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契愛
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「ほら!これ!額に入れたよ!」
2人で俊詩の部屋に帰ると
すぐに俊詩は婚姻届を
額に入れて見せた。
棚に額を飾り2人で眺める。
「嬉しい…。」
彩明は涙声だ。
「彩明…。欲しい。
彩明の全部が欲しい。」
そう言うと俊詩は
彩明の唇を奪った。
「んっ…んん…ふぁ…
ぅ、ん…と、しふみっ、待って…。」
「彩明…俺もう。」
「シャ、ワーしたい…
汗、かいてるし…
ジュンビは、シテキタ…カラ………………。」
最後のほうは小さな
たどたどしい声で
彩明は真っ赤になって言った。
「……!彩明!」
俊詩は彩明を押し倒す。
「シャ、ワー…んっ……
ぅぅ…んっ!お、ねが…い……
ああっ!んんっ!」
俊詩はかまわずに彩明の
Tシャツを剥ぎ取った。
「俺、彩明の汗の匂いも
好きなんだ…。」
肌に吸いつき胸の突起を
口に含む俊詩。
もうひとつの尖りにも
指を這わせ優しくクリクリと撫でた。
「ちょ………。あっ!
はぁ……ん…も。あああっ!
…んあっ……あ!んっ!」
俊詩は、彩明の喘ぎ声に
一気に熱くなり限界を感じる。
いきなり彩明に自分の白濁をみせるのは
怖がらせるかもしれないと
思った俊詩は
「彩明、ごめん、ちょ、と…
もちそうにない…シャワーで
1回、だしてくる、から…」
そう言うと足早に俊詩は
風呂に向かった。
扉を閉めシャワーを出すと
湯を頭からかぶる。
そっと自身を握ろうとした時
扉が開いた。
「とし、ふみ。僕が、する…。」
「あやあき…。んっ!あ!ああっ!」
彩明は俊詩を
壁に押しつけ、しゃがみこんで
反り勃っているものを口に含んだ。
「んは…ん………あ、やあき…
は!ああっ…ぅぅ…あっ…
あ!出る!からっ、口離して…
!あやあきっ!あ!あああっ!」
首をふり口中に俊詩の白濁を受け止める彩明。
「んぐっ…んんん…。」
「…あやあ…き、大丈夫、か?」
「…ん。こう、したかっ、た、から…」
「彩明…。ベッドへ行こう、か。」
頷き、彩明は自分と俊詩を
バスタオルで拭いた。
その間にも俊詩は
絶え間なくキスをする。
彩明の頭をすっぽりと
つかんで顔中にキスをふらせた。
「ん、も…拭けない、よ…。」
「もう、いいよ、いこう。
あやあき…」
俊詩はベッドに彩明を座らせて
頭を庇い目を見つめたまま
ゆっくりと寝かせた。
「あやあき…愛してる。」
彩明は返事の代わりに
少し身を起こし
自分から俊詩に深いキスをした。
「あやあ、き…。怖かったり
嫌だったりしたらすぐ言うんだぞ。
我慢しなくてい、いから。
とめて欲しかったら
いつでもやめるから。」
「としふみ…。とめないで…
やだ、って言ってもやめないで…
ぼ、くだって…としふみと
ひとつになりたい、んだ…。
今日、ひとつになりたい、っ!」
彩明は俊詩に
必死に縋り付き唇をむさぼり吸って
胸の尖りに手を這わせた。
「んっ…んぅっ…ん、ん……
ぅ、んん、ふぅ…ん…
んぅぅ…あやあきっ!」
彩明をひっくり返し
上になった俊詩は
彩明と指を絡ませた。
愛おしそうに撫で合い微笑む。
体中にキスをして
証を残していく俊詩に
彩明はあえかな息を吐き出して
身をよじりながらも
全身をピンク色に上気させ
幸せに震えていた。
俊詩がキスをしながら
彩明の中心を愛撫する。
すでに勃起して先走りの蜜が
トロトロと零れている
その蜜口をゆるゆると撫で
丁寧に扱く。
壊れ物にふれるようにそっと…。
大切に丁寧に愛撫する。
「あ…んあんっ!あぁ…
としふみ……もう…あ!
あああっあ!んんっあ!」
彩明は白濁を吐き出し果てた。
俊詩がそっと
ティッシュで拭ってやると
彩明はギュッと抱きつき
吐息とともに
「あいしてる…」と囁いた。
「彩明、大丈夫か?」
「…ふ…ぅん。」
「…………ほぐす、から
ローション、つける、よ。」
彩明が怖くないように
後ろからギュッと抱きしめて
そっと秘部に手を這わす。
「んっ!」そこに触れた途端
ビクッと体を固くする彩明。
「大丈夫…ゆっくり、するから。
あやあき…愛してるよ。
繋がろうな…。ひとつになろう。」
「としふ、みっ!愛してる…
奪って!僕を!
前世の彪亮でもない
アキでもない。
今の彩明の僕を!
全部!全部、奪って欲、しっ!
………あああ!ん…
は、ぁぁ……んっ!
ふ、ぅん、あぁ!」
ローションをたっぷりかけ俊詩は
彩明の秘部をゆっくりとほぐす。
指を少しずつ奥へ進めると
彩明が苦しそうに息をつく。
襞にそってそろそろと指を動かして
彩明の感じるところを目指した。
ゴリッと、指先が前立腺に当たる。
「あ!あああっ!ひ…!
うぅっ!あ!や!やぁぁぁ!
んっ!としふ、み!」
彩明は涙を流し喘ぐ。
俊詩は彩明の涙を
舐め取ってから指を増やした。
入るところを広げるように
じわじわと動かす。
彩明は荒い息を吐き
俊詩の手を握りしめた。
「もう…もう、ぼ、く…。
もう………としふみっ…!
はやくっ…きてっ……。」と叫ぶ。
「ぅ…あ、やあきっ!」
俊詩は自分の勃起に
ゴムをつけてから彩明を見つめた。
瞳を探るように見ると
彩明は濡れた目をして
見つめ返してから
ゆっくり瞬きをした。
俊詩はかぁっと熱くなり
ローションを自身に塗りつけて
彩明のうしろにあてがう。
「あ!あぁぁぁ!」
彩明が叫ぶ。
ジリジリと奥へと進めていく俊詩。
「彩明…力を抜いて…」
「と…しふみぃぃ………。」
「ぅ…彩明…。好きだよ…。
好きだ!愛してる。」
俊詩はそっと彩明に
キスをする。
愛しさが溢れて涙を零しながら
お互いの唇を吸いあった。
「あ!あぁ!あ!!」
「彩明入ったよ…。」
ぎゅっと抱きしめられて彩明は
高揚感に打ち震える。
「と…しふみ………。
好き!あ、いしてるっ、んあっ…。」
「う、ごく、よ…」
俊詩はゆるく抽挿を開始した。
「あ、あ、あっ!はぁ、ん!あ!」
「ん、んんっ、ふ、うぅ!は!あ!」
俊詩は勃ちあがっている
彩明のものを扱きながら
抽挿を繰り返す。
「あ、あ、あっ、あんっ!
あ!ぁぁぁぁああ!」
「んっ!はっ、はぁ、あ!
うっ…うううぅぅ!」
2人は同時に果て、抱きしめあった。
2人で俊詩の部屋に帰ると
すぐに俊詩は婚姻届を
額に入れて見せた。
棚に額を飾り2人で眺める。
「嬉しい…。」
彩明は涙声だ。
「彩明…。欲しい。
彩明の全部が欲しい。」
そう言うと俊詩は
彩明の唇を奪った。
「んっ…んん…ふぁ…
ぅ、ん…と、しふみっ、待って…。」
「彩明…俺もう。」
「シャ、ワーしたい…
汗、かいてるし…
ジュンビは、シテキタ…カラ………………。」
最後のほうは小さな
たどたどしい声で
彩明は真っ赤になって言った。
「……!彩明!」
俊詩は彩明を押し倒す。
「シャ、ワー…んっ……
ぅぅ…んっ!お、ねが…い……
ああっ!んんっ!」
俊詩はかまわずに彩明の
Tシャツを剥ぎ取った。
「俺、彩明の汗の匂いも
好きなんだ…。」
肌に吸いつき胸の突起を
口に含む俊詩。
もうひとつの尖りにも
指を這わせ優しくクリクリと撫でた。
「ちょ………。あっ!
はぁ……ん…も。あああっ!
…んあっ……あ!んっ!」
俊詩は、彩明の喘ぎ声に
一気に熱くなり限界を感じる。
いきなり彩明に自分の白濁をみせるのは
怖がらせるかもしれないと
思った俊詩は
「彩明、ごめん、ちょ、と…
もちそうにない…シャワーで
1回、だしてくる、から…」
そう言うと足早に俊詩は
風呂に向かった。
扉を閉めシャワーを出すと
湯を頭からかぶる。
そっと自身を握ろうとした時
扉が開いた。
「とし、ふみ。僕が、する…。」
「あやあき…。んっ!あ!ああっ!」
彩明は俊詩を
壁に押しつけ、しゃがみこんで
反り勃っているものを口に含んだ。
「んは…ん………あ、やあき…
は!ああっ…ぅぅ…あっ…
あ!出る!からっ、口離して…
!あやあきっ!あ!あああっ!」
首をふり口中に俊詩の白濁を受け止める彩明。
「んぐっ…んんん…。」
「…あやあ…き、大丈夫、か?」
「…ん。こう、したかっ、た、から…」
「彩明…。ベッドへ行こう、か。」
頷き、彩明は自分と俊詩を
バスタオルで拭いた。
その間にも俊詩は
絶え間なくキスをする。
彩明の頭をすっぽりと
つかんで顔中にキスをふらせた。
「ん、も…拭けない、よ…。」
「もう、いいよ、いこう。
あやあき…」
俊詩はベッドに彩明を座らせて
頭を庇い目を見つめたまま
ゆっくりと寝かせた。
「あやあき…愛してる。」
彩明は返事の代わりに
少し身を起こし
自分から俊詩に深いキスをした。
「あやあ、き…。怖かったり
嫌だったりしたらすぐ言うんだぞ。
我慢しなくてい、いから。
とめて欲しかったら
いつでもやめるから。」
「としふみ…。とめないで…
やだ、って言ってもやめないで…
ぼ、くだって…としふみと
ひとつになりたい、んだ…。
今日、ひとつになりたい、っ!」
彩明は俊詩に
必死に縋り付き唇をむさぼり吸って
胸の尖りに手を這わせた。
「んっ…んぅっ…ん、ん……
ぅ、んん、ふぅ…ん…
んぅぅ…あやあきっ!」
彩明をひっくり返し
上になった俊詩は
彩明と指を絡ませた。
愛おしそうに撫で合い微笑む。
体中にキスをして
証を残していく俊詩に
彩明はあえかな息を吐き出して
身をよじりながらも
全身をピンク色に上気させ
幸せに震えていた。
俊詩がキスをしながら
彩明の中心を愛撫する。
すでに勃起して先走りの蜜が
トロトロと零れている
その蜜口をゆるゆると撫で
丁寧に扱く。
壊れ物にふれるようにそっと…。
大切に丁寧に愛撫する。
「あ…んあんっ!あぁ…
としふみ……もう…あ!
あああっあ!んんっあ!」
彩明は白濁を吐き出し果てた。
俊詩がそっと
ティッシュで拭ってやると
彩明はギュッと抱きつき
吐息とともに
「あいしてる…」と囁いた。
「彩明、大丈夫か?」
「…ふ…ぅん。」
「…………ほぐす、から
ローション、つける、よ。」
彩明が怖くないように
後ろからギュッと抱きしめて
そっと秘部に手を這わす。
「んっ!」そこに触れた途端
ビクッと体を固くする彩明。
「大丈夫…ゆっくり、するから。
あやあき…愛してるよ。
繋がろうな…。ひとつになろう。」
「としふ、みっ!愛してる…
奪って!僕を!
前世の彪亮でもない
アキでもない。
今の彩明の僕を!
全部!全部、奪って欲、しっ!
………あああ!ん…
は、ぁぁ……んっ!
ふ、ぅん、あぁ!」
ローションをたっぷりかけ俊詩は
彩明の秘部をゆっくりとほぐす。
指を少しずつ奥へ進めると
彩明が苦しそうに息をつく。
襞にそってそろそろと指を動かして
彩明の感じるところを目指した。
ゴリッと、指先が前立腺に当たる。
「あ!あああっ!ひ…!
うぅっ!あ!や!やぁぁぁ!
んっ!としふ、み!」
彩明は涙を流し喘ぐ。
俊詩は彩明の涙を
舐め取ってから指を増やした。
入るところを広げるように
じわじわと動かす。
彩明は荒い息を吐き
俊詩の手を握りしめた。
「もう…もう、ぼ、く…。
もう………としふみっ…!
はやくっ…きてっ……。」と叫ぶ。
「ぅ…あ、やあきっ!」
俊詩は自分の勃起に
ゴムをつけてから彩明を見つめた。
瞳を探るように見ると
彩明は濡れた目をして
見つめ返してから
ゆっくり瞬きをした。
俊詩はかぁっと熱くなり
ローションを自身に塗りつけて
彩明のうしろにあてがう。
「あ!あぁぁぁ!」
彩明が叫ぶ。
ジリジリと奥へと進めていく俊詩。
「彩明…力を抜いて…」
「と…しふみぃぃ………。」
「ぅ…彩明…。好きだよ…。
好きだ!愛してる。」
俊詩はそっと彩明に
キスをする。
愛しさが溢れて涙を零しながら
お互いの唇を吸いあった。
「あ!あぁ!あ!!」
「彩明入ったよ…。」
ぎゅっと抱きしめられて彩明は
高揚感に打ち震える。
「と…しふみ………。
好き!あ、いしてるっ、んあっ…。」
「う、ごく、よ…」
俊詩はゆるく抽挿を開始した。
「あ、あ、あっ!はぁ、ん!あ!」
「ん、んんっ、ふ、うぅ!は!あ!」
俊詩は勃ちあがっている
彩明のものを扱きながら
抽挿を繰り返す。
「あ、あ、あっ、あんっ!
あ!ぁぁぁぁああ!」
「んっ!はっ、はぁ、あ!
うっ…うううぅぅ!」
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