Eternal Rain ~僕と彼の場合~

勇黄

文字の大きさ
上 下
44 / 45
Eternal Rain ~僕と彼の場合~外伝

Eternal Rain ~俺と彼の場合~⑳

しおりを挟む
少し息を切らしながら
ダイアモンドヘッドを登る。











頂上まで休まずに行くと
星斗せいとはバテバテで最後は
咲鞍さきくらさんにおんぶされてた。











『ちょい!かん
おまえのペースが早いんだよ!
はぁ…はぁ…。』










えーご、ごめんね、と
星斗せいとが申し訳なさそうに謝ってる。













[だって、せっかくだから日の出
ゆっくり見たいじゃないですか!]













俺は我ながら子供っぽいな、と
思いながら叫んだ。











【ふぅ…。かなり明るんできた…】












落ち着いた声で天士てんじが言う。















朝日を一緒に見つめ
4人が同じ方向を向いた。












「うわぁ~…綺麗だねぇ…」











星斗せいとが涙まじりに言い
みんながうなずく。













そっ、と横にいた
天士てんじの手を握ると
ちょっとビックリしたように
でも嬉しそうな顔で指を絡ませられた。













[幸せ、だな。]
【うん。】












気がつくと咲鞍さきくらさんと手を繋いだ
星斗せいとが俺の手を握ってきて
4人が繋がる。











それぞれが微笑みあい視線を交わした。











「んふふ!嬉しいね!」

『あはは!そうだな!』

[ああ。]

【うんうん!】














みんなが笑顔になる。












下山はゆっくりと景色を見ながら。
雄大な景色に心が洗われるようだ。











咲鞍さきくらさんは写真を撮りまくり…











俺達もそれなりに雄大な
景色をバックにお互いを写真に
おさめたり自撮りしたりした。












(咲鞍さきくらさんは景色というより
ほぼ星斗せいとを撮ってた感じだったけど。)












ホテルへ戻ると8時30分。











朝食に名物だというアサイーボウルや
サンドイッチなどを食べて
部屋で少し休んだあと
俺は天士てんじとシュノーケリングに出掛けた。











海に入ると天士てんじ
とても泳ぎがうまく
綺麗なホームで泳ぐ。










フィンを着けて泳ぐ姿が
とてもかっこよくて扇情的だった。












俺はあまり得意ではなく
最初はまごついたけれど…











まぁ、なんとか天士てんじに手をひかれ…。











魚を追いかけたり海ガメに遭遇したり
とても楽しく過ごし船に戻ると
天士てんじのキラキラの笑顔が
俺を熱くする。











かん!海、とっても綺麗だった!
楽しかったね!】











[ああ。…天士てんじ泳ぎ得意だったんだな。]











【中高と水泳の選手だったんだ。
かんは…ちょっとバタバタしてたね!ふふ…。】











[ばかやろっ!笑うなっ…
俺は野球ばっかだったからな…]











かんの投げてる姿見てみたい!】










[長いことやってないからなぁ…。]











話をしながらホテルに戻ると
ホテルのプライベートビーチに
星斗せいと達の姿がある。











俺が声をかけようとしたら
天士てんじに止められた。












【いい雰囲気だからそっと
しといてあげよう?】











[あ………そっか…。
俺こういうとこわからないんだよな…。]











かんらしくて
そういうところも俺は好きだよ。】



 
  

 



そう言うと俺の肩に手をまわす。











[っつ…。天士てんじ…。
す、素で言うなっ…ばかやろう…]














天士てんじはふふっと笑った。
  









部屋へ戻りシャワーを浴びたあと
ベッドで眠ってしまった
天士てんじの顔を愛おしく
みつめて俺も眠りに落ちていった。














気がつくと天士てんじ
頭を撫でられている。












俺はぼんやりと天士てんじ
出会った時のことを思い出していた。











あの時、俺は殴られて
部屋に入れられて…
もう、ダメだ、って思った。










意識を失う一瞬手前で
ドアが開けられて
俺はまた引き戻された。










そのドアからの光を背に入ってきた
男は涙と汗でぐしゃぐしゃの顔で。










でもとても綺麗で整った顔で…
後光が差して見えたんだ。












[…………天士てんじ。]











【あ、起きた?もう起こそうと
思いながら眠ってるかん
可愛くてつい。】











[ばっ!ばかやろ!
可愛くなんかねぇから!]










【ふふふ…。あ、ねぇ。
ごはん、行こう。】











[え、あ…もうそんな時間…。]












俺たちはホテル内のレストランに急ぐ。










もう星斗せいとたちは来ていた。












「こっちー!」と手をふり明るい
笑顔の星斗せいとの顔に
ほっとして合流する。













天士てんじ。プライベートビーチ
よかったぞ~!な、星斗せいと。』












コクコクと赤い顔でうなずく
星斗せいと咲鞍さきくらさんは
ナチュラルな動作で星斗せいと
キスをし愛おしそうに頭を撫でる。











ふと天士てんじを見ると
自分の唇を少しつきだし指差して
俺を見ていて…。











俺は声を出さずにばかやろう、と
言った。












天士てんじは大笑いしていていて
その顔を睨みシーフードを食べる。













【あとでみんなで行こう?】










[ああ。そうだな。]










星斗せいと咲鞍さきくらさんも頷く。













食事のあとプライベートビーチに出た。










トロピカルジュースを注文し
飲みながら砂浜に腰かける。












4人で今日の報告をしあった。










俺たちがシュノーケリングに
行っている間、星斗せいとたちは
フラを観に行ったらしい。











咲鞍さきくらさんが身ぶり手振りで
話してくれてかなりおもしろくて
腹を抱えて笑った。












俺のシュノーケリングでの
バタバタぶりも暴露されて…。











ま、笑いのネタになったならいいか…。










こんな楽しい日々がやってくるなんて
本当に想像できなかったな…。










いろいろあったなぁ…と
俺は物思いにふける。












『おい、かん。大丈夫か?』










[…!?咲鞍さきくらさん…。あれ?2人は?]










『ジュースのおかわり
買いに行ったよ。
どうしたんだ?ぼぅっとして。』











[あ、いや…俺。こんな幸せな日々が
くるなんて想像できてなくて。
星斗せいと咲鞍さきくらさん、そして天士てんじ
会えたおかげです。

ありがとうございます。]













『お?やけに素直だな?はは!
俺も天士てんじにちゃんとした
パートナーができて安心したよ。
ありがとな。

かんとも仲良くなれたし。
改めて俺の友達をよろしく頼むよ?』











咲鞍さきくらさん…。はいわかっています。

咲鞍さきくらさんも…。
星斗せいとを頼みますよ?
それからこれからも…その…。
俺とも友達、でいてください、ね。]











おう!任せとけ!と豪快に笑い
親指をたてる咲鞍さきくらさん。










[ふふっ…やっぱちょっと
オヤジくさいですよね…。]











『こら!かん
気にしてるとこなんだから…
ははは!』











[あはは!そんなとこも
いいんじゃないですか?星斗せいとは。]











そ、そうか?とまんざらでも
ないように笑って
おまえもツンデレしてやれよ?
と言われた。











[つ、ツンデレする、って
なんなんですか!ふっ…]










そうしてじゃれあっていたら
星斗せいとの声。











「あれぇ?2人で楽しそうだね!
ジュース買ってきたよ~。

………。なに話してたの?」











いろいろとな、と咲鞍さきくらさんは
星斗せいとの肩を抱き砂浜に座った。













俺は天士てんじからジュースを受け取り
2人で自撮りで写真を撮る。












栄醐えいごと仲よさそうだったよ?】











[友達、だからな。]










【………。そっか。ふふ。】










天士てんじは嬉しそうに笑った。



















星斗せいと達はもう2人の世界で
イチャイチャしてるので
俺は少し離れようと天士てんじの手をとる。











波打ち際まで手をひいて行くと
寄せては返す波の音が心地いい。











しばらく2人で黙って
海を見つめていた。











【ねぇ、かん。】










天士てんじが手を強く握ってくる。










[…ん?]











【………抱いてほしい、な…。】









[っつ…。部屋に戻ろうか。]










天士てんじは頷いた。














今度は天士てんじに手をひかれ
大急ぎで部屋に戻り
シャワーを浴びて入れ替わりに
シャワーに入った天士てんじをベッドで待つ。












かん…。お待たせ…。】










背中に天士てんじがひっついてきた。











[おつかれさま…。]











【ん…。………はや、く…。】











天士てんじは背中に唇を這わせてくる。











俺はされるままに
しばらくそれを感じていた。










天士てんじの手が後ろから
俺の尖りに触れる。











[んっ…天士てんじっ!んむぅ…んっ………]











俺は身を捩り、天士てんじを下にして
唇に吸いついた。












【んっ…。んん…はぁっ…むぅ…】










俺は思う存分に天士てんじの口中を
味わったあと天士てんじの耳に唇を寄せる。












[はぁ…天士てんじ愛してる。]










びくっと震える天士てんじは涙を流した。











【ああっ…かん………。】












尖りをまさぐり赤く勃ったそこを
舐めて甘噛みすると天士てんじ
反り返って喘ぐ。










昼間見たあの綺麗な海の中で
泳ぐ天士てんじを思いだし熱くなった。











天士てんじ、綺麗だよ…人魚みたい。]












尖りを吸いあげながら
天士てんじのものを握る。












【あっ!ああっ…んっ!
………はぁっ、あ!】











天士てんじの悦ぶところを
攻めたててさらにのけ反らせる。











海の中の光景と重なって
海を泳いでいるような高揚感。











天士てんじ…綺麗だ…綺麗…。んむっ…。]












また唇を奪う。











天士てんじは涙を流しながら
首を横にふった。










【んっっ…う、むぅ…あ!ィくっ…!】












ビクビクと震える体を抱きしめ
涙を舐めとると天士てんじ
俺の手の中に白濁を零した。












【あ、はぁっはあっ…
かん………きて。】












[ダメだ、ほぐさないと…]











手を拭いフィンドムを指につけ
ローションをかけて
ナカに入っていくと
そこは収縮して絡みついてきて…。











【あああっ…も、いいからっ。
はやくっ!かん…。】











[つぅ…天士てんじ。ばかやろう…
ダメだ……ちゃんとしないと…]












指を増やしじゅうぶんに
ナカを柔らかくする。













勃ちあがって先走りを零している
自身にコンドームをつけた。










天士てんじがしがみついてくる。












足を抱えあげてローションを足し
そこに自身を押し当てると
ぐっと背中に爪をたてられるのを
感じながらゆっくりと
ナカに侵入していった。












【んっ…ん…んんん…あああっ…
かん………っはぁっ…】











天士てんじっ…。すごいっ…
絡み、ついてっ…あぁ…]












俺は抽挿を繰り返しながら
すべて繋がりたくて肘をついて
天士てんじに顔を寄せる。












すると天士てんじが紅潮した顔で
荒い息をしながら噛みつくような
キスをしてきた。











夢中で舌を絡めあう。














【んむっ…かぁ………んっ!あああ!】












激しく腰を打ちつけると
高く鳴く天士てんじの喘ぎと
息づかいが耳に届きさらに熱くなる。












ぐっ、と体を起こし体勢を変えた。












対面座位になり天士てんじの胸に
顔を埋め抱きしめる。












天士てんじ天士てんじ……天士てんじ…。]












俺の髪を優しい手が撫でてきて
たまらなくなって抱く手に
力をこめると天士てんじは自ら動き出した。











【あ、あっ…んっ、んっ…
んあああっ!かんっ…】











また押し倒して腰を打ちつけていく。











[も、…ああっ………う!!]

【はぁ、はぁっ、あっ!!】












天士てんじのナカで果て
胸に倒れこむと耳に囁かれた。











かん…お、れは…何があっ、ても…
かんを愛してる。
それだけは揺るがないから。
だからっ…かん…一生一緒にいて…】












[…そんなのあたりまえだ。
俺も揺るがない。
他の人なんてありえない。]










かん…。】










[愛してるよ。]











そう言って天士てんじを抱きしめ
啄むようにキスをする。











天士てんじがはにかむように笑った。











[そうやって笑ってて。
それだけでいいから。]











【あ、りがとう…。かん
ツンデレよろしくね…ふふふ。】











[ば、ばかやろう…よろしく、って
なんだよ?ばかやろう!
こうしてやるっ!]










天士てんじの脇腹をくすぐれば
身を捩って逃げる愛しい笑い声で
満たされる。










【あはっ!くすぐったい!
やめて!ふふふっ!】











[シャワー行くぞ。]












俺は天士てんじを抱き上げた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

壁穴奴隷No.19 麻袋の男

猫丸
BL
壁穴奴隷シリーズ・第二弾、壁穴奴隷No.19の男の話。 麻袋で顔を隠して働いていた壁穴奴隷19番、レオが誘拐されてしまった。彼の正体は、実は新王国の第二王子。変態的な性癖を持つ王子を連れ去った犯人の目的は? シンプルにドS(攻)✕ドM(受※ちょっとビッチ気味)の組合せ。 前編・後編+後日談の全3話 SM系で鞭多めです。ハッピーエンド。 ※壁穴奴隷シリーズのNo.18で使えなかった特殊性癖を含む内容です。地雷のある方はキーワードを確認してからお読みください。 ※No.18の話と世界観(設定)は一緒で、一部にNo.18の登場人物がでてきますが、No.19からお読みいただいても問題ありません。

とろとろ【R18短編集】

ちまこ。
BL
ねっとり、じっくりと。 とろとろにされてます。 喘ぎ声は可愛いめ。 乳首責め多めの作品集です。

平凡顔のΩですが、何かご用でしょうか。

無糸
BL
Ωなのに顔は平凡、しかも表情の変化が乏しい俺。 そんな俺に番などできるわけ無いとそうそう諦めていたのだが、なんと超絶美系でお優しい旦那様と結婚できる事になった。 でも愛しては貰えて無いようなので、俺はこの気持ちを心に閉じ込めて置こうと思います。 ___________________ 異世界オメガバース、受け視点では異世界感ほとんど出ません(多分) わりかし感想お待ちしてます。誰が好きとか 現在体調不良により休止中 2021/9月20日 最新話更新 2022/12月27日

くまさんのマッサージ♡

はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。 2024.03.06 閲覧、お気に入りありがとうございます。 m(_ _)m もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。 2024.03.10 完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m 今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。 2024.03.19 https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy イベントページになります。 25日0時より開始です! ※補足 サークルスペースが確定いたしました。 一次創作2: え5 にて出展させていただいてます! 2024.10.28 11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。 2024.11.01 https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2 本日22時より、イベントが開催されます。 よろしければ遊びに来てください。

目が覚めたら囲まれてました

るんぱっぱ
BL
燈和(トウワ)は、いつも独りぼっちだった。 燈和の母は愛人で、すでに亡くなっている。愛人の子として虐げられてきた燈和は、ある日家から飛び出し街へ。でも、そこで不良とぶつかりボコボコにされてしまう。 そして、目が覚めると、3人の男が燈和を囲んでいて…話を聞くと、チカという男が燈和を拾ってくれたらしい。 チカに気に入られた燈和は3人と共に行動するようになる。 不思議な3人は、闇医者、若頭、ハッカー、と異色な人達で! 独りぼっちだった燈和が非日常な幸せを勝ち取る話。

上手に啼いて

紺色橙
BL
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。 ■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

処理中です...