会長の親衛隊隊長になったので一生懸命猫を被ろうと思います。

15.

「みてみて湊！ローストビーフ丼美味しそうじゃね？俺お腹すいたわー」


「はいはい、素で話すと要に聞こえるよ？」


まぁ要もたぶん琉星が演技してる事に気づいてると思うけどね。幼なじみの勘でなんとなく気づいた。


「あーそうだった。とりあえずこれテーブルに運ぶわ」


「俺達は要になにか手伝うことあるか聞いてくるな」


「ほいほ～い」


琉星が料理を運ぶ後ろ姿を確認してからため息をついている要に話しかけに行く。


「また琉星に気持ち伝わらなかったの？要」


「はぁ…もうわざと気付かないふりしてるような気がするんだが」


「琉星に好きって言わせるのは難しいと思うぞ？」


「なにそれ、そんな事要思ってるわけ？」


「んで瑠夏がその事知ってんだよ」


「琉星から聞いた。要が好きな奴には好きって言わせたいから告白しないって」


「要はバカなの？」


告白しずにアピールしてあの鈍感な琉星が要の事意識するわけないじゃん。
告白しても意識するかはわかんないけど。


「うるせぇ、俺がこれだけ振り回されてんだから琉星から告白されたいって思っちまうんだよ」


「無理だと思うけど」


「琉星が要の事は友達として好きって言ってたし」


「友達か…」


瑠夏の言葉に肩を落とす要。
友達として好きって言われるぐらいならだいぶ距離近づいてる方だと僕は思うけどね。
同棲前は他人行儀だったじゃん、数週間でここまで琉星が要に懐いてるのはすごいと思うよ。