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第6章…お守り
プリクラ
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とにかく今日は美希からプレゼントを2つももらった。
お守りと、美少女フィギュア。プレゼントの内容はさほど重要ではない。美希からもらえたという事実がめちゃくちゃ嬉しいんだ。
お守りは肌身離さず持ち歩くとして、美少女フィギュアはどうしようか。いくらなんでもこれは持ち歩けないよな。部屋に飾るとしても、妹の麻耶に見られたらドン引きされるかもしれない。
オレがフィギュアの使い方について真剣に考えていると、美希が口を開く。
「あ、そうだ。竜先輩っ、私と一緒にプリクラ撮りませんか?」
「へっ!?」
「このゲームセンターには女子高生から人気があるプリクラがあるんですよ。せっかく来たんですから撮りましょう」
……マジで!? プリクラってことは……美希とツーショットを撮れる!?
好きな女の子とプリクラ……! 男なら誰でも一度は憧れる至高の夢だ。なんかさらにドキドキしてきた。
美希に手を引かれ、たどり着いたのはギャルの写真が貼ってある派手なプリクラ。ピンク色で装飾されていて、いかにも若い女の子が利用しそうなプリクラだった。
「では、中に入りましょう」
オレは美希と一緒にプリクラの密室空間に入る。なんか本格的にデートっぽくなってきたな……
狭い密室に美希と2人っきり……!
ドキドキドキドキ……
またしても心臓が暴れ狂う。このシチュエーションに興奮してくる。
狭い部屋があっという間に美希のいい匂いでいっぱいになる。股間がまたドクッと脈打ち、どうしてもエッチなことを考えてしまう。美希のフェロモンに酔いそうだ。
美希は、お金を入れて撮影スペースに入る。
プリクラが起動し、
『背景と明るさを決めてね!好きなフレームを決めてね!』
と機械が音声を出す。
「竜先輩、背景、明るさ、フレームの希望はありますか?」
「え……? ごめん、よくわからん……」
「じゃあ、私が決めますね」
彼女いない歴イコール年齢の童貞であるこのオレがプリクラなど慣れているわけがなく、また美希に全部任せっぱなしになる。
美希に自己主張のない男だと思われたかも……情けない……もっと男としてしっかり決断できるようにならなくては。
美希は、プリクラの指示に従ってボタンを押していく。
『好きなポーズをとってね! ポーズがとれたらボタンを押してね!』
え? ポーズ?
「竜先輩、なんかポーズをとってください。かっこいいポーズ、期待してますよ?」
―――なにっ!?
い、いや……急に言われても……オレは戸惑う。かっこいいポーズなんて思いつかない。
ああちくしょう! ノリが悪すぎるぞオレ! こういうの積極的にやれなきゃ美希にふさわしい男になれん!
一方美希は、ウインクして左目の横でピース、というポーズをとる。
そして、オレの腕に自分の右腕を絡めてきた。
!!!!!!
美希が腕を組んできた。
オレはの心臓がドキンッと跳ねる。
これもう完全に恋人じゃないか!? 恋人同士でやることだよこれ!
いいのか美希!? オレの緊張をほぐすためだけにこんなに出血大サービスしていいのか!?
ドキドキドキドキ……
オレは今美希に腕を組まれている。お互いの身体が密着する。密着しているので当然あの柔らかい感触が……
ムニュ……
美希の胸がオレの肘に当たる。胸の感触を味わうのは本日2回目。柔らかい……最高すぎる……
幸せすぎて死にそう。勃起の状態がさらに激しくなり、我慢汁まで出てきてしまった。
「竜先輩~、ポーズ! かっこいいポーズお願いします!」
美希はそう言って、胸を押しつけながらオレを上目遣いで見つめてくる。
クラッ……
あ、危ない危ない。美希があまりにも可愛すぎて失神しそうになっちまった。
デレデレしすぎて顔がものすごく緩んでる。キモすぎてこんな顔撮るわけにはいかない。試合に臨むくらいのつもりで気を引き締めないと。
ポーズ、ポーズ……
美希にかっこいいポーズをお願いされた。期待されてる。何かいいポーズないか。
いや、変にかっこつけようとするのはやめよう。どうせ恥ずかしいことになるのは目に見えてる。
シンプルにしようシンプルに。簡単に思いつくことでいいんだ。
とりあえず、明日の試合で勝つ! という意味を込めて、プリクラの画面に向かって握りしめた右手を突き出す。
「竜先輩、そのポーズでいいんですか?」
「あ、ああ……かっこ悪いかな?」
「いえ、いいと思いますよ。じゃあ、撮影しますね」
美希はボタンを押す。
『はい、チーズ!』
カシャッ
撮影完了。
オレ、目を瞑ったりしてないかな……?
美希は一旦オレから離れる。美希が離れた後も胸の感触は腕にしっかり残っている。
美希のぬくもりが残った制服、できれば洗いたくない。
「竜先輩、次は落書きしましょう」
「……ん? 落書きって?」
「プリクラに落書きできるんですよ。スタンプを押したりとか、文字を書いたりとか」
美希はタッチペンみたいなものを持ち、画面に書き込み始めた。
美希は落書きを終えると、タッチペンみたいなものをオレに渡した。
「竜先輩も自由に落書きしていいですよ」
落書きか……ちなみに美希が書いた落書きは……
画面にはウサギとかクマとかお花とか書いてあった。
あと『竜先輩』『美希』と名前が書かれている。
絵も字もめっちゃ可愛いじゃん。どこまで可愛いんだよ美希は。可愛すぎて反則だろ。
いや美希の落書きに見惚れてないでオレも落書きしないと。オレが書くことは決まっている。
真剣な顔をして、画面に書き込む。
「竜先輩、なんて書いたんですか?」
美希が画面を覗き込んでくる。
『優勝』
オレが書いた文字はこの2文字だけ。優勝というのはもちろん野球の大会のことだ。七夕の短冊じゃあるまいしプリクラに書くのも変だとは思うがまあ自由に書いていいんだし大丈夫だろう。
「竜先輩、それだけでいいんですか?」
「ああ」
「わかりました。それじゃ印刷しますね」
美希は印刷のボタンを押す。
数十秒待つと、オレと美希のツーショットプリクラが印刷されて出てきた。
「はい、どうぞ。竜先輩の分です」
美希からプリクラを受け取り、プリクラを見る。
美希は相変わらず可愛い。写真写りもいい。
それに対し、オレはテンパっているのがよくわかるように撮れていた。
うわ……我ながらかなり写真写りが悪い。
まあオレはどうでもいいんだ。可愛い美希の写真が手に入った。
激レアだ。一生の宝物だ。
オレは美希と撮ったプリクラの1枚をお守りに貼った。あとの分はカバンにしまう。
「もう少し遊びたいですけど、明日は大会ですしそろそろ帰りましょうか。どうですか竜先輩、緊張は解れましたか?」
「ああ……だいぶ楽になったかも。ありがとう」
「ホントですか? よかった~」
美希と一緒にゲームセンターで遊ぶことができて本当に嬉しい。幸せな時間だった。
正直、緊張はまだしてるけど、美希には本当に感謝している。
―――
その後、オレは美希と途中まで一緒に帰り、帰宅した。
夜、家族みんなで夕食をとっていると、麻耶がオレに話しかけてきた。
「お兄ちゃん、明日の試合頑張ってね! 私も応援に行くから!」
「え? 明日大丈夫なのか?」
「うん! 明日学校お休みだし」
麻耶も応援に来てくれるのか……お兄ちゃんとして、麻耶にいいところ見せないといけないな。
……
なんかますます緊張してきた。
麻耶が話を続ける。
「お父さんもお母さんも、明日応援に行けるって」
「え!? マジで!?」
父さんも母さんも来るってことは、家族全員で応援ってことか!?
父さんと母さんを見ると、ニコニコしながら夕食を食べている。
マジか……! 嬉しいけどなんかすごくプレッシャー。情けない投球はできない。
お守りとフィギュアとプリクラをくれた美希のためにも絶対に負けられない。
……よ、よーし。やってやる。明日、絶対に活躍してやる!
美希! オレはお前のために勝つ!!
お守りと、美少女フィギュア。プレゼントの内容はさほど重要ではない。美希からもらえたという事実がめちゃくちゃ嬉しいんだ。
お守りは肌身離さず持ち歩くとして、美少女フィギュアはどうしようか。いくらなんでもこれは持ち歩けないよな。部屋に飾るとしても、妹の麻耶に見られたらドン引きされるかもしれない。
オレがフィギュアの使い方について真剣に考えていると、美希が口を開く。
「あ、そうだ。竜先輩っ、私と一緒にプリクラ撮りませんか?」
「へっ!?」
「このゲームセンターには女子高生から人気があるプリクラがあるんですよ。せっかく来たんですから撮りましょう」
……マジで!? プリクラってことは……美希とツーショットを撮れる!?
好きな女の子とプリクラ……! 男なら誰でも一度は憧れる至高の夢だ。なんかさらにドキドキしてきた。
美希に手を引かれ、たどり着いたのはギャルの写真が貼ってある派手なプリクラ。ピンク色で装飾されていて、いかにも若い女の子が利用しそうなプリクラだった。
「では、中に入りましょう」
オレは美希と一緒にプリクラの密室空間に入る。なんか本格的にデートっぽくなってきたな……
狭い密室に美希と2人っきり……!
ドキドキドキドキ……
またしても心臓が暴れ狂う。このシチュエーションに興奮してくる。
狭い部屋があっという間に美希のいい匂いでいっぱいになる。股間がまたドクッと脈打ち、どうしてもエッチなことを考えてしまう。美希のフェロモンに酔いそうだ。
美希は、お金を入れて撮影スペースに入る。
プリクラが起動し、
『背景と明るさを決めてね!好きなフレームを決めてね!』
と機械が音声を出す。
「竜先輩、背景、明るさ、フレームの希望はありますか?」
「え……? ごめん、よくわからん……」
「じゃあ、私が決めますね」
彼女いない歴イコール年齢の童貞であるこのオレがプリクラなど慣れているわけがなく、また美希に全部任せっぱなしになる。
美希に自己主張のない男だと思われたかも……情けない……もっと男としてしっかり決断できるようにならなくては。
美希は、プリクラの指示に従ってボタンを押していく。
『好きなポーズをとってね! ポーズがとれたらボタンを押してね!』
え? ポーズ?
「竜先輩、なんかポーズをとってください。かっこいいポーズ、期待してますよ?」
―――なにっ!?
い、いや……急に言われても……オレは戸惑う。かっこいいポーズなんて思いつかない。
ああちくしょう! ノリが悪すぎるぞオレ! こういうの積極的にやれなきゃ美希にふさわしい男になれん!
一方美希は、ウインクして左目の横でピース、というポーズをとる。
そして、オレの腕に自分の右腕を絡めてきた。
!!!!!!
美希が腕を組んできた。
オレはの心臓がドキンッと跳ねる。
これもう完全に恋人じゃないか!? 恋人同士でやることだよこれ!
いいのか美希!? オレの緊張をほぐすためだけにこんなに出血大サービスしていいのか!?
ドキドキドキドキ……
オレは今美希に腕を組まれている。お互いの身体が密着する。密着しているので当然あの柔らかい感触が……
ムニュ……
美希の胸がオレの肘に当たる。胸の感触を味わうのは本日2回目。柔らかい……最高すぎる……
幸せすぎて死にそう。勃起の状態がさらに激しくなり、我慢汁まで出てきてしまった。
「竜先輩~、ポーズ! かっこいいポーズお願いします!」
美希はそう言って、胸を押しつけながらオレを上目遣いで見つめてくる。
クラッ……
あ、危ない危ない。美希があまりにも可愛すぎて失神しそうになっちまった。
デレデレしすぎて顔がものすごく緩んでる。キモすぎてこんな顔撮るわけにはいかない。試合に臨むくらいのつもりで気を引き締めないと。
ポーズ、ポーズ……
美希にかっこいいポーズをお願いされた。期待されてる。何かいいポーズないか。
いや、変にかっこつけようとするのはやめよう。どうせ恥ずかしいことになるのは目に見えてる。
シンプルにしようシンプルに。簡単に思いつくことでいいんだ。
とりあえず、明日の試合で勝つ! という意味を込めて、プリクラの画面に向かって握りしめた右手を突き出す。
「竜先輩、そのポーズでいいんですか?」
「あ、ああ……かっこ悪いかな?」
「いえ、いいと思いますよ。じゃあ、撮影しますね」
美希はボタンを押す。
『はい、チーズ!』
カシャッ
撮影完了。
オレ、目を瞑ったりしてないかな……?
美希は一旦オレから離れる。美希が離れた後も胸の感触は腕にしっかり残っている。
美希のぬくもりが残った制服、できれば洗いたくない。
「竜先輩、次は落書きしましょう」
「……ん? 落書きって?」
「プリクラに落書きできるんですよ。スタンプを押したりとか、文字を書いたりとか」
美希はタッチペンみたいなものを持ち、画面に書き込み始めた。
美希は落書きを終えると、タッチペンみたいなものをオレに渡した。
「竜先輩も自由に落書きしていいですよ」
落書きか……ちなみに美希が書いた落書きは……
画面にはウサギとかクマとかお花とか書いてあった。
あと『竜先輩』『美希』と名前が書かれている。
絵も字もめっちゃ可愛いじゃん。どこまで可愛いんだよ美希は。可愛すぎて反則だろ。
いや美希の落書きに見惚れてないでオレも落書きしないと。オレが書くことは決まっている。
真剣な顔をして、画面に書き込む。
「竜先輩、なんて書いたんですか?」
美希が画面を覗き込んでくる。
『優勝』
オレが書いた文字はこの2文字だけ。優勝というのはもちろん野球の大会のことだ。七夕の短冊じゃあるまいしプリクラに書くのも変だとは思うがまあ自由に書いていいんだし大丈夫だろう。
「竜先輩、それだけでいいんですか?」
「ああ」
「わかりました。それじゃ印刷しますね」
美希は印刷のボタンを押す。
数十秒待つと、オレと美希のツーショットプリクラが印刷されて出てきた。
「はい、どうぞ。竜先輩の分です」
美希からプリクラを受け取り、プリクラを見る。
美希は相変わらず可愛い。写真写りもいい。
それに対し、オレはテンパっているのがよくわかるように撮れていた。
うわ……我ながらかなり写真写りが悪い。
まあオレはどうでもいいんだ。可愛い美希の写真が手に入った。
激レアだ。一生の宝物だ。
オレは美希と撮ったプリクラの1枚をお守りに貼った。あとの分はカバンにしまう。
「もう少し遊びたいですけど、明日は大会ですしそろそろ帰りましょうか。どうですか竜先輩、緊張は解れましたか?」
「ああ……だいぶ楽になったかも。ありがとう」
「ホントですか? よかった~」
美希と一緒にゲームセンターで遊ぶことができて本当に嬉しい。幸せな時間だった。
正直、緊張はまだしてるけど、美希には本当に感謝している。
―――
その後、オレは美希と途中まで一緒に帰り、帰宅した。
夜、家族みんなで夕食をとっていると、麻耶がオレに話しかけてきた。
「お兄ちゃん、明日の試合頑張ってね! 私も応援に行くから!」
「え? 明日大丈夫なのか?」
「うん! 明日学校お休みだし」
麻耶も応援に来てくれるのか……お兄ちゃんとして、麻耶にいいところ見せないといけないな。
……
なんかますます緊張してきた。
麻耶が話を続ける。
「お父さんもお母さんも、明日応援に行けるって」
「え!? マジで!?」
父さんも母さんも来るってことは、家族全員で応援ってことか!?
父さんと母さんを見ると、ニコニコしながら夕食を食べている。
マジか……! 嬉しいけどなんかすごくプレッシャー。情けない投球はできない。
お守りとフィギュアとプリクラをくれた美希のためにも絶対に負けられない。
……よ、よーし。やってやる。明日、絶対に活躍してやる!
美希! オレはお前のために勝つ!!
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