会長の親衛隊隊長になったので一生懸命猫を被ろうと思います。

13.

双子が発射する水をヒョイヒョイと軽やかに避け、体勢を整えながら要がいる位置を確認する。
双子の背後に迫る要が見えたので琉星は近場にある木まで走り、木の幹に足をかけ枝の上に立った。

俺を追いつめたと勘違いしている双子がニヤニヤしながら近づいてくる。


「「りゅーちゃんもう逃げ場ないね」」


「ん～どぉだろうねぇ？」


「りゅーちゃん余裕そうだね亮」


「なんでだろうね？遥」


「それは琉星はただの囮だからな」


「「ぎゃー！！背中冷たいっ！！」」


俺に気を取られていた双子は呆気なく要に倒された。またして見事な作戦勝ちだ。いぇーい、残念双子ちゃん笑


「「もー誰！？って会長？一体どこにいたの？」」


「お前らとは反対方向の茂みの中にいたぞ」


「「全然気づかなかった…」」


「琉星にしか眼中に無かったからだろ、普段から周りをよく見ろって言ってるだろうが」


「「だって～会長の気配感じなかったもんだもん！！」」


「確かにぃ要はぁ気配消すの上手だったねぇ」


「あぁ、会社に不利益になる奴を見つけるために気配を消す練習をしてるからな」


え、待って、金持ちってそんな事してんの？会社に不利益になる奴…要するに裏切り者がいるってこと？
要は周りに味方と敵がいる中で将来仕事することになるってことだよな？

うわ…金持ちって大変だな。そんな環境で働いてたら胃に穴があきそうだ…。