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善は急げ、ですわ!
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「お嬢様、どうされたのです?こんなに早くに?」
馬車乗り場まで辿り着くと、私の侍女のコレットが綺麗な新緑色の瞳を目いっぱい見開いて迎えてくれました。彼女は私の乳母の娘で、私達は一緒に育ったも同然、私には姉でも妹でも親友でもあります。
「エルネスト様に婚約破棄されたのよ」
「は…?」
さすがのコレットも、直ぐには理解できなかったようですが…気持ちはわかりますわ。あのような場で婚約破棄を告げるなど、真っ当な感性をお持ちなら出来る筈もありません。まぁ、他の王子殿下と違って色々足りないと言われてきましたが、それってこういうところなのですよね。
「お父様に直ぐに報告しなきゃ。そしてさっさと陛下に認めさせないと」
「お嬢様、本当に?」
「ええ、本当よ」
「そ…そうですか!よ、よかったですわ!」
感極まったコレットが、思いっきり抱きついてきました。彼女もこの婚約をずっと忌々しく思っていたので、破棄だろうとも殿下と縁が切れたのを喜んでくれましたのね。ふふ、正式に婚約が破棄されたらお祝いしなくちゃいけませんわね。
「そうよ、だから直ぐにお父様に報告するのよ」
「ええ、ええ。お嬢様、直ぐに帰りましょう!」
こうして私が家に戻ると、家令や侍女たちもコレット同様驚きながらも出迎えてくれました。パーティーが終わる時間はまだまだ先ですもの。こんなに早い時間に返ってきたら何事かと騒ぎになるのも仕方ないでしょう。
「お父様は?」
私は出迎えてくれた家令のセザールに声をかけました。彼はコレットの父で、この屋敷を取り仕切っているジュネ子爵家の当主でもあります。彼の家族は皆、私たち一家のために尽くしてくれる大切な家族のような存在なのです。
「はい、只今は書斎に」
「そう、直ぐにお伺いしても大丈夫かしら?」
「はい、今でしたら」
確認を取った私は、着替えを後にして、そのままお父様の書斎に向かいました。
「お父様、レティシアです。入ってもよろしいですか?」
「レティ?どうした?入りなさい」
どうやらこんな時間に私が家にいるのを不審に思ったのでしょう。戸惑うお父様の声に申し訳なく思いながらも、私は部屋に入りました。
「レティ、今はパーティーの最中では?」
「そうなのですが…実は私、殿下に婚約破棄されましたの」
「は、破棄だと?ど、どういう事だ?!」
案の定、お父様は一気に顔を赤くしてお怒りモードに入りました。怒り心頭のお父様、さすがは氷の宰相と言われるだけあって怖いですわね。そんなお父様に私は、会場であった事を洗いざらい話しました。
「あ、あんのクソガキ…よくもうちのレティに…!」
ギリギリと、忌々しさ全開のお父様、ちょっと怖いですわ…でも、お父様は私を溺愛しているので、これも当然の反応です。いえ、お父様が一番溺愛しているのはお母様で、私とお兄様はその次ですが、お父様が愛妻家で家族思いなのは周知の事実です。
「お父様、どうか直ぐにでも陛下に…」
「ああ、もちろんだ。今すぐ登城する!必ず婚約破棄を受け入れさせてやる!」
そういってお父様はセザールに馬車の準備を頼むと、直ぐに登城してしまいました。陛下達のごり押しで結んだ婚約を、殿下が相談なしで破棄したのですから、当然ですわね。
馬車乗り場まで辿り着くと、私の侍女のコレットが綺麗な新緑色の瞳を目いっぱい見開いて迎えてくれました。彼女は私の乳母の娘で、私達は一緒に育ったも同然、私には姉でも妹でも親友でもあります。
「エルネスト様に婚約破棄されたのよ」
「は…?」
さすがのコレットも、直ぐには理解できなかったようですが…気持ちはわかりますわ。あのような場で婚約破棄を告げるなど、真っ当な感性をお持ちなら出来る筈もありません。まぁ、他の王子殿下と違って色々足りないと言われてきましたが、それってこういうところなのですよね。
「お父様に直ぐに報告しなきゃ。そしてさっさと陛下に認めさせないと」
「お嬢様、本当に?」
「ええ、本当よ」
「そ…そうですか!よ、よかったですわ!」
感極まったコレットが、思いっきり抱きついてきました。彼女もこの婚約をずっと忌々しく思っていたので、破棄だろうとも殿下と縁が切れたのを喜んでくれましたのね。ふふ、正式に婚約が破棄されたらお祝いしなくちゃいけませんわね。
「そうよ、だから直ぐにお父様に報告するのよ」
「ええ、ええ。お嬢様、直ぐに帰りましょう!」
こうして私が家に戻ると、家令や侍女たちもコレット同様驚きながらも出迎えてくれました。パーティーが終わる時間はまだまだ先ですもの。こんなに早い時間に返ってきたら何事かと騒ぎになるのも仕方ないでしょう。
「お父様は?」
私は出迎えてくれた家令のセザールに声をかけました。彼はコレットの父で、この屋敷を取り仕切っているジュネ子爵家の当主でもあります。彼の家族は皆、私たち一家のために尽くしてくれる大切な家族のような存在なのです。
「はい、只今は書斎に」
「そう、直ぐにお伺いしても大丈夫かしら?」
「はい、今でしたら」
確認を取った私は、着替えを後にして、そのままお父様の書斎に向かいました。
「お父様、レティシアです。入ってもよろしいですか?」
「レティ?どうした?入りなさい」
どうやらこんな時間に私が家にいるのを不審に思ったのでしょう。戸惑うお父様の声に申し訳なく思いながらも、私は部屋に入りました。
「レティ、今はパーティーの最中では?」
「そうなのですが…実は私、殿下に婚約破棄されましたの」
「は、破棄だと?ど、どういう事だ?!」
案の定、お父様は一気に顔を赤くしてお怒りモードに入りました。怒り心頭のお父様、さすがは氷の宰相と言われるだけあって怖いですわね。そんなお父様に私は、会場であった事を洗いざらい話しました。
「あ、あんのクソガキ…よくもうちのレティに…!」
ギリギリと、忌々しさ全開のお父様、ちょっと怖いですわ…でも、お父様は私を溺愛しているので、これも当然の反応です。いえ、お父様が一番溺愛しているのはお母様で、私とお兄様はその次ですが、お父様が愛妻家で家族思いなのは周知の事実です。
「お父様、どうか直ぐにでも陛下に…」
「ああ、もちろんだ。今すぐ登城する!必ず婚約破棄を受け入れさせてやる!」
そういってお父様はセザールに馬車の準備を頼むと、直ぐに登城してしまいました。陛下達のごり押しで結んだ婚約を、殿下が相談なしで破棄したのですから、当然ですわね。
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