41 / 91
第13章…初体験
心臓がいくつあっても足りない
しおりを挟む―――
美希との行為が終わってしばらく時間が経ってもも、身体の熱はなかなか冷めない。
壊れるほどに興奮し、溶けるほどに愛し合った。
オレの隣にいる美希を見る。美希は身体を火照らせ、息を荒くしながら恍惚としていた。
「……大丈夫か、美希」
まだぐったりとしている美希に声をかけた。
「……はい、大丈夫ですよ」
美希は顔を赤くしたままニコッと笑った。
「……もっと優しくできればよかったんだけど……ちょっと乱暴になっちまった。ごめん」
「そんなことないです。十分優しかったですよ。私嬉しかったです」
「そ、そうか……?」
「そうですよ。竜先輩はどうでしたか? 気持ちよかったですか……?」
「溶けるかと思うくらい気持ちよかった」
「あはは、なんですかそれ」
笑い合うオレと美希。お互い全裸でベッドに寝そべる。
すると、美希が腕を絡めてきた。
「お、おい、どうした美希?」
「えへへ……」
……可愛すぎる。オレはデレデレすることしかできない。
オレの左腕に柔らかい胸が当たって、ドキッとする。
右手で美希の胸を触る。弾むような弾力。さっきから何度も美希の胸を触ってるけど、全く飽きない。
「……竜先輩、もう元気になってませんか……?」
「……いや、これは不可抗力というか……」
あんなに激しく身体を重ねたばかりなのに、また勃起してしまった。体力には自信があるけどさすがに復活するのが早すぎる。
それだけ気持ちよかったということだ。1回じゃ足りない。何度でもヤりたくなる。
もう完全にどっぷりと美希とのセックスにハマってしまった。
「……美希……もう1回、いいか?」
「……もう、エッチ」
美希はプイッと顔を逸らしながらもコクッと頷いてくれた。
ヤれる……! もう1回ヤれる!!
すぐに元気を取り戻したオレは新しいゴムを用意し2回戦突入の準備は整った。
―――その時だった。
ガチャッ
「!!!!!!」
家のドアが開く音がかすかに聞こえた。
誰かが帰ってきた。
ビクッとしたオレに対し、美希はきょとんとした表情で上半身を起こす。
「あの、竜先輩? どうかしましたか?」
「……どうやら、ウチの家族が帰宅したみてーだ。この足音は父さんだな」
「そうですか……ちょっと残念ですけど2回目のエッチはまた今度にしましょう。見られたら恥ずかしいですし、音を聞かれるのも恥ずかしいですし」
「……ああ……そうだな……」
時計を見る。午後5時34分。
おかしいな、父さんは普段こんなに早く帰ってこないのに。なんで今日に限って……
……くっそー!! 美希ともう1回セックスしたかったぁー!!
オレは心の中で悲痛の叫び声を上げた。
テンションがガタ落ちしたオレの頭を、美希がそっと撫でてくれる。
「そんなにガッカリしないでください。次はもっと気持ちよくなってもらえるように頑張りますから」
「……美希……!」
美希の笑顔を見るだけでオレのテンションはまた最高潮に達した。HPも全回復した。本当にチョロすぎる、オレ……
まあオレがチョロいとかは置いといて、オレたち裸なんだから服を着なくては……
―――
その後、父さんに美希を紹介して普通に挨拶した。
オレみたいなしょぼい男にこんなに可愛い彼女がいるとは思ってなかった父さんはメチャクチャびっくりしていた。
まあオレ自身美希と付き合えるとは夢にも思ってなかったから驚くのもわかるけど。
……オレもいつか美希の家に行って、美希のご両親に挨拶しないとな……
彼女のお父さんといったらメチャクチャ怖い人なのがお約束だよな。正直不安だ。
でも避けては通れない道。美希を想う気持ちは誰にも負けないから恐れずにぶつかっていくつもりだ。
―――
夜になり、オレは美希を家まで送ることにした。
暗い夜道を美希と手を繋いで歩く。
美希の手は柔らかくて、暖かくて、すべすべしてて、小さくて……ドキドキして、自分の手に汗が滲む。
「……竜先輩」
「うぇっ!? な、なに?」
ドキドキしすぎて、話しかけられただけでテンパってしまう情けないオレ。
「私たち、カラダの相性すごくいいと思うんですよ」
「っ!?」
エロい話題が飛んできてオレは心臓が跳ね上がった。
「竜先輩って、今日が初めてだったんですよね?」
「えっ……あ、その……」
っ、とかあっ、とか言いすぎだろ情けない。
オレ、初めてだって美希に言ったっけ? ついさっきまで童貞だったって言ったっけ……?
いや、セックスの時テンパりまくりだったからバレバレか……
「初めてとは思えないくらい気持ちよかったから……私たち絶対相性いいですよ」
「っ……!」
オレと美希がカラダの相性がいい……? もし本当にそうだとしたら、オレは運命を信じる。必ず。
気持ちよかったって言ってくれたのがお世辞だとしても気遣っただけだとしても、単純なオレは舞い上がるほど嬉しくて、ただひたすら赤面する。
「……本当に気持ちよかったですよ?」
考えていることを見透かされているのか、美希は上目遣いでオレの顔を覗き込んできた。
オレの心臓が撃ち抜かれる。なんでこの子はこう、オレのツボにドハマりするようなことばかりしてくるんだ。
「あ、ありがとう……そう言ってくれるのは本当に嬉しいよ」
「むっ、信じてませんね。少しは自分に自信を持ってください。痛みもありましたけど、本当によかったのに……」
ほっぺたをプクッと膨らませる美希。またしてもオレの心臓は撃ち抜かれた。心臓がいくつあっても足りない。
「あ、じゃあこうしましょう。気持ちよくしていただいたお礼に、1つだけなんでも質問に答えちゃいますよ!」
「えっ!? いや、お礼したいのはむしろこっちの方なんだけど……」
「いいから! 私の気が済まないんです」
な、なんでも質問に答えてくれる……!?
美希のこともっともっと知りたいと思っていたオレにめっちゃ好都合な展開がきた。
なんでもと言われるとエロいことしか思いつかない悲しい男の性……
自分の本能に正直になってみた結果、今一番知りたいのは美希の胸は何カップか……
いやいくらなんでもこれは引かれるって。普通は誕生日とか血液型とか好きな食べ物とかだろう。
まともな質問しようとしてもオレの視線はつい美希の胸に行ってしまう。己の煩悩が憎い。
「……胸はFカップですけど」
「っ……!?」
言ってないのになんでわかるんだよ。普通に心を読まれて本当に恥ずかしい。
いや心を読むまでもないか。ジロジロ胸を見てるのバレバレだし。
……Fカップか……少なくともEはあるだろうとは思っていたが。
美希はFカップ……人生で一番有益な情報だと思う。この情報だけでしばらくはオカズに困らなさそうだ。
「ふふっ……竜先輩のことならよくわかりますよ」
「……まあ、オレってめちゃくちゃわかりやすいからな……よく言われるんだ」
「それもありますけど、私が一番よくわかってる自信があります。
―――好きだから」
そう言った美希は手を繋いだまま身体を密着させてきた。
いい匂いがふわりと広がり、心臓の鼓動が超高速になる。
「っ……! く、くっつきすぎだよ、美希っ」
熱がグングンと上がる。顔を真っ赤にしてデレデレするオレ。
勃ってしまいそう……あ、いや、もう勃ってる。
「竜先輩のハジメテの相手になることができてとても嬉しいです」
美希はオレの腕に頬をスリスリと擦りつける。
甘えてくる美希が可愛すぎて、たまらず抱きしめる。
そして、月の光に照らされながら、オレと美希は熱いキスをした。
―――
愛してる、美希。どうしようもないくらい。美希への想いが無限に溢れてくる。
好き……
好き……
大好きだ……
しつこいと言われてもずっと好きって言いたい。何回でも言いたい。何回言っても足りない。
美希のことが好きすぎて、狂っている。狂うほど愛してる。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
侯爵様と婚約したと自慢する幼馴染にうんざりしていたら、幸せが舞い込んできた。
和泉鷹央
恋愛
「私、ロアン侯爵様と婚約したのよ。貴方のような無能で下賤な女にはこんな良縁来ないわよね、残念ー!」
同じ十七歳。もう、結婚をしていい年齢だった。
幼馴染のユーリアはそう言ってアグネスのことを蔑み、憐れみを込めた目で見下して自分の婚約を報告してきた。
外見の良さにプロポーションの対比も、それぞれの実家の爵位も天と地ほどの差があってユーリアには、いくつもの高得点が挙げられる。
しかし、中身の汚さ、性格の悪さときたらそれは正反対になるかもしれない。
人間、似た物同士が夫婦になるという。
その通り、ユーリアとオランは似た物同士だった。その家族や親せきも。
ただ一つ違うところといえば、彼の従兄弟になるレスターは外見よりも中身を愛する人だったということだ。
そして、外見にばかりこだわるユーリアたちは転落人生を迎えることになる。
一方、アグネスにはレスターとの婚約という幸せが舞い込んでくるのだった。
他の投稿サイトにも掲載しています。
双子の姉がなりすまして婚約者の寝てる部屋に忍び込んだ
海林檎
恋愛
昔から人のものを欲しがる癖のある双子姉が私の婚約者が寝泊まりしている部屋に忍びこんだらしい。
あぁ、大丈夫よ。
だって彼私の部屋にいるもん。
部屋からしばらくすると妹の叫び声が聞こえてきた。
「無敵転生 ――全チート、フル装備。」 この異世界で、ハーレムマスターに俺はなる! ~最強チートフル装備で異世界で人生やりなおし~
マナシロカナタ✨ラノベ作家✨子犬を助けた
ファンタジー
これは最強チートをフル装備した無敵の童貞社畜が、童貞のままでハーレムマスターへと至らんとする、童貞の夢と浪漫を詰め込んだ物語――。
**
「突然ですがあなたは死にました」
冴えない社畜、麻奈志漏(まなしろ)誠也の異世界転生は、この一言から始まった。
言葉巧みに転生管理官をだまくらかした誠也は、全チートフル装備で異世界転生した。
魔物に襲われる美少女ウヅキを助け、Sランク回復チート『天使の施し』でウヅキの妹ハヅキの不治の病を治し、Sランク戦闘チート『剣聖』によってウヅキの住む村を襲う魔物を返り討ちにして討伐する。
さらにはエロ領主からウヅキを守ったことで領主に睨まれた誠也は、人質に取られたウヅキの祖父を助けるため伝説のSSランクドラゴン『神焉竜』と戦うことになる。
Sランクを上まわるSSランクの『神焉竜』を前に、数多のSランクチートを駆使するも手も足も出ずに殺される誠也。
1度きりの使い切り復活チート『ドッペルゲンガー』によって復活した誠也は、ウヅキの応援もあって究極のチートSSランク『神滅覇王』をその身に降臨させる。
神をも滅する『神滅覇王』によってついに『神焉竜』を撃退した誠也は、再び異世界でのハーレム生活を目指して邁進するのであった。
(カクヨム併載です)
関係を終わらせる勢いで留学して数年後、犬猿の仲の狼王子がおかしいことになっている
百門一新
恋愛
人族貴族の公爵令嬢であるシェスティと、獣人族であり六歳年上の第一王子カディオが、出会った時からずっと犬猿の仲なのは有名な話だった。賢い彼女はある日、それを終わらせるべく(全部捨てる勢いで)隣国へ保留学した。だが、それから数年、彼女のもとに「――カディオが、私を見ないと動機息切れが収まらないので来てくれ、というお願いはなんなの?」という変な手紙か実家から来て、帰国することに。そうしたら、彼の様子が変で……?
※さくっと読める短篇です、お楽しみいだたけましたら幸いです!
※他サイト様にも掲載
私のことなど、ご放念くださいませ!
風見ゆうみ
恋愛
私の住む世界では、貴族は犬を飼うことが当たり前で、賢い犬がいる家に一目置くというしきたりがある。
幼い頃から犬と念話ができる私は、どんな暴れ犬でも良い子になると、国内では評判が良かった。
伯爵位を持つ夫、ノウルと大型犬のリリと共に新婚生活を始めようとしていたある日、剣の腕を買われた夫が出兵することになった。
旅立つ日の朝、彼は私にこう言った。
「オレは浮気をする人は嫌いだ。寂しいからといって絶対に浮気はしないでほしい」
1年後、私の国は敗戦したが、ノウル様は無事に戻って来た。
でも、彼の横には公爵令嬢が立っていた。その公爵令嬢は勝利国の王太子の妻として捧げられる予定の人。でも、彼女のお腹の中にはノウル様との子供がいるのだと言う。
ノウルは公爵令嬢を愛人にし、私との結婚生活を続けると言う。王家は私にノウル様が公爵令嬢を身ごもらせた責任を取らせると言い出し、公爵令嬢の代わりに冷酷で有名な王太子の嫁にいけという。
良いわよ、行きますとも!
私がいなくなれば、困るのはあなたたちですけどね!
※R15は保険です。誤字脱字、気を付けているつもりですが、やはりございます。教えていただけますと幸いです。
婚約者が王子に加担してザマァ婚約破棄したので父親の騎士団長様に責任をとって結婚してもらうことにしました
山田ジギタリス
恋愛
女騎士マリーゴールドには幼馴染で姉弟のように育った婚約者のマックスが居た。
でも、彼は王子の婚約破棄劇の当事者の一人となってしまい、婚約は解消されてしまう。
そこで息子のやらかしは親の責任と婚約者の父親で騎士団長のアレックスに妻にしてくれと頼む。
長いこと男やもめで女っ気のなかったアレックスはぐいぐい来るマリーゴールドに推されっぱなしだけど、先輩騎士でもあるマリーゴールドの母親は一筋縄でいかなくて。
脳筋イノシシ娘の猪突猛進劇です、
「ザマァされるはずのヒロインに転生してしまった」
「なりすましヒロインの娘」
と同じ世界です。
このお話は小説家になろうにも投稿しています
クマちゃんと森の街の冒険者とものづくり ~転生赤ちゃんクマちゃんのもふもふ溺愛スローライフ~
猫野コロ
ファンタジー
転生したもこもこは動揺を隠し、震える肉球をなめ――思わず一言呟いた。
「クマちゃん……」と。
猫のような、クマのぬいぐるみの赤ちゃんのような――とにかく愛くるしいクマちゃんと、謎の生き物クマちゃんを拾ってしまった面倒見の良い冒険者達のお話。
犬に頭をくわえられ運ばれていたクマちゃんは、かっこいい冒険者のお兄さん達に助けられ、恩返しをしたいと考えた。
冷たそうに見えるが行動は優しい、過保護な最強冒険者の青年ルークに甘やかされながら、冒険者ギルドの皆の助けになるものを作ろうと日々頑張っている。
一生懸命ではあるが、常識はあまりない。生活力は家猫くらい。
甘えっこで寂しがり屋。異世界転生だが何も覚えていないクマちゃんが、アイテム無双する日はくるのだろうか?
時々森の街で起こる不思議な事件は赤ちゃんクマちゃんが可愛い肉球で何でも解決!
最高に愛らしいクマちゃんと、癖の強い冒険者達の愛と癒しと仲良しな日常の物語。
【かんたんな説明:良い声のイケメン達と錬金系ゲームと料理と転生もふもふクマちゃんを混ぜたようなお話。クマちゃん以外は全員男性】
【物語の主成分:甘々・溺愛・愛され・日常・温泉・お料理・お菓子作り・スローライフ・ちびっこ子猫系クマちゃん・良い声・イケボ・イケメン・イケオジ・ややチート・可愛さ最強・ややコメディ・ハッピーエンド!】
《カクヨム、ノベルアップ+、なろう、ノベマ!にも掲載中です》
おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません
一条弥生
恋愛
神凪楓は、おじ様が恋愛対象のオジ専の28歳。
ある日、推しのデキ婚に失意の中、暴漢に襲われる。
必死に逃げた先で、謎の人物に、「元の世界に帰ろう」と言われ、現代に魔法が存在する異世界に転移してしまう。
何が何だか分からない楓を保護したのは、バリトンボイスのイケおじ、イケてるオジ様だった!
「君がいなければ魔法が消え去り世界が崩壊する。」
その日から、帯刀したスーツのオジ様、コミュ障な白衣のオジ様、プレイボーイなちょいワルオジ様...趣味に突き刺さりまくるオジ様達との、心臓に悪いドタバタ生活が始まる!
オジ専が主人公の現代魔法ファンタジー!
※オジ様を守り守られ戦います
※途中それぞれのオジ様との分岐ルート制作予定です
※この小説は「小説家になろう」様にも連載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる