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目覚め
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朝、目覚めると見覚えのない天井…
(あ、違う。引っ越したんだった…)
のそり、と起き上がり時間を確認する。
やはり6時半。
(俺はアキの言う
あの人、とやらなのかな…
よくわからない。
前世?なんだそりゃ…)
スマホが震える。
(きっと、アキだ。)
【【会う決心、着いた?】】
しばらく俊詩は考えた。
そして意を決してLINEを送る。
【会おう。いつ、会える?】
【【ボクにもわからないんだ。
またLINEする。】】
【おい、わからないってなんだよ】
そう送ったが既読にならなかった。
(会う、って言ったの
やっぱりまずかったかな…。)
(もう、どうでもいいや…)
ちょっとやけになりながら
朝食のパンを少しだけ食べ
俊詩は学校に行く準備をして
自転車に乗った。
昼休み校内放送からは
生徒会長の公約、ということで
話している神宮寺の声が響いていた。
(この声…俺、なんだか
心地いいんだよな…)
ん?何を考えてんだ…
俺はこのごろ本当にどうかしてる。
そう思いながら机につっぷし
昼寝をきめこんだ。
浅い眠りの中
また夢を見ている俊詩。
猛吹雪の中、誰かと手を取りあい
歩いている。
離れないようにしっかりと
ロープでお互いを結ぶ。
相手の顔がはっきり見えた。
「アキ!!!!!!!!」
ものすごい大声で叫び
思い切り立ち上がった。
机と椅子が大きな音をたてる。
クラス中がシーンと静まり返った。
「ふ、フミちゃんどうしたの?」
叶愛が声をかける。
「ご、ごめん。夢、見てただけ。
も、もうすぐ夏なのに
急に秋がきたんだ…」
ぎこちない嘘っぽい言い訳。
けれどクラス中は笑いに包まれた。
「バカじゃない?アハハ!」
指をさして笑われる。
「は、は、ははは…」
誤魔化すように必死に笑った。
「はっず!俺、今日、早退!」と
カバンを手に逃げ出す。
あとにした教室では
まだ笑いが起きていた。
(ふぅ…なんとか乗り切った、のか?)
しかしあの夢でアキの顔が
はっきりと見えた。
あのニコ、と笑った顔。
アキに連絡を取らなければ。
LINEを開く。
まだ既読になっていない。
【アキ。会いたい。】
そう送った。自転車を押し
歩きながらずっとスマホを
チェックするも既読にならないので
家までたどり着いてしまった。
しかたないので部屋に入り
ベッドに横になった。
アキからのLINEを読み返す。
やはり俺たちは前世で会ってるのか?
不思議なくらいストンと
腑に落ちた気がした。
そうなのかもしれない。
「アキ…。」
その夜になっても
アキからは連絡がなかった。
(なぜなんだ…アキ。)
スマホが震えた。
「アキ!!」思わず叫びスマホをあける。
しかしLINEの画面は神宮寺、だった。
《【神田くん。今日の校内放送、
聞いてくれた?】》
(今、そんな気分じゃねぇ…)
【ごめん、昼寝してた。】
《【そっか。うまく話せた、と
思ったんだけど。】》
【よかったじゃん。】
《【うん。じゃあおやすみ。】》
【ああ。】
ふーーーっと息を吐く。
(アキ、アキ…アキ。)
早く、早く。
しばらくしてスマホがまた震えた。
アキだ。
【【今から行ってもいい?】】
【アキ!うちを知ってるのか?】
【【こないだ後をつけた。】】
【やっぱストーカーじゃん。】
【【そうだね。】】
【来い。】
【【うん。待ってて。】】
(あ、違う。引っ越したんだった…)
のそり、と起き上がり時間を確認する。
やはり6時半。
(俺はアキの言う
あの人、とやらなのかな…
よくわからない。
前世?なんだそりゃ…)
スマホが震える。
(きっと、アキだ。)
【【会う決心、着いた?】】
しばらく俊詩は考えた。
そして意を決してLINEを送る。
【会おう。いつ、会える?】
【【ボクにもわからないんだ。
またLINEする。】】
【おい、わからないってなんだよ】
そう送ったが既読にならなかった。
(会う、って言ったの
やっぱりまずかったかな…。)
(もう、どうでもいいや…)
ちょっとやけになりながら
朝食のパンを少しだけ食べ
俊詩は学校に行く準備をして
自転車に乗った。
昼休み校内放送からは
生徒会長の公約、ということで
話している神宮寺の声が響いていた。
(この声…俺、なんだか
心地いいんだよな…)
ん?何を考えてんだ…
俺はこのごろ本当にどうかしてる。
そう思いながら机につっぷし
昼寝をきめこんだ。
浅い眠りの中
また夢を見ている俊詩。
猛吹雪の中、誰かと手を取りあい
歩いている。
離れないようにしっかりと
ロープでお互いを結ぶ。
相手の顔がはっきり見えた。
「アキ!!!!!!!!」
ものすごい大声で叫び
思い切り立ち上がった。
机と椅子が大きな音をたてる。
クラス中がシーンと静まり返った。
「ふ、フミちゃんどうしたの?」
叶愛が声をかける。
「ご、ごめん。夢、見てただけ。
も、もうすぐ夏なのに
急に秋がきたんだ…」
ぎこちない嘘っぽい言い訳。
けれどクラス中は笑いに包まれた。
「バカじゃない?アハハ!」
指をさして笑われる。
「は、は、ははは…」
誤魔化すように必死に笑った。
「はっず!俺、今日、早退!」と
カバンを手に逃げ出す。
あとにした教室では
まだ笑いが起きていた。
(ふぅ…なんとか乗り切った、のか?)
しかしあの夢でアキの顔が
はっきりと見えた。
あのニコ、と笑った顔。
アキに連絡を取らなければ。
LINEを開く。
まだ既読になっていない。
【アキ。会いたい。】
そう送った。自転車を押し
歩きながらずっとスマホを
チェックするも既読にならないので
家までたどり着いてしまった。
しかたないので部屋に入り
ベッドに横になった。
アキからのLINEを読み返す。
やはり俺たちは前世で会ってるのか?
不思議なくらいストンと
腑に落ちた気がした。
そうなのかもしれない。
「アキ…。」
その夜になっても
アキからは連絡がなかった。
(なぜなんだ…アキ。)
スマホが震えた。
「アキ!!」思わず叫びスマホをあける。
しかしLINEの画面は神宮寺、だった。
《【神田くん。今日の校内放送、
聞いてくれた?】》
(今、そんな気分じゃねぇ…)
【ごめん、昼寝してた。】
《【そっか。うまく話せた、と
思ったんだけど。】》
【よかったじゃん。】
《【うん。じゃあおやすみ。】》
【ああ。】
ふーーーっと息を吐く。
(アキ、アキ…アキ。)
早く、早く。
しばらくしてスマホがまた震えた。
アキだ。
【【今から行ってもいい?】】
【アキ!うちを知ってるのか?】
【【こないだ後をつけた。】】
【やっぱストーカーじゃん。】
【【そうだね。】】
【来い。】
【【うん。待ってて。】】
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