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お兄様達が我が家に…
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あの舞踏会から十日が過ぎました。まだエストレ国からの返事がないので、アドリエンヌ様達の処分は未定のままです。彼らが謹慎処分中で外に出てこないのもあって、世間は平和と言いますかいつも通り新年のお祝いムードでした。
そんな中、お兄様がセレスティーヌ様達と我が家に滞在したいとの連絡があって、ここ数日間、我が家はその準備でてんてこ舞いでした。
春まで我が国に滞在する予定のセレスティーヌ様は、最初は王宮でとの話だったのですが、王妃様達の一件が表に出てからというもの、王宮は大丈夫なのかと言う声が上がったのですよね。
それはお兄様も同じお考えで、いつまた同じような事が起きないとも限らないと言い出し、だったら我が家で過ごしてはどうかと言う話になったのです。幸い我が家は広いし、他国の王族や要人が滞在した事もあり、そのための棟もあります。
四年ぶりに帰国したお兄様ですが、春にはリスナールに旅立ってしまいますし、そうなれば里帰りもままならないでしょう。だったらせめてそれまでは我が家で…とお母様も言い出して、お母様第一のお父様がさっさと話をまとめてしまったのです。
そして…
「あぁ、やっぱり我が家が一番だわ!」
そう言って別棟のサロンでソフィアの姿で寛ぐのはお兄様です。その隣にはテオドール様が控え、その向かい側にはセレスティーヌ様が恋人のリオネル様と並んで座っていらっしゃいます。皆様、お兄様に負けないくらいにリラックスした様子ですが…お兄様、その姿で大丈夫なのでしょうか…
「ああ、大丈夫大丈夫。リスナールでもこうして過ごしていたんだから」
「ええっ?」
「そうですわね、ソフィアとしての戸籍を作りましたから、国では女友達としてよく遊びに来ていましたのよ」
「そうそう、セレス様の親友のディアーヌ様も交えて女子会なんかもしたしね」
なんて事でしょう!お兄様ったらリスナールの王宮でもその姿だったのですか!それでよくあちらの国の侍女や護衛が黙っていましたわね…
「ふふ、ソフィアを男性ではと疑う方なんていませんでしたのよ。それよりも美人で気さく、マナーも完璧で博識なソフィアは、侍女だけでなく護衛騎士にも人気でしたわ」
セレスティーヌ様がにっこり微笑みながらそう仰いますが…いいのでしょうか…いえ、次期女王陛下がそれでいいのなら、いいのでしょうが…
「リスナールに戻ったら、こんな風に恋人らしく過ごすのは無理だもの。ここにいる間だけでも本当の相手との愛を育みたいの」
「そうね、今だけですものね」
どうやら我が家が選ばれた理由は、お兄様やセレスティーヌ様が恋人との時間を過ごすためのようです。確かにここにいるのはセレスティーヌ様が信頼し事情を知っている側近と護衛ですし、我が家の侍女や護衛だってこんな事を他言するような者はおりません。
一応王家が我が家の護衛をして下さると約束して下さいましたが、それは家の外なのですよね。お父様が屋敷内への立ち入りは頑として認めず、王妃様の件があったのもあり陛下もそれを受け入れるしかなかったのです。だけど…
(お兄様もセレスティーヌ様も…イチャイチャし過ぎじゃない?)
そうです、女装したお兄様はテオドール様とべったりくっ付いてお茶をしていますし、セレスティーヌ様はリオネル様と今後の我が国との関係について意見を交わしていますが、いらっしゃるのはリオネル様の膝の上…なのですよね。
部屋に入ったら、そこに広がるのはピンク色が可視化できそうな世界なのです。リシャール様と手を繋ぐのが精一杯の私は目のやり場に困ってしまいます…
「まぁ、レティシア様は初々しい方なのですね」
「職場に押しかけたと聞いたから、もっと積極的なのかと思ってたのに…」
「な…なぜそれを…」
「ふふっ、お姉様には何でもお見通しなのよ♪」
そう言ってウインクするお兄様でしたが…どこからどう見ても今の姿では男性には見えないお兄様でした。
そんな中、お兄様がセレスティーヌ様達と我が家に滞在したいとの連絡があって、ここ数日間、我が家はその準備でてんてこ舞いでした。
春まで我が国に滞在する予定のセレスティーヌ様は、最初は王宮でとの話だったのですが、王妃様達の一件が表に出てからというもの、王宮は大丈夫なのかと言う声が上がったのですよね。
それはお兄様も同じお考えで、いつまた同じような事が起きないとも限らないと言い出し、だったら我が家で過ごしてはどうかと言う話になったのです。幸い我が家は広いし、他国の王族や要人が滞在した事もあり、そのための棟もあります。
四年ぶりに帰国したお兄様ですが、春にはリスナールに旅立ってしまいますし、そうなれば里帰りもままならないでしょう。だったらせめてそれまでは我が家で…とお母様も言い出して、お母様第一のお父様がさっさと話をまとめてしまったのです。
そして…
「あぁ、やっぱり我が家が一番だわ!」
そう言って別棟のサロンでソフィアの姿で寛ぐのはお兄様です。その隣にはテオドール様が控え、その向かい側にはセレスティーヌ様が恋人のリオネル様と並んで座っていらっしゃいます。皆様、お兄様に負けないくらいにリラックスした様子ですが…お兄様、その姿で大丈夫なのでしょうか…
「ああ、大丈夫大丈夫。リスナールでもこうして過ごしていたんだから」
「ええっ?」
「そうですわね、ソフィアとしての戸籍を作りましたから、国では女友達としてよく遊びに来ていましたのよ」
「そうそう、セレス様の親友のディアーヌ様も交えて女子会なんかもしたしね」
なんて事でしょう!お兄様ったらリスナールの王宮でもその姿だったのですか!それでよくあちらの国の侍女や護衛が黙っていましたわね…
「ふふ、ソフィアを男性ではと疑う方なんていませんでしたのよ。それよりも美人で気さく、マナーも完璧で博識なソフィアは、侍女だけでなく護衛騎士にも人気でしたわ」
セレスティーヌ様がにっこり微笑みながらそう仰いますが…いいのでしょうか…いえ、次期女王陛下がそれでいいのなら、いいのでしょうが…
「リスナールに戻ったら、こんな風に恋人らしく過ごすのは無理だもの。ここにいる間だけでも本当の相手との愛を育みたいの」
「そうね、今だけですものね」
どうやら我が家が選ばれた理由は、お兄様やセレスティーヌ様が恋人との時間を過ごすためのようです。確かにここにいるのはセレスティーヌ様が信頼し事情を知っている側近と護衛ですし、我が家の侍女や護衛だってこんな事を他言するような者はおりません。
一応王家が我が家の護衛をして下さると約束して下さいましたが、それは家の外なのですよね。お父様が屋敷内への立ち入りは頑として認めず、王妃様の件があったのもあり陛下もそれを受け入れるしかなかったのです。だけど…
(お兄様もセレスティーヌ様も…イチャイチャし過ぎじゃない?)
そうです、女装したお兄様はテオドール様とべったりくっ付いてお茶をしていますし、セレスティーヌ様はリオネル様と今後の我が国との関係について意見を交わしていますが、いらっしゃるのはリオネル様の膝の上…なのですよね。
部屋に入ったら、そこに広がるのはピンク色が可視化できそうな世界なのです。リシャール様と手を繋ぐのが精一杯の私は目のやり場に困ってしまいます…
「まぁ、レティシア様は初々しい方なのですね」
「職場に押しかけたと聞いたから、もっと積極的なのかと思ってたのに…」
「な…なぜそれを…」
「ふふっ、お姉様には何でもお見通しなのよ♪」
そう言ってウインクするお兄様でしたが…どこからどう見ても今の姿では男性には見えないお兄様でした。
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