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番った後
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「エリィ?」
ぼんやりとぬるま湯のような浅い眠りの波を漂っていた私は、名を呼ばれてゆっくりと目を開きました。まだ焦点が合い切らない視界に映ったのは、私の大好きな人の金色の瞳でした。
「…ん…ヴァ…ル…?」
まだぼんやりした頭で名を呼べば、大きな手が私の頭を優しく撫でてきました。私はその手がくれる気持ちよさにうっとりとして、再び目が閉じてしまうのを感じました。暖かくて優しくて、ふわふわと綿に包まれているようです。
初夜から一月ほどが経ちました。私はあの夜からずっと寝室のベッドの上の住人と化し、一日の大半を眠って過ごしています。どうやら私の身体は変化に馴染みにくい体質らしく、慢性的な怠さと眠気に襲われて動けなくなってしまったのです。
でも、これでも随分とマシになった方です。実は初夜から三日目の夜、私は高熱を出して暫く寝込んでしまったのです。正直、その時の記憶が殆どなくて、気が付いたら五日も経っていた…という状態でした。
「エリィ!よかった…目が覚めたか…」
泥で固められたような重い眠りから目覚めた私が最初に目にしたのは、焦燥し切ったジーク様―いえ、今はヴァルと呼んでいます―でした。いつもよりも顔色が悪く、目の下にはクマまで出来ているようにも見えました。
「…ジー、ク…様?」
「ああ、よかった。二度と目覚めないかと…」
そう言って私の手を包み込むように握るヴァルの様子に、一体何が…と戸惑った私でしたが、こうなった原因は目の前にいるヴァルでした。ヴァルは執務をやりくりして三日間の休暇を宰相様からもぎ取り、その間私はずっとヴァルに構い倒されたのですが…体力の差なのか、身体の変化の影響なのか、倒れてしまったのです。
直ぐにお医者様を呼んだヴァルに、お医者様は私の絶対安静を命じたのだとか…それから五日間余り熱が下がらず、私が目を覚ましたのは初夜から九日目の朝でした。
熱が出たのは身体の変化というよりも、ヴァルとの行為が原因だったそうです。お医者様の話では、淫行が過ぎて身体への過剰な負荷と睡眠不足、元より太くない食を疎かにしたための栄養不足が主で、そこに身体の変化が加わったことで熱が出たのでしょう、との事でした。
ヴァルはお医者様から、程度をお考え下さい!とかなりきつく叱られたそうです。竜人と人族では体力差があり過ぎる上、種族が離れるほど変化が強くなり、身体に負担がかかるのだそうです。当分閨事は控える事、それが守れないなら体調が戻るまでは接近禁止です、とまで言われたそうです。ヴァルは離れるなんて絶対に出来ないと、侍女を最低でも二人は伴う事を条件に受け容れたそうです。
ヴァルはすまない、あまりにも嬉し過ぎて我慢がきかなかったと謝ってきましたが、侍女さん達がいる前でそう言われた私は、それはそれで恥ずかしく、別の意味で居たたまれませんでした。まだ体が怠くて、考える気力が湧かったのは幸いだったでしょうか…
その後のヴァルは、執務の合間に私の様子を見に来て、身体の調子はどうだ?気分はどうだ?と別の意味で構い倒してきます。今は昼食の時間になったので、私に食事をとらせるために戻ってきたようです。
「さぁ、少しでも食べないと」
そう言いながらベッドのすぐ側にあるサイドテーブルに食事が乗ったトレイを置くと、ヴァルはベッドに上がってきて、私を抱き寄せました。その温かく力強い腕に身を任せていると、後ろから抱き込まれるように座らされました。これは今や、ベッドの上で食事をする時の定番スタイルです。ヴァルはトレイをご自身のすぐ横に寄せると、私の口元まで食事を運んできました。
そう言えば…ここに来てからは自分で食事をした記憶がありません。番ってから後、ヴァルが何かと私を構いたがったのですが、特に食事は竜人にとっては特別らしく、私は雛鳥のように料理を口元まで運ばれていました。最初は恥ずかしくて自分で食べると言っていた私でしたが…日を重ねるごとに身体の怠さと眠気にそんな気力も湧かず、気が付けばされるがままになっていました。
そんなこんなで、気が付けば色々と流されてこんな状態です。何と言いますか、物凄く堕落した気分で、以前の私はどこへ…な状態なのですが、如何せん身体が怠くて眠くて動けないのでどうしようもありません。
この粘りつくような怠さはこれまで経験した事がないものですが、お医者様曰く、身体を根幹から変えるので仕方ないそうです。無理をすると変化に必要な体力も奪われて余計に大変だから、今は出来るだけ眠っているようにと言われています。
それでも、身体を変えるには番う必要があるからと、ある程度回復してからは毎晩ヴァルに構い倒されています…そうしないと身体の変化が進まず今の状態が続く上、間が空き過ぎると最初からやり直しになるそうです。一応、加減はしてくれていますが…なしという選択肢はないそうです。
こうなると、竜人というよりも鬼人ではないでしょうか…私には興味がなさそうに見えたのに…あまりの態度の変化に、中身が別人に入れ替わったんじゃないかと思う事があります。
ちなみに、エリィとは私の事で、ヴァルはジーク様の事です。本当の番になった後、ジーク様がこれからは二人だけの呼び方にしたいと言われ、「エリィ」と「ヴァル」と呼び合うようになったのです。
私は様なしで呼ぶなんてとんでもない…と抵抗したのですが…ジーク様は頑として引かず、もし呼ばなかったらお仕置きしようと一方的に宣言したため、私にはなす術がありませんでした。いえ、決してお仕置きされたからというわけではないのです…
「エリサ様、湯浴みしましょうね」
ヴァルが私の食事の世話を終えて執務に戻り、その後一眠りした私にラウラが声をかけてくれました。今の私は要介護と言いますか…体の不調からラウラをはじめとした侍女さんの助けがないと、湯浴みもままならなくなっています。
何と言いますか…こんな事でこの先大丈夫なのかと不安しかないのですが、お医者様に言わせると最初の十日間で死ななかったので大丈夫なのだそうです。こんな状態でも、いずれは竜人並みに丈夫な体になるそうですが…今の状態ではとてもそうとは思えません。
でも、馴染みにくい体質らしいので、身体が変わるには通常よりも時間がかかるらしいです。身体が怠いから閨事は控えめに…と思っていたのですが、それだと余計に時間がかかるのだとか…それを聞いた私が暫くの間、頭を抱えたのは言うまでもありません。
ラウラに見守られて湯浴みを終えて部屋に戻ると、ベッドはシーツの交換も終わって綺麗に整えられていました。そのままベッドに倒れ込みたい気分ですが、髪を乾かすまでは許して貰えません。渋々ながらもソファに腰かけて髪を乾かして貰いましたが、終わる頃にはもうぐったりです。
「…ありがとう、ラウラ」
「気にしないで下さい、湯浴みを陛下に任せると負担が増えるんだから仕方ないですよ」
「…確かに」
そうです、ヴァルに湯浴みの付き添いをして貰うと、何かと時間がかかるので大変なのです。どうして時間がかかるのか…については今は割愛させていただきます。
「そう言えば、ラウラの結婚式の準備はどうなっているの?」
「そうですね、まだこれからですけど、昨日ドレスのデザインは決めてきました!」
「そうなのね、どんな感じにしたの?」
「うふふ、それは内緒です。でも、すっごく気に入ったものになったんですよ」
「そうなのね、それは凄く楽しみだわ」
幸せそうな満面の笑みを見せるラウラが可愛くて癒されます。私が高熱から回復した後、ラウラはレイフ様のご両親に挨拶に行って大変歓迎され、式は半年後と決まったそうです。ドレスは人気のデザイナーさんに頼むので時間がかかるそうですが、式の会場やレイフ様の仕事の調整もあるので、半年後は妥当な線でしょう。
その頃には私の身体も動けるようになっているでしょうか。ラウラの式には絶対に出たいので、それまでには何とかしたいです。
「さ、終わりましたよ。少しお休みになって下さい」
「ありがとう。そうね…少し休むわ」
ラウラとのお喋りも楽しいのですが…今はそれを続けるだけの気力が湧きません。本当ならラウラの結婚式に向けて色々と話をしたかったのに…
でも、こうなっては仕方ありませんわね。無理をすると余計に時間がかかるらしいので、今は寝る一択です。ベッドに潜り込んだ私は、あっという間に白い眠りの闇へと落ちていくのを感じました。
ぼんやりとぬるま湯のような浅い眠りの波を漂っていた私は、名を呼ばれてゆっくりと目を開きました。まだ焦点が合い切らない視界に映ったのは、私の大好きな人の金色の瞳でした。
「…ん…ヴァ…ル…?」
まだぼんやりした頭で名を呼べば、大きな手が私の頭を優しく撫でてきました。私はその手がくれる気持ちよさにうっとりとして、再び目が閉じてしまうのを感じました。暖かくて優しくて、ふわふわと綿に包まれているようです。
初夜から一月ほどが経ちました。私はあの夜からずっと寝室のベッドの上の住人と化し、一日の大半を眠って過ごしています。どうやら私の身体は変化に馴染みにくい体質らしく、慢性的な怠さと眠気に襲われて動けなくなってしまったのです。
でも、これでも随分とマシになった方です。実は初夜から三日目の夜、私は高熱を出して暫く寝込んでしまったのです。正直、その時の記憶が殆どなくて、気が付いたら五日も経っていた…という状態でした。
「エリィ!よかった…目が覚めたか…」
泥で固められたような重い眠りから目覚めた私が最初に目にしたのは、焦燥し切ったジーク様―いえ、今はヴァルと呼んでいます―でした。いつもよりも顔色が悪く、目の下にはクマまで出来ているようにも見えました。
「…ジー、ク…様?」
「ああ、よかった。二度と目覚めないかと…」
そう言って私の手を包み込むように握るヴァルの様子に、一体何が…と戸惑った私でしたが、こうなった原因は目の前にいるヴァルでした。ヴァルは執務をやりくりして三日間の休暇を宰相様からもぎ取り、その間私はずっとヴァルに構い倒されたのですが…体力の差なのか、身体の変化の影響なのか、倒れてしまったのです。
直ぐにお医者様を呼んだヴァルに、お医者様は私の絶対安静を命じたのだとか…それから五日間余り熱が下がらず、私が目を覚ましたのは初夜から九日目の朝でした。
熱が出たのは身体の変化というよりも、ヴァルとの行為が原因だったそうです。お医者様の話では、淫行が過ぎて身体への過剰な負荷と睡眠不足、元より太くない食を疎かにしたための栄養不足が主で、そこに身体の変化が加わったことで熱が出たのでしょう、との事でした。
ヴァルはお医者様から、程度をお考え下さい!とかなりきつく叱られたそうです。竜人と人族では体力差があり過ぎる上、種族が離れるほど変化が強くなり、身体に負担がかかるのだそうです。当分閨事は控える事、それが守れないなら体調が戻るまでは接近禁止です、とまで言われたそうです。ヴァルは離れるなんて絶対に出来ないと、侍女を最低でも二人は伴う事を条件に受け容れたそうです。
ヴァルはすまない、あまりにも嬉し過ぎて我慢がきかなかったと謝ってきましたが、侍女さん達がいる前でそう言われた私は、それはそれで恥ずかしく、別の意味で居たたまれませんでした。まだ体が怠くて、考える気力が湧かったのは幸いだったでしょうか…
その後のヴァルは、執務の合間に私の様子を見に来て、身体の調子はどうだ?気分はどうだ?と別の意味で構い倒してきます。今は昼食の時間になったので、私に食事をとらせるために戻ってきたようです。
「さぁ、少しでも食べないと」
そう言いながらベッドのすぐ側にあるサイドテーブルに食事が乗ったトレイを置くと、ヴァルはベッドに上がってきて、私を抱き寄せました。その温かく力強い腕に身を任せていると、後ろから抱き込まれるように座らされました。これは今や、ベッドの上で食事をする時の定番スタイルです。ヴァルはトレイをご自身のすぐ横に寄せると、私の口元まで食事を運んできました。
そう言えば…ここに来てからは自分で食事をした記憶がありません。番ってから後、ヴァルが何かと私を構いたがったのですが、特に食事は竜人にとっては特別らしく、私は雛鳥のように料理を口元まで運ばれていました。最初は恥ずかしくて自分で食べると言っていた私でしたが…日を重ねるごとに身体の怠さと眠気にそんな気力も湧かず、気が付けばされるがままになっていました。
そんなこんなで、気が付けば色々と流されてこんな状態です。何と言いますか、物凄く堕落した気分で、以前の私はどこへ…な状態なのですが、如何せん身体が怠くて眠くて動けないのでどうしようもありません。
この粘りつくような怠さはこれまで経験した事がないものですが、お医者様曰く、身体を根幹から変えるので仕方ないそうです。無理をすると変化に必要な体力も奪われて余計に大変だから、今は出来るだけ眠っているようにと言われています。
それでも、身体を変えるには番う必要があるからと、ある程度回復してからは毎晩ヴァルに構い倒されています…そうしないと身体の変化が進まず今の状態が続く上、間が空き過ぎると最初からやり直しになるそうです。一応、加減はしてくれていますが…なしという選択肢はないそうです。
こうなると、竜人というよりも鬼人ではないでしょうか…私には興味がなさそうに見えたのに…あまりの態度の変化に、中身が別人に入れ替わったんじゃないかと思う事があります。
ちなみに、エリィとは私の事で、ヴァルはジーク様の事です。本当の番になった後、ジーク様がこれからは二人だけの呼び方にしたいと言われ、「エリィ」と「ヴァル」と呼び合うようになったのです。
私は様なしで呼ぶなんてとんでもない…と抵抗したのですが…ジーク様は頑として引かず、もし呼ばなかったらお仕置きしようと一方的に宣言したため、私にはなす術がありませんでした。いえ、決してお仕置きされたからというわけではないのです…
「エリサ様、湯浴みしましょうね」
ヴァルが私の食事の世話を終えて執務に戻り、その後一眠りした私にラウラが声をかけてくれました。今の私は要介護と言いますか…体の不調からラウラをはじめとした侍女さんの助けがないと、湯浴みもままならなくなっています。
何と言いますか…こんな事でこの先大丈夫なのかと不安しかないのですが、お医者様に言わせると最初の十日間で死ななかったので大丈夫なのだそうです。こんな状態でも、いずれは竜人並みに丈夫な体になるそうですが…今の状態ではとてもそうとは思えません。
でも、馴染みにくい体質らしいので、身体が変わるには通常よりも時間がかかるらしいです。身体が怠いから閨事は控えめに…と思っていたのですが、それだと余計に時間がかかるのだとか…それを聞いた私が暫くの間、頭を抱えたのは言うまでもありません。
ラウラに見守られて湯浴みを終えて部屋に戻ると、ベッドはシーツの交換も終わって綺麗に整えられていました。そのままベッドに倒れ込みたい気分ですが、髪を乾かすまでは許して貰えません。渋々ながらもソファに腰かけて髪を乾かして貰いましたが、終わる頃にはもうぐったりです。
「…ありがとう、ラウラ」
「気にしないで下さい、湯浴みを陛下に任せると負担が増えるんだから仕方ないですよ」
「…確かに」
そうです、ヴァルに湯浴みの付き添いをして貰うと、何かと時間がかかるので大変なのです。どうして時間がかかるのか…については今は割愛させていただきます。
「そう言えば、ラウラの結婚式の準備はどうなっているの?」
「そうですね、まだこれからですけど、昨日ドレスのデザインは決めてきました!」
「そうなのね、どんな感じにしたの?」
「うふふ、それは内緒です。でも、すっごく気に入ったものになったんですよ」
「そうなのね、それは凄く楽しみだわ」
幸せそうな満面の笑みを見せるラウラが可愛くて癒されます。私が高熱から回復した後、ラウラはレイフ様のご両親に挨拶に行って大変歓迎され、式は半年後と決まったそうです。ドレスは人気のデザイナーさんに頼むので時間がかかるそうですが、式の会場やレイフ様の仕事の調整もあるので、半年後は妥当な線でしょう。
その頃には私の身体も動けるようになっているでしょうか。ラウラの式には絶対に出たいので、それまでには何とかしたいです。
「さ、終わりましたよ。少しお休みになって下さい」
「ありがとう。そうね…少し休むわ」
ラウラとのお喋りも楽しいのですが…今はそれを続けるだけの気力が湧きません。本当ならラウラの結婚式に向けて色々と話をしたかったのに…
でも、こうなっては仕方ありませんわね。無理をすると余計に時間がかかるらしいので、今は寝る一択です。ベッドに潜り込んだ私は、あっという間に白い眠りの闇へと落ちていくのを感じました。
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