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抱きしめたかっただけだった

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お酒が入ってるせいで力の加減がわからないのか肩を掴む手が痛い。

もう類くんにはお酒はほどほどにしてもらわないと…と思っていると、彼は優斗を睨みながらとんでもない事を言ってきた。


「俺と付き合いたいなら、こいつと2人きりになったりするな」


これまた暴君並みの発言。

あまりの俺様っぷりに私はカチンときて彼を見上げる。


「なっに勝手な事言ってるのよ!大体自分は好きって言葉1つさえ言ってくれないくせに!」

「…なに怒ってんだ?」

「怒るに決まってるでしょ!自分ばかり要求して、自己中にもほどがあるッ」


酔いがかなり回っていて正常な判断がつかないのか、舌ったらずな声でふわふわと類くんは喋る。

それでもイライラが止まらなくて類くんの置く手を払い除けようとしたら拒まれて、彼が屈んで。

優斗が見ているのに。

いつもならここまではさすがにしないはずなのに。


むにっと突然唇を重ねられて私は目を見開いた。


「ちょ……っ、な、なに考えて……!」

「こいつは俺んだ。勝手に触るな」


そう言って私を引っ張って2階の男子の部屋へと私を連れて行く。

皆が寝ているから一応廊下は静かに歩いて、部屋に入れられてからも小さな声で抗議する。


「ほんっと、どういうつもり?!優斗はお酒飲んでないんだよ?シラフなの!あんなの見せつけて恥ずかしいったらないんだから!」


とりあえず私は類くんがした行動でパニックになっていて詰め寄る。

でも彼はそんなのお構いなしに私を抱きしめてまた唇を奪った。

壁に追いやられて抵抗する手を固められ、こんな時でもキスが気持ちよくてこの快楽に弱い身体に嫌気がさしてくる。


「好きだ」


キスの合間に類くんはつぶやいた。

アルコールの匂いが口に広がって、温かい類くんの舌に犯されて私まで酔いが回ってきてしまいそうになる。


「…好きだ、明子」


とろんとした目で私を見つめ、舌を絡め取って深く深く繋がりあう。

そのまま彼は私をベットに押し倒して身体のラインをなぞり、耳に口付けて舌を這わせてぴちゃぴちゃと舐めた。


「好き…」


何度も何度も。

今まで全く言ってくれなかったくせに、タガが外れたように虚ろにつぶやく。

そう言われる度に子宮がきゅんと疼いて、私はぎゅっと彼にしがみついていた。


「つか、好きに決まってんだろ…、あんた以外こんなに欲しくなったことなんかないし、誰にも触らせたくねえ」

首筋に吸い付き類くんはまた跡を残す。

手のひらは腰を撫でた後すぐにワンピースの中に入ってきて、パンツの上から突起を探しくりくりと弄る。
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