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淫雨
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『人殺し?』
「うん。」
栄醐は星斗を抱き寄せた。
『そう、か…。』
抱く手に力がこもる。
「なに、も…聞かないの?」
『星斗が話したければ
話したらいい。いやなら別にいい。』
「栄醐…。どうしてそこまで…」
『星斗…。』
栄醐はむせび泣いていた。
「栄醐…。」
星斗は栄醐に必死に抱きつき
荒い呼吸を繰り返す。
『星斗、大丈夫、か?』
「…。僕が小学校2年になって
しばらくたったある日…。
家に帰ったらばあちゃんが
胸を押さえて苦しんでいたんだ。
ばあちゃんは僕に救急車を
呼んで、と言った。」
はぁはぁ、と苦しそうに息を吐く
星斗の背中を栄醐は
ゆっくりとさする。
「でも僕はわざと呼ばなかった。
苦しむ姿を冷めた目で
じっと見てた。
解放されたかったんだ…。
ばあちゃんの暴力から…。
言葉の暴力から…。
絶望的な恨みに満ちた目で
僕を睨みながらばあちゃんは
死んでいった。」
『星斗…。』
「そして救急車を呼んだ。
学校から帰ったらおばあちゃんが
倒れていた、と嘘をついた…。
はぁはぁ……運悪く僕は…僕は
逃げおおせてしまった…。」
栄醐は胸元が星斗の涙で
ぐしょぐしょに濡れてくるのを
ただただ感じていた。
『星斗…。つらかったな…。』
星斗の頭に栄醐の涙が降る。
「僕は人殺しなんだ!
しかも自分のばあちゃんを!
みご、ろしに…。うわぁぁあ!」
腕の中でブルブル震え泣きわめく
星斗をがっちりと抱きとめ
栄醐はキスをし
星斗の唇をふさいだ。
「んぅぅ…んぁ…んぐぅ…
っ………あああ!」
まだ暴れる星斗を
落ち着かせるように抱きしめ
頭を撫で続ける栄醐。
『星斗…。おまえの苦しみを全部
俺に渡せ。俺が持っててあげるから。
俺が守ってやる。な。星斗。
背負わなくていいよ…全部おろせ。』
「うわぁぁ…栄醐っ…栄醐………。」
『星斗…大丈夫だよ…。
俺は星斗の味方だ。
見捨てたりしないから…。』
「栄醐…栄醐………栄醐………。
忘れさせて…」
『星斗…。』
栄醐は星斗を抱き上げ
ベッドに移動した。
「栄醐………。」
『忘れさせてやる。
なにも考えられないほど
俺に溺れさせてやる。』
そう言うと栄醐はつるり、と
星斗のスエットの上下を脱がせ
トランクス1枚にした。
「あ………。」
栄醐自身も衣服を脱ぎ捨て
ボクサーパンツ1枚になる。
『星斗…。愛してる…。』
栄醐はそっと星斗を
包んだ。肌と肌を触れあわせ
熱を交わす。
「栄醐…熱い………。気持ち、いい…」
『星斗は冷たくて気持ちいい…
ほら……キスしよ…。』
「ん…。んぅ…んんっ…」
『もっと触れあおう…』
栄醐は星斗を抱き込んだ。
「あ…。え…ご…。………かたい…。」
『あぁ…星斗を愛してる証拠さ…』
ボクサーパンツの上から星斗に
そこを触らせると星斗は
ゴクリ、と喉を鳴らした。
「………。濡れてる。」
『あぁ…カウパーだよ…』
「………ん。」
星斗はゆっくりと撫で始めた。
『ぅ…星斗………。』
「え…ご……。気持ち、い?」
『あぁ…星斗のも撫でてあげよう。』
「んっ!んあ…あ、や……」
『星斗のも固くなってきた、よ…。』
また星斗を抱き込んで唇を奪う。
狂おしく下唇を舐め吸い
舌を絡ませて口中を味わう。
栄醐は星斗をひっくり返して
跨がり星斗を見下ろした。
『星斗。愛してるよ…。
気持ちよくなろうな…』
そう言うと栄醐は星斗の
両手に自分の両手を絡め
顔の両横に置いた。
星斗はぎゅっ、と
握る手に力を込める。
星斗に深くキスをして
栄醐は夢中で舌を絡めた。
「ん、んんっ、んは…ぅむっ…
ふぁ…ぅ、んっ…ぅん…」
『愛してる…おまえは俺のもの。』
首筋ににチリッと何度も痛みが走る。
「あっ!…つ、あ!………
え…ご………。んっ、つぅ!」
栄醐は星斗の首筋に
いくつものキスマークをつけた。
青白かった星斗の体は
今、朱に染まっている。
その中にたくさん深紅の花が咲き
栄醐は自分のしたことながら見惚れる。
『星斗…綺麗だよ…』
「っつ!……栄醐…………。」
星斗は恥ずかしくなって
栄醐に抱きついた。
肩の傷が目に入る。
「あ………栄醐…。ごめんね…
ここ………。痛そう…。ごめんなさい…。」
『大丈夫だよ…この傷も…
愛おしいんだ…。ずっと
残っててくれたら、とさえ思う。』
「栄醐。僕…。」
『ん?』
「僕…初めてじゃない。だから…」
『えっ?』
「うん。」
栄醐は星斗を抱き寄せた。
『そう、か…。』
抱く手に力がこもる。
「なに、も…聞かないの?」
『星斗が話したければ
話したらいい。いやなら別にいい。』
「栄醐…。どうしてそこまで…」
『星斗…。』
栄醐はむせび泣いていた。
「栄醐…。」
星斗は栄醐に必死に抱きつき
荒い呼吸を繰り返す。
『星斗、大丈夫、か?』
「…。僕が小学校2年になって
しばらくたったある日…。
家に帰ったらばあちゃんが
胸を押さえて苦しんでいたんだ。
ばあちゃんは僕に救急車を
呼んで、と言った。」
はぁはぁ、と苦しそうに息を吐く
星斗の背中を栄醐は
ゆっくりとさする。
「でも僕はわざと呼ばなかった。
苦しむ姿を冷めた目で
じっと見てた。
解放されたかったんだ…。
ばあちゃんの暴力から…。
言葉の暴力から…。
絶望的な恨みに満ちた目で
僕を睨みながらばあちゃんは
死んでいった。」
『星斗…。』
「そして救急車を呼んだ。
学校から帰ったらおばあちゃんが
倒れていた、と嘘をついた…。
はぁはぁ……運悪く僕は…僕は
逃げおおせてしまった…。」
栄醐は胸元が星斗の涙で
ぐしょぐしょに濡れてくるのを
ただただ感じていた。
『星斗…。つらかったな…。』
星斗の頭に栄醐の涙が降る。
「僕は人殺しなんだ!
しかも自分のばあちゃんを!
みご、ろしに…。うわぁぁあ!」
腕の中でブルブル震え泣きわめく
星斗をがっちりと抱きとめ
栄醐はキスをし
星斗の唇をふさいだ。
「んぅぅ…んぁ…んぐぅ…
っ………あああ!」
まだ暴れる星斗を
落ち着かせるように抱きしめ
頭を撫で続ける栄醐。
『星斗…。おまえの苦しみを全部
俺に渡せ。俺が持っててあげるから。
俺が守ってやる。な。星斗。
背負わなくていいよ…全部おろせ。』
「うわぁぁ…栄醐っ…栄醐………。」
『星斗…大丈夫だよ…。
俺は星斗の味方だ。
見捨てたりしないから…。』
「栄醐…栄醐………栄醐………。
忘れさせて…」
『星斗…。』
栄醐は星斗を抱き上げ
ベッドに移動した。
「栄醐………。」
『忘れさせてやる。
なにも考えられないほど
俺に溺れさせてやる。』
そう言うと栄醐はつるり、と
星斗のスエットの上下を脱がせ
トランクス1枚にした。
「あ………。」
栄醐自身も衣服を脱ぎ捨て
ボクサーパンツ1枚になる。
『星斗…。愛してる…。』
栄醐はそっと星斗を
包んだ。肌と肌を触れあわせ
熱を交わす。
「栄醐…熱い………。気持ち、いい…」
『星斗は冷たくて気持ちいい…
ほら……キスしよ…。』
「ん…。んぅ…んんっ…」
『もっと触れあおう…』
栄醐は星斗を抱き込んだ。
「あ…。え…ご…。………かたい…。」
『あぁ…星斗を愛してる証拠さ…』
ボクサーパンツの上から星斗に
そこを触らせると星斗は
ゴクリ、と喉を鳴らした。
「………。濡れてる。」
『あぁ…カウパーだよ…』
「………ん。」
星斗はゆっくりと撫で始めた。
『ぅ…星斗………。』
「え…ご……。気持ち、い?」
『あぁ…星斗のも撫でてあげよう。』
「んっ!んあ…あ、や……」
『星斗のも固くなってきた、よ…。』
また星斗を抱き込んで唇を奪う。
狂おしく下唇を舐め吸い
舌を絡ませて口中を味わう。
栄醐は星斗をひっくり返して
跨がり星斗を見下ろした。
『星斗。愛してるよ…。
気持ちよくなろうな…』
そう言うと栄醐は星斗の
両手に自分の両手を絡め
顔の両横に置いた。
星斗はぎゅっ、と
握る手に力を込める。
星斗に深くキスをして
栄醐は夢中で舌を絡めた。
「ん、んんっ、んは…ぅむっ…
ふぁ…ぅ、んっ…ぅん…」
『愛してる…おまえは俺のもの。』
首筋ににチリッと何度も痛みが走る。
「あっ!…つ、あ!………
え…ご………。んっ、つぅ!」
栄醐は星斗の首筋に
いくつものキスマークをつけた。
青白かった星斗の体は
今、朱に染まっている。
その中にたくさん深紅の花が咲き
栄醐は自分のしたことながら見惚れる。
『星斗…綺麗だよ…』
「っつ!……栄醐…………。」
星斗は恥ずかしくなって
栄醐に抱きついた。
肩の傷が目に入る。
「あ………栄醐…。ごめんね…
ここ………。痛そう…。ごめんなさい…。」
『大丈夫だよ…この傷も…
愛おしいんだ…。ずっと
残っててくれたら、とさえ思う。』
「栄醐。僕…。」
『ん?』
「僕…初めてじゃない。だから…」
『えっ?』
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