら意味のない事だったかもしれません。もしヴァルとブロム様が話し合っていれば、私達の関係が伝わっていたら、こんな事にはならなかったのかもしれません。ああしたら…こうだったら…なんて、後で考えても仕方のない事ですが…
それでも、彼が望んだのはヴァルの幸せです。だったら、ブロム様の気持ちに報いるためにも、私達は幸せでいるための努力を惜しんではいけませんね。
「そうだな…あいつの分も、幸せにならないとな…」
「ええ」
ヴァルが優しく抱きしめてきたので、私は彼の背に手をまわして抱きしめ返しました。ヴァルの傷はそう簡単には癒えないでしょう。私で癒せる類のものではないように思います。それでも、私達は前に向かって歩くしかないのですよね。
それからさらに一月が過ぎる頃には、私達も日常を取り戻しました。ヴァルが考え込む事も減り、きっとヴァルなりに心の区切りがついたのでしょう、最近では笑顔も増えました。
「え?ブロム様の研究施設を?」
「ああ。あいつは番への執着を失くす薬の研究をしていたんだ。領地に大掛かりな施設を作って」
「そんな事なさっていたんですか」
「ああ。だが、あいつがいなくなってからは閉鎖状態らしい。それで、トールと相談して国がその研究を後押ししようという話になったんだ」
「じゃ…」
「ああ、ブロムの遺志を継いでやりたいんだ。国としても番が亡くなって自死されるのは大きな損失だ。番絡みの事件もなくなった訳じゃない」
「そうですね。先王様のような悲劇を無くすためにも、いいと思いますわ。確かトール国も…」
「ああ、ブロムはトール国から研究者を引き抜いていた。せっかくこの国に来てくれたのなら、ここで研究を続けて欲しい。彼らがいれば、トール国と協力も出来るだろう」
「それはいい考えだと思いますわ」
意外な事でしたが、ブロム様は本格的な研究施設を作っていたようです。頻繁に国外に出ていたのも、この施設のためだったのでしょうか。もし薬が出来れば、きっとこれから起きるかもしれない悲劇を防ぐ事も出来るでしょう。それに、番にあまり拘らない種族にとっても、そんな薬があれば上位種に伴侶を奪われる不安も大きく減らす事が出来ます。今でも番だと言って上位種に伴侶を奪われる事は起きているのですから。
「それに、番至上主義と言いながらも、上位種の中には番以外と心を通わせる者は多い。番は必ず見つかるものでもないからな」
「そうですね。でもそれだと、相手の方は常に番への不安を抱えて生きる事になりますし…それは決して幸せではないと思います」
「そうだろうな」
「ええ、私だったら…耐えられないのでお断りすると思います」
ヴァルの執着心を身をもって知った今は、余計にそう思います。あれは嫉妬とか独占欲なんて可愛らしいものじゃありませんもの。少なくとも人族ではあり得ませんわね。そういう意味では、執着心を減らすのはお互いにいい事だと思います。片方が我慢して…なんて関係は決して幸せには結びつき難いでしょうから。
「薬が出来たら…私も…飲んだ方がいいだろうか」
「へ?」
思いがけない問いかけに、思わず変な声が出てしまいました。それって、ヴァルも自分の独占欲について自覚がある、という事でしょうか…あれで?
「それは…」
「あまりしつこいとエリィに嫌われてしまうだろう?人族はあまり執着心がないと言うし」
「えっと、それは、まぁ…」
「エリィに嫌われるなど考えたくもない。だったら…薬が出来上がったら私も飲もう。何なら実験台になってもいいだろう」
まさかヴァルがそんな風に考えているとは思わず、私は意外過ぎてまじまじとヴァルを見つめてしまいました。その表情から、本気でそう思っているのでしょうが…
「さすがに、そこまでは?」
う…否定しようとしましたが、無意識に疑問形になってしまいました。これじゃ、そうだと言っているようなものですわね…
「やはり、そうだったのか…」
「え?いえ、そういうわけでは」
勝手に納得されてしまいましたが…いえ、その通りではあるのですが、だからと言ってヴァルの気持ちを否定したいわけじゃないのです。そりゃあ、体力的にもうちょっと手加減して欲しいとは思いますが…
「あのですね…嫌というわけじゃないんです」
「そうなのか?」
途端にヴァルの顔が輝いたように見えましたが…これは…何だか危険な気がするのは気のせいでしょうか…でも、そんな表情をされたら無下になんて出来そうもありません。
「…そうですね。いつか、もう少し控えて欲しい…と思ってからで、いいと思います」
「そうか」
嬉しそうにそう答えるヴァルに、控えて欲しいとは言えませんでした。竜人の執着心は愛情の一面でもありますし…私も容認できるところまでは頑張って応えてみてからでいいのかもしれません。こんな風に無条件に何を置いても…と愛されるのはとても幸せな事でしょう。ずっと変わらない愛情をずっと求めていたのは間違いないのですから。
あれからヴァルは表面上変わりありませんが…時折何かを考え込んでいる事が増えた様に思います。いえ、元から立場上もあってか、考え込んでいる事はよくあったのですが、それが以前よりも増えたように感じるのは、ヴァルがショックを受けていると私が感じているからでしょうか。
それにあの日から私の警備が一層厳重になりました。部屋にあった隠し扉は開けられないように完全に封鎖され、護衛の数も増やされました。執務がない時は片時も側を離れなくなりましたし、執務中も何度も様子を見に来るようになりました。眠る時も、抱きしめて眠るのは変わらないのですが、その腕の力の度合いが強くなった気がします。お陰で寝苦しいと言いますか…寝返りが打てないのでちょっと辛いです…
ブロム様が脱獄した経緯については、先王様の重鎮の一人が関与していた事がわかりました。その方は脱獄を助けた可能性がある者の一人として名が上がっていた方で、ブロム様が脱獄した直後から行方が分からなくなっていました。
でも、ブロム様が亡くなった翌朝、隠し通路を捜査していた騎士達に遺体となって発見されました。側には、自身が脱獄するように進めた事、他国に逃げるように説得したが聞き入れて貰えなかった事、子どもの頃から見守っていたブロム様が亡くなり、これ以上生きている意味がないから後を追う事などが綴られた遺書が見つかったそうです。
「彼は私達の教育係だったんだ」
「教育係?」
「ああ、元はブロムの教育係だったんだが、先王様が一人よりも二人で学んだ方が、張り合いがあっていいだろうと勧めて下さったんだ」
「そうだったんですか」
「あの方は先王様の幼馴染で親友でもあられたから…先王様が亡くなった後もずっと、ブロムを見守っていたんだ」
脱獄したブロム様はその方と一緒に、地下通路に隠れていたようです。ブロム様は隠れながらずっと、私を連れ去るチャンスを狙っていたのでしょうか…今となってはもう、話を聞く事も出来ないため、想像するしか出来ません。
「ブロム様は…私の事も気にして下さっていたんですね…」
「そう、だな」
「私がヴァルをどう思っているのか、覚悟はあるかと尋ねられました。きっと、お母様のように本意ではなかったら、逃がそうと思って下さったのでしょうね」
「そうだろうな。母君の事ではあいつもずっと心を痛めていた。いや、一番心を痛めていたのはあいつだっただろう…ああ見えて優しい奴だったんだ。そう見えないように悪態ばかりついていたが…」
ブロム様とまともにお話したのはあの時だけなので、為人まではわかりませんでしたが…ヴァルがそう言うのであれば、きっとそうなのでしょうね。だとすれば、ご自身の周りに反国王派を集めるため、わざとあのような態度をとっていたのかもしれません。こんな形ではなく、もっと別のやり方であったら…と思わずにはいられません。
いえ、母君の事がなければ、こんな結末にはならなかったのかもしれません。お二人にとっても、先王様とその番の悲劇は大きな傷となっていたのでしょう。番は呪いだとも言われますが、その呪いは当事者だけでなく子供達にも及び、多感な子供だったからこそ一層深い傷となったのかもしれません。
私が番だと知ったヴァルが離れようとした理由が、ようやく私にも実感として理解できたように思います。
「…ヴァル」
「どうした?」
「…私達は…幸せでいましょうね」
ブロム様がしてくれたことは、もしかしたら意味のない事だったかもしれません。もしヴァルとブロム様が話し合っていれば、私達の関係が伝わっていたら、こんな事にはならなかったのかもしれません。ああしたら…こうだったら…なんて、後で考えても仕方のない事ですが…
それでも、彼が望んだのはヴァルの幸せです。だったら、ブロム様の気持ちに報いるためにも、私達は幸せでいるための努力を惜しんではいけませんね。
「そうだな…あいつの分も、幸せにならないとな…」
「ええ」
ヴァルが優しく抱きしめてきたので、私は彼の背に手をまわして抱きしめ返しました。ヴァルの傷はそう簡単には癒えないでしょう。私で癒せる類のものではないように思います。それでも、私達は前に向かって歩くしかないのですよね。
それからさらに一月が過ぎる頃には、私達も日常を取り戻しました。ヴァルが考え込む事も減り、きっとヴァルなりに心の区切りがついたのでしょう、最近では笑顔も増えました。
「え?ブロム様の研究施設を?」
「ああ。あいつは番への執着を失くす薬の研究をしていたんだ。領地に大掛かりな施設を作って」
「そんな事なさっていたんですか」
「ああ。だが、あいつがいなくなってからは閉鎖状態らしい。それで、トールと相談して国がその研究を後押ししようという話になったんだ」
「じゃ…」
「ああ、ブロムの遺志を継いでやりたいんだ。国としても番が亡くなって自死されるのは大きな損失だ。番絡みの事件もなくなった訳じゃない」
「そうですね。先王様のような悲劇を無くすためにも、いいと思いますわ。確かトール国も…」
「ああ、ブロムはトール国から研究者を引き抜いていた。せっかくこの国に来てくれたのなら、ここで研究を続けて欲しい。彼らがいれば、トール国と協力も出来るだろう」
「それはいい考えだと思いますわ」
意外な事でしたが、ブロム様は本格的な研究施設を作っていたようです。頻繁に国外に出ていたのも、この施設のためだったのでしょうか。もし薬が出来れば、きっとこれから起きるかもしれない悲劇を防ぐ事も出来るでしょう。それに、番にあまり拘らない種族にとっても、そんな薬があれば上位種に伴侶を奪われる不安も大きく減らす事が出来ます。今でも番だと言って上位種に伴侶を奪われる事は起きているのですから。
「それに、番至上主義と言いながらも、上位種の中には番以外と心を通わせる者は多い。番は必ず見つかるものでもないからな」
「そうですね。でもそれだと、相手の方は常に番への不安を抱えて生きる事になりますし…それは決して幸せではないと思います」
「そうだろうな」
「ええ、私だったら…耐えられないのでお断りすると思います」
ヴァルの執着心を身をもって知った今は、余計にそう思います。あれは嫉妬とか独占欲なんて可愛らしいものじゃありませんもの。少なくとも人族ではあり得ませんわね。そういう意味では、執着心を減らすのはお互いにいい事だと思います。片方が我慢して…なんて関係は決して幸せには結びつき難いでしょうから。
「薬が出来たら…私も…飲んだ方がいいだろうか」
「へ?」
思いがけない問いかけに、思わず変な声が出てしまいました。それって、ヴァルも自分の独占欲について自覚がある、という事でしょうか…あれで?
「それは…」
「あまりしつこいとエリィに嫌われてしまうだろう?人族はあまり執着心がないと言うし」
「えっと、それは、まぁ…」
「エリィに嫌われるなど考えたくもない。だったら…薬が出来上がったら私も飲もう。何なら実験台になってもいいだろう」
まさかヴァルがそんな風に考えているとは思わず、私は意外過ぎてまじまじとヴァルを見つめてしまいました。その表情から、本気でそう思っているのでしょうが…
「さすがに、そこまでは?」
う…否定しようとしましたが、無意識に疑問形になってしまいました。これじゃ、そうだと言っているようなものですわね…
「やはり、そうだったのか…」
「え?いえ、そういうわけでは」
勝手に納得されてしまいましたが…いえ、その通りではあるのですが、だからと言ってヴァルの気持ちを否定したいわけじゃないのです。そりゃあ、体力的にもうちょっと手加減して欲しいとは思いますが…
「あのですね…嫌というわけじゃないんです」
「そうなのか?」
途端にヴァルの顔が輝いたように見えましたが…これは…何だか危険な気がするのは気のせいでしょうか…でも、そんな表情をされたら無下になんて出来そうもありません。
「…そうですね。いつか、もう少し控えて欲しい…と思ってからで、いいと思います」
「そうか」
嬉しそうにそう答えるヴァルに、控えて欲しいとは言えませんでした。竜人の執着心は愛情の一面でもありますし…私も容認できるところまでは頑張って応えてみてからでいいのかもしれません。こんな風に無条件に何を置いても…と愛されるのはとても幸せな事でしょう。ずっと変わらない愛情をずっと求めていたのは間違いないのですから。
75
お気に入りに追加
9,176
あなたにおすすめの小説
くたばれ番
あいうえお
恋愛
17歳の少女「あかり」は突然異世界に召喚された上に、竜帝陛下の番認定されてしまう。
「元の世界に返して……!」あかりの悲痛な叫びは周りには届かない。
これはあかりが元の世界に帰ろうと精一杯頑張るお話。
────────────────────────
主人公は精神的に少し幼いところがございますが成長を楽しんでいただきたいです
不定期更新
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
『えっ! 私が貴方の番?! そんなの無理ですっ! 私、動物アレルギーなんですっ!』
伊織愁
恋愛
人族であるリジィーは、幼い頃、狼獣人の国であるシェラン国へ両親に連れられて来た。 家が没落したため、リジィーを育てられなくなった両親は、泣いてすがるリジィーを修道院へ預ける事にしたのだ。
実は動物アレルギーのあるリジィ―には、シェラン国で暮らす事が日に日に辛くなって来ていた。 子供だった頃とは違い、成人すれば自由に国を出ていける。 15になり成人を迎える年、リジィーはシェラン国から出ていく事を決心する。 しかし、シェラン国から出ていく矢先に事件に巻き込まれ、シェラン国の近衛騎士に助けられる。
二人が出会った瞬間、頭上から光の粒が降り注ぎ、番の刻印が刻まれた。 狼獣人の近衛騎士に『私の番っ』と熱い眼差しを受け、リジィ―は内心で叫んだ。 『私、動物アレルギーなんですけどっ! そんなのありーっ?!』
龍王の番
ちゃこ
恋愛
遥か昔から人と龍は共生してきた。
龍種は神として人々の信仰を集め、龍は人間に対し加護を与え栄えてきた。
人間達の国はいくつかあれど、その全ての頂点にいるのは龍王が纏める龍王国。
そして龍とは神ではあるが、一つの種でもある為、龍特有の習性があった。
ーーーそれは番。
龍自身にも抗えぬ番を求める渇望に翻弄され身を滅ぼす龍種もいた程。それは大切な珠玉の玉。
龍に見染められれば一生を安泰に生活出来る為、人間にとっては最高の誉れであった。
しかし、龍にとってそれほど特別な存在である番もすぐに見つかるわけではなく、長寿である龍が時には狂ってしまうほど出会える確率は低かった。
同じ時、同じ時代に生まれ落ちる事がどれほど難しいか。如何に最強の種族である龍でも天に任せるしかなかったのである。
それでも番を求める龍種の嘆きは強く、出逢えたらその番を一時も離さず寵愛する為、人間達は我が娘をと龍に差し出すのだ。大陸全土から若い娘に願いを託し、番いであれと。
そして、中でも力の強い龍種に見染められれば一族の誉れであったので、人間の権力者たちは挙って差し出すのだ。
龍王もまた番は未だ見つかっていないーーーー。
召喚されたのに、スルーされた私
ブラックベリィ
恋愛
6人の皇子様の花嫁候補として、召喚されたようなんですけど………。
地味で影が薄い私はスルーされてしまいました。
ちなみに、召喚されたのは3人。
2人は美少女な女子高生。1人は、はい、地味な私です。
ちなみに、2人は1つ上で、私はこの春に女子高生になる予定………。
春休みは、残念異世界への入り口でした。
殿下、側妃とお幸せに! 正妃をやめたら溺愛されました
まるねこ
恋愛
旧題:お飾り妃になってしまいました
第15回アルファポリス恋愛大賞で奨励賞を頂きました⭐︎読者の皆様お読み頂きありがとうございます!
結婚式1月前に突然告白される。相手は男爵令嬢ですか、婚約破棄ですね。分かりました。えっ?違うの?嫌です。お飾り妃なんてなりたくありません。
番は君なんだと言われ王宮で溺愛されています
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私ミーシャ・ラクリマ男爵令嬢は、家の借金の為コッソリと王宮でメイドとして働いています。基本は王宮内のお掃除ですが、人手が必要な時には色々な所へ行きお手伝いします。そんな中私を番だと言う人が現れた。えっ、あなたって!?
貧乏令嬢が番と幸せになるまでのすれ違いを書いていきます。
愛の花第2弾です。前の話を読んでいなくても、単体のお話として読んで頂けます。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。