【完結】【R18】明子はへこたれないッ

君じゃなきゃダメなんだ！

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それからの私は抜け殻のように過ごしていた。

学校に来てもトイレや移動教室以外は立たずになな達とも喋る気さえ起こらない。

今までだって類くんにはそれはそれは避けられていた。

だけど何だかんだ喋りかけるくらいは出来たけど、今はバイトで会っても私は空気ですかと思うくらい無視されるし。

おまけに以前雨の日に約束してて私が阻止したよくわかんないネーチャンと連絡をまた取ってたみたいで、この前のバイトの後に会う約束していたし！

だけど私が割り込む余地なんかないくらいキレてるからとてもじゃないけど文句も言えなかった。


「ねえ、ななあれどうしたの」

「先週の水曜日に優斗と一条さんの歓迎会があったんだけど、その次の日からこんな感じなんだよね」

「絶対なんかあったんじゃん」


キキとななが私の方を見ながら何か話しているけど、私があまりにもぐったりしているから放っておいてくれてるらしい。

どうしたらいいものか。

現状を打開する策が見当たらないまま時間ばかりが過ぎていく。


今日はバイトも入ってないし家で作戦でも練ろうか。

ああでもこれ以上余計なことしない方がいい？
そもそも何で怒ってるのかよくわかんない？！

はー…、とため息を吐きながら歩いていると、いつの間にか皆はそれぞれの方向に帰っていて私と優斗だけになっていた。


「うち、来る？」

「優斗…」

「今日母さん日勤だからそろそろ帰ってくると思うけど、話くらい聞くし」


君の名前を出したら勘違いされて何かよくわかんないけどキレられたんだよね……。

まあいいや、一人でいても落ち込むだけだし、と私は優斗の家にお邪魔しにいく。

いつものようにジュースを部屋に持ってきてくれて、私はジンジャエールを飲みながらベットの下に腰を下ろした。


「歓迎会抜け出したあと、何があったの」


優斗もベットの下に座って私の髪をぽんぽんと撫でる。

温かくて大きな手に安心して、私は思わず涙がぽろぽろと溢れてきてしまった。