スピカを探してー海鷲の初恋ー
昭和、平成、令和へと時代の過渡期、老人は日本人の国防意識の低さを嘆く。
しかし、ひ孫に『暢気に人が生きられる姿はこの国の勝利だ』と諭される。
老人、川村宗一郎は目の覚める思いで、長かった戦後が終わる気がした。
戦時中、彼はとても美しい、しかしながら切ない初恋をしていたことを思い出す。
彼の初恋は告白できずじまいの失恋からはじまった。
悔しいかな、大好きな彼女は別の男しか見えていない。それでも、彼は彼女の恋を応援してしまうのだ。
その初恋の彼女に酷似しているひ孫の泰子。
宗一郎は在りし日の大好きな人達との愛おしくも切ない思い出を語りだす。
史実に名高い三四三飛行隊創設、紫電改開発と激動激務の中も太平洋戦争末期に純愛、死別、そして、初恋の女性が想いをつないだラブレターに隠されていた想いを彼自身も知ることになる。
しかし、ひ孫に『暢気に人が生きられる姿はこの国の勝利だ』と諭される。
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