Worldtrace

［Worldtrace２］

暗躍

王都アルゴスの北に存在する大都市ノード。そのノードの領主はデブなヒゲ親父、もとい恰幅の良いお髭の似合う男性だ。名をアダモス・ガイダルと言う。因みに爵位は侯爵を賜っている。
事件はそのアダモスがある夢を見た事から始まる。

アダモス「おい！誰か！誰かおらぬか！」

執事「は！いかがなさいましたか？」

アダモス「おお！来たか！御告げだ！」

執事「御告げ・・・にございますか？」

アダモス「ああ！今朝方、神より御告げを賜った！ここより東にある魔物の森の中に遺跡があるらしい。そこに神の遣わした神獣が眠っていると言うのだ！」

執事「それは、誠にございますか？」

アダモス「うむ！神は神獣にて全ての魔族を滅ぼせと仰せだ！今直ぐ冒険者を雇い探索をさせるのだ！」

執事「は！」

ここまで話しアダモスはふと疑問に思う。

アダモス「待て！」

執事「は！何でしょう？」

アダモス「言った儂が言うのもなんだが、今の話を信じるのか？儂が見た夢の話だぞ。」

執事「主の言葉を信じない使用人など存在しません。」

アダモス「そ、そうか。まぁ、良い。とにかく急げ！万が一にも魔族に先を越される訳には行かないぞ！」

執事「は！承知しました！」

そして執事は部下達に腕の立つ冒険者を雇い探索する様に命令する。そして一息つくと何処からか光る板を取り出す。その板が何か、見る人が見れば分かるだろう。

執事「私だ。予定通り、我が"主"より侯爵に御告げが下りた。手筈通りあの男に例の神剣を渡してやれ。ああ。奴にも動く様、こちらから連絡する。抜かるなよ。奴の鑑定眼は中々の様だからな。ではいづれまた。」

この男、何を隠そう悪神と謳われたある神の使徒である。

執事「さぁて、仕事だ。奴等がどう動くか、実に楽しみだ。」

そしてここから少し時間は遡る。