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気になる2人
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ふと、スマホが気になった。
今までの自分ならスマホなんて
見ることもあまりなかった。
だけど今は…………2人の人物が
気になって仕方がなかった。
アキ。神宮寺。
唯一つながっている2人。
手の中でスマホが震える。
みると神宮寺だった。
《【神田くん。
一人暮らし1日目はどう?】》
【あぁ。快適。】
《【引越し祝い、あるんだけど。】》
【そんなの、いいのに。】
《【たいしたものじゃないんだ。
インスタントラーメン1ケースだよ。
もらいにきてよ。】》
【それは素直にありがたい。】
《【あの公園で待ってる。】》
【わかった。】
引越しの2日前。
引越し先の掃除をしに行って
その近くのコンビニで
神宮寺に会った。
聞けばこの近くに家があると言う。
コンビニの横の公園で
少し話をしたのだ。
一人暮らしをすること。
それがこの近くであること。
それぐらいだけだったが。
律儀に引越し祝いを、なんて
何を考えているのか。
(ま、もらえるもんはもらっとくか。)
そう思い自転車で公園に向かう。
すでに神宮寺はブランコに
腰掛け待っていた。
傍らにはインスタントラーメンの
ダンボール。
「おう、神宮寺。ありがとう。
気をつかわせたな。」
「神田くん!
…………そんなことないよ。
これ、うちに非常用に備蓄してある
中から持ってきたから。
多少賞味期限に近いかもだけど。
ごはん、困るでしょ?」
「あぁ。助かる。」
そう言い隣のブランコに座る俊詩。
「神田くんは寝起きはいいほう?
僕が一人暮らしをしたら
朝が心配だ。」と笑う神宮寺。
「睡眠障害だ、って言ってたもんな。
俺、寝起きだけはいいほうなんだ。
と、いうか…自然に目が覚めてしまう。
いつも目覚めるの6時半なんだよ。
決まってその時間に目が覚める。
子供の頃からそうなんだ。」
「え………。そ、そうなんだ。
じゃ、僕行くね。」
「あ、あぁ。本当にありがとう。」
ううん、と言うように首を振り神宮寺は
目の前の坂を登っていった。
(家があの坂の先ってことは
お金持ちだよな。高級住宅街…。)
コンビニに寄り
少し足りなかったものを買い足した
俊詩は「…帰ろう。」と
一人言を呟き自転車をこぎ出す。
その時胸ポケットのスマホが震えた。
自転車を降りて道端に停め
スマホを開けてみる。
(アキ…)
【【ねぇ。こんな時間にそんなとこで
なにしてんの?】】
【は?お前どこから見てる?】
【【内緒。】】
【やっぱりストーカーじゃねぇか。】
【【違うよ。偶然。】】
【なんだよ、偶然って。】
【【目覚めて外を見たらさ。
キミがいたの。】】
【この高級住宅街の中?】
【【まぁね。そんなようなもん。
ところでなにか思い出した?】】
【ところで、って。ん~。
関係あるかどうかわからないけど
俺、ガキの頃から決まって
朝の6時半に目覚めるんだ。
どれだけ遅く寝ても
その時間に目があくんだ。
目覚ましなくても。】
しばらくの間があった。
【【やっぱりキミは……………………
ボクのあの人だ。】】
【なにが?】
【【起きる時間、一緒。
さすがに動揺するよ。】】
【そうか…】
【【また、LINEする。】】
【会う?】
思わずそう書き
送信しようとしたが
結局は消し、また胸ポケットに
スマホをしまった。
俊詩はしばらく佇んでいたが
自転車に乗りゆっくりとこぎ出した。
自分の気持ちが揺れ動いている。
それだけは確か。
でも何に動かされているのか。
まったくわからないでいた。
(俺はなにものなのだろう。)
夜風が気持ちいい。
ただそれだけを感じ
自転車をこいで家へと帰った。
今までの自分ならスマホなんて
見ることもあまりなかった。
だけど今は…………2人の人物が
気になって仕方がなかった。
アキ。神宮寺。
唯一つながっている2人。
手の中でスマホが震える。
みると神宮寺だった。
《【神田くん。
一人暮らし1日目はどう?】》
【あぁ。快適。】
《【引越し祝い、あるんだけど。】》
【そんなの、いいのに。】
《【たいしたものじゃないんだ。
インスタントラーメン1ケースだよ。
もらいにきてよ。】》
【それは素直にありがたい。】
《【あの公園で待ってる。】》
【わかった。】
引越しの2日前。
引越し先の掃除をしに行って
その近くのコンビニで
神宮寺に会った。
聞けばこの近くに家があると言う。
コンビニの横の公園で
少し話をしたのだ。
一人暮らしをすること。
それがこの近くであること。
それぐらいだけだったが。
律儀に引越し祝いを、なんて
何を考えているのか。
(ま、もらえるもんはもらっとくか。)
そう思い自転車で公園に向かう。
すでに神宮寺はブランコに
腰掛け待っていた。
傍らにはインスタントラーメンの
ダンボール。
「おう、神宮寺。ありがとう。
気をつかわせたな。」
「神田くん!
…………そんなことないよ。
これ、うちに非常用に備蓄してある
中から持ってきたから。
多少賞味期限に近いかもだけど。
ごはん、困るでしょ?」
「あぁ。助かる。」
そう言い隣のブランコに座る俊詩。
「神田くんは寝起きはいいほう?
僕が一人暮らしをしたら
朝が心配だ。」と笑う神宮寺。
「睡眠障害だ、って言ってたもんな。
俺、寝起きだけはいいほうなんだ。
と、いうか…自然に目が覚めてしまう。
いつも目覚めるの6時半なんだよ。
決まってその時間に目が覚める。
子供の頃からそうなんだ。」
「え………。そ、そうなんだ。
じゃ、僕行くね。」
「あ、あぁ。本当にありがとう。」
ううん、と言うように首を振り神宮寺は
目の前の坂を登っていった。
(家があの坂の先ってことは
お金持ちだよな。高級住宅街…。)
コンビニに寄り
少し足りなかったものを買い足した
俊詩は「…帰ろう。」と
一人言を呟き自転車をこぎ出す。
その時胸ポケットのスマホが震えた。
自転車を降りて道端に停め
スマホを開けてみる。
(アキ…)
【【ねぇ。こんな時間にそんなとこで
なにしてんの?】】
【は?お前どこから見てる?】
【【内緒。】】
【やっぱりストーカーじゃねぇか。】
【【違うよ。偶然。】】
【なんだよ、偶然って。】
【【目覚めて外を見たらさ。
キミがいたの。】】
【この高級住宅街の中?】
【【まぁね。そんなようなもん。
ところでなにか思い出した?】】
【ところで、って。ん~。
関係あるかどうかわからないけど
俺、ガキの頃から決まって
朝の6時半に目覚めるんだ。
どれだけ遅く寝ても
その時間に目があくんだ。
目覚ましなくても。】
しばらくの間があった。
【【やっぱりキミは……………………
ボクのあの人だ。】】
【なにが?】
【【起きる時間、一緒。
さすがに動揺するよ。】】
【そうか…】
【【また、LINEする。】】
【会う?】
思わずそう書き
送信しようとしたが
結局は消し、また胸ポケットに
スマホをしまった。
俊詩はしばらく佇んでいたが
自転車に乗りゆっくりとこぎ出した。
自分の気持ちが揺れ動いている。
それだけは確か。
でも何に動かされているのか。
まったくわからないでいた。
(俺はなにものなのだろう。)
夜風が気持ちいい。
ただそれだけを感じ
自転車をこいで家へと帰った。
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