Eternal Rain ~僕と彼の場合~

勇黄

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Eternal Rain ~僕と彼の場合~外伝

Eternal Rain ~俺と彼の場合~⑲

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食事をとるためにレストランに入ると
咲鞍さきくらさんと天士てんじは英語で注文してくれる。










俺と星斗せいとは目を丸くして
そのやりとりを見ているしかできない。












「ねぇ、かん…。
僕たちのパートナーってかっこいいね!」










[ぶっ…。あ、ああ。そうだな。]











美味しく食事をして
ショッピングモールに行き
買い物をする。













星斗せいと達とは別行動をとった。



















【ねぇ、かん。このシャツどう?】










[んあ?ああ…いいと思う。]










【………。興味なさそう。】










[………だって…。
服とかわかんねぇんだもん。]











【もう、いいよ…栄醐えいごに聞こうかな。】










俺はぎょっとした。










[お、おい、ちょっと…]










【なに?】










[まさか咲鞍さきくらさんと
昔なんかあった、とか言わないよな?]











【さぁて?】










[お、おいっ…天士てんじ?]











俺は思わず天士てんじの肩を掴んだ。











【痛い!】










[!ごめ…]









【………。ううん。ちょっとやりすぎた。】











[いや…。本当にごめん………。
で…どう、なの?]












【え?まさか本気で栄醐えいご
なんかあったか、とか思ってるの?】












[だって…小さい頃から
ずっと一緒だったん、だ、ろ?]












【ふ…。それ、気にしてた、の?】











[…っつ。]










【んー。栄醐えいごは昔から
優しかったよ。
俺が男しか好きになれないって
自覚して荒れたときも
栄醐えいごはそれがどうした?みたいな
感じで気にしなかった。】











[そう、なんだ…。]










【とてもいいやつだけど…。
俺は栄醐えいごを友達以上には見れないよ。】











[ん…。ごめん。変なこと言った。]











【なんか嬉しいな~
かんが、妬いてくれてる。
可愛いなぁ…。】











[ちょ!バカ!可愛い、とかっ!
やめろよ!ボケ!]











【ん、ふふ…。】











結局天士てんじはさっきのシャツを買い
俺は天士てんじの選んだTシャツを買った。











星斗せいと達との
待ち合わせ場所に来ると
2人は大量の袋を抱えて待っていて。











[は?なにそんなに買ったの?]










栄醐えいごが僕の服とか
いっぱい買ってさ。
もう、いいって言ってるのに~」












『いやもう!可愛いのなんのって!
これでも減らしたんだぜ~』











栄醐えいごはやっぱ
オヤジ入ってるね…】











呆れ顔の3人と
星斗せいとの頭をぐりぐりと撫でまわし
ほくほく顔の咲鞍さきくらさん。











『よし!ホテルに戻ってバーに行くぞ~!』











俺たちは笑いあい駐車場に向かった。



















ホテルのバーは静かでシックな雰囲気。









夜景がものすごく綺麗で…
あともう少ししたら花火もあがるらしい。












咲鞍さきくらさんはジントニック
星斗せいとはカルーアミルク。

天士てんじはカンパリソーダ
俺はモヒートを頼んだ。














のんびりと話をしながら
夜景を見て飲んでいると
花火が始まり星斗せいと
目を輝かせわぁぁ~綺麗だねぇ…と
呟いて咲鞍さきくらさんに抱きつく。












俺と天士てんじ
自然と視線がぶつかって微笑みあった。











そっとテーブルの上の
天士てんじの手を握る。










かん…。】











天士てんじは一瞬泣きそうな顔をして
ふっ、と前を向き花火を瞳に映した。











その横顔を俺は盗み見ながら
花火を眺める。











花火が終わると自然に
バーにいた人達から拍手がおこった。












しばらくすると星斗せいと
咲鞍さきくらさんの肩に頭をあずけて
眠ってしまったようで。












咲鞍さきくらさんは星斗せいとを横抱きにして
明日朝またな、とウインクして
部屋に帰っていった。












[どうする?もう少し飲んでいくか?]










【ん、そだね。あと一杯。】










[ん。………。XYZにしようかな。]











【あ、俺もそれがいい!】










2人でカクテルグラスを傾ける。











[なぁ、天士てんじ。俺…。
こんなに幸せで怖いときがあるよ。]














かん…。】










[これからも末長く
よろしくお願いします。……これ。]











【えっ………。ど、どしたの?なに……?】











俺は天士てんじの手をとり
そっとそれを握らせた。












【………ネックレ、ス?】











[ああ。なんか、ダブルリング、って
永遠の絆って意味があるらしい。]











天士てんじの瞳から涙が流れる。











【………ぅ。…かん…か………ん。
あ、りが…とう……。】











[ちゃんと18金の
ホワイトゴールド?だから。]











【でも…。ど…して………。】










[俺やっとお金返せたし
天士てんじにプレゼント
買いたいって思ってて。
…この旅行のタイミングで
渡せたら、って。]












【ぅぅ………ありがと、ね…。
…………着けて、くれる?】












[ああ。]










俺は立ち上がり
天士てんじの後ろに立った。












[………ん?あれ?これどうやんだ?
………くそ…]










天士てんじは泣き笑いの表情になる。












【あは…かんったら………
ムードが!ふふふ…。
でもかんらしくて好き。
…ここ、をこうやって…】











[あ、わかった…すまん…
くくっ…慣れねぇことを
するもんじゃねぇな…
くそ………はぁ…はい、できた。]












【どう?】












[…似合う、よ。]












俺の顔は真っ赤になっていたに違いない。











ふふふ、と笑ってネックレスを
触る手が官能的で
俺は体まで熱くなった。












俺たちはバーを出て部屋へ戻り
各自シャワーを浴びる。











先に入った俺がバルコニーで
夜景を眺めていると
天士てんじがそっとバックハグしてきた。












かん…。綺麗だねぇ…】










天士てんじ………。ん……。]











【はい、お水…。】











俺が振り返ると天士てんじ
ペットボトルから水を飲み
キスをして俺の口に流し込む。











[…ん。うま…。もっと…。]












何度も水を飲ませてもらううちに
俺は天士てんじの唇に吸いついた。











【んぅ………】











[………天士てんじ、ベッド行こう?]











【ん…でも………。明日朝早い、よ?】











[抱きあって寝よ…。]











【んふ…。うん。】











ちゅ、ちゅ…と啄むようなキスを
繰り返しながらベッドまで行くと
俺たちはバスローブを脱いで
タオルケットの中に潜り込む。














お互いの肌のぬくもりを感じて
目を閉じた。












[なぁ…。明日楽しみだな。]











【だね~起きられるかな…】











[おやすみ…。]











【おやすみ、かん。】












俺は天士てんじが頭を
撫でてくれる手にすべてを委ね
眠りにつく。


























朝4時30分。
ロビーに集合。










星斗せいとはやけにはりきって
はしゃいでいるし
咲鞍さきくらさんもガムを噛んで
眠気を覚ましているようだ。











運転してもらわなきゃならないからな。









俺は冷たい水を差し出した。












『おっ!さんきゅーな。かん。』











首をふり、よろしくお願いします、と
言うと咲鞍さきくらさんは嬉しそうに笑った。












天士てんじは寝ぼけ眼で
ぼぉっとロビーのソファに座ってる。

大丈夫かなぁ…。












なんとか立たせて車に乗せると
すぐに眠ってしまった。












『…ぐは………なに?
昨夜、夜更かししたのか?』











[ばっ!ちゃ、ちゃんと寝ましたよ!]











かん、怪しいなぁ?ふふふー」












[ばかやろっ!星斗せいとまで!]












ふふふ、と運転席と助手席の2人は
笑い俺は真っ赤になって反論する。












結局ぐっすり寝てしまった
天士てんじを膝枕してやり
身の置き場がないような気分で
車内を過ごした。












星斗せいとたちは相変わらず
ラブラブで平気で俺の前でも
キスしやがって…。












目のやり場がなくて
眠っている天士てんじの横顔を
ずっと見ていた。













まだ暗い中をダイアモンドヘッドの
入り口にたどり着いて
ほっと一息ついて俺は
天士てんじを起こす。











天士てんじ…、なぁ、着いたよ。]











【ん…。かん…。】











あろうことか天士てんじ
俺の首に手をまわしキスしてきた。












[んっ!…ちょ!コラ!
やめ…んんっ………ばかやろ……ん!]













ちらっと前を見ると
驚いた顔の星斗せいと
にやにやしている咲鞍さきくらさん。













星斗せいと。しばらく2人に
しといてやろう。ほら、出るぞ。』












「う、うん…。」











2人は車を出て行った。














[ん、むぁ…バカ天士てんじ!起きろ!]











【…んー。ん?あ、え?着いた?】










[ああ!着いたよ!ボケ!]










【夢見てた…。】










[っつ…ど、んな夢だよ?]











【えっ…あの………かんが…】











[俺が、なん、だよ?]










栄醐えいごたちが見てる前でキスしてきて…】











[はぁ!?]











【俺は嬉しくてさ…】













[ばっ!!!バカじゃねぇか!
………したのは反対だけど見られた、ぞ。]











【…!えええ?】











[おまえがしてきたんだろうがよ!]












【ええ?そ、そんな…
そ、うなの?ご、ごめん………。】













馬鹿野郎!と俺はむくれた。












【2人は?】











[外で待ってるよ…。はずい……。]











【ね、見せつけてやろう?】











[やだって!バカ!このくそやろう!]










俺がバン、と扉を開けたら…










目の前で星斗せいと咲鞍さきくらさんが
キスしてた…。











[う、わぁ!…!な、な…


あ、ちょっ!バカ!天士てんじ!…んむぅ…]












負けじとキスしてくる
天士てんじを無理矢理引き剥がして
おまえら!いいかげんにしろ!
馬鹿野郎!と怒鳴った俺は
まだ暗くてよかった、と安堵する。













星斗せいと咲鞍さきくらさんと天士てんじ
クスクスと笑っていて…。













[ボケ!行くぞ!
30分ぐらいは頂上までに
かかるんだから!急いで!]














そう言い天士てんじの手をとった。
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