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歓迎お断りッ?
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しおりを挟むと、いうわけで。
「今日からホールに入ることになりました、佐々木優斗くんでーす!」
「面接したその日からって、大丈夫かこの店…」
あれからすぐに私とななが店長に優斗の事を相談し、さくっと面接日を決めて、今日面接をしてそのままぬるりと採用が決まった。
優斗はホールをやるのは初めてみたいで、そこは私に任せて!と名乗り出る。
「優斗ってファミレスでも厨房の方だったんでしょ。分からないことがあったらこの明子先輩になんでも聞いてね!」
「へいへい」
めんどくさそうに優斗は相槌を打つ。
とりあえず物の置き場や基本的な動きを説明していると、休憩室から類くんが現れたから私は優斗の腕を引っ張り連れて行った。
「類くん!ホールの新入り!私の幼馴染の佐々木優斗。ほら、前私の友達と焼肉食べに来てた時いた」
「…どーも」
「どーも」
何だこいつらのこのローテンション。
ったく、同じホールに立つんだから、もう少しコミュニケーション取ってもらわないと困るんだからね。
とりあえず優斗には全て説明し終わって、お客さんも入り始めたから少し見守っていたけど、さすがにいろんなバイトをやっていただけあって飲み込みは早いみたい。
「なんか、私が教えることってなさそうな感じがするんだけど」
「まあまあ。即戦力になってくれる優斗は私たちにとってもありがたいじゃない?」
ふふっとななは優斗を眺めながら笑う。
よくよく見てると、優斗が少し迷っているところをななは見かけるとすぐにフォローに入っていてめちゃめちゃナチュラルに教えてあげていた。
さすがななだなぁ、と感心しながら見ていると店長にちょっと、と手招きされて呼ばれた。
「めいちゃん、佐々木くん紹介してくれてありがとね」
「いえいえ。私も身内がいるともっとバイト楽しくなるし!」
「それでさ、早速で悪いんだけど佐々木くんの歓迎会をやろうと思って」
「え、店長気が早くない?」
私が怪訝そうな顔をすると、店長はまあまあ、と肩に手を置いてぽんぽんとたたく。
「この前の子なんて入って1ヶ月も経たずに音信不通になっちゃったしさー!ほら、一条くんの歓迎会もしてないでしょ?やっぱこういうのは早々に結束力固めといた方が良いと思うんだよね」
「そういえば、類くんの歓迎会してなかったですね」
「まあ彼に関しては以前その話を持ち掛けたんだけど、『面倒なんでいいです』ってあっさり言われちゃってさ。この際だからほら、合同ってことで」
うん、類くんが店長にそう言ってる様子が簡単に浮かぶよ。
ま、合同だったらさすがに類くんもノってくれるかな。
「それで声かけを私に頼みたいと」
「ザッツライ!」
「もちろん焼肉代は店長の奢りっすね!」
「う……っ、…仕方ない」
私はにこっと笑って敬礼ポーズをしてかしこまりました!と元気に言った。
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