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この手がないと僕は…。ダメだぁ…。
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飛行機が離陸する…。
初めての海外旅行に
僕はドキドキしていた。
この飛行機が着いたら
まぁくんに逢える。
サプライズで、と思っていたのに
やまちゃんがバラしちゃった。
でも、サプライズで行ってたら
まぁくんは出張でいなかったらしい。
やまちゃんに聞いてからまぁくんは
必死で出張をずらして
全然取っていなかったらしい有給を
使って3日間も休んでくれた。
だから…。ゆっくり逢える。
やまちゃんに感謝だな…。
いつも本当にありがとう…。
一緒に飛行機に乗ったやまちゃんと
皇教さんはもう
ラブラブで見てるこっちが
恥ずかしい。そして羨ましい。
(さっき感謝したの取り消し!)
僕は心の中で叫び
苦笑いするしかなかった。
しかたなく映画を観ながら
ウトウトしていた僕。
「隅坂様。毛布をお持ちいたしましょうか?」
男性のCAさんにそう聞かれて
お願いします、と言ってから
なぜ僕の名前を知っているのだろう、と
顔を上げる。
「お客様のお名前は
把握させていただいております。
それに…頼まれましたので…。
…実は真仁くんと同じ学校で
ルームメイトだったんです。
紅李翔様のお話を
よく聞いていました。
今回この機にお乗りになられると
いう事で真仁くんから
紅李翔様をよろしく、と。」
「そうなんですか!
真仁がお世話になっております。
気をつかっていただいて
ありがとうございます。
あ、毛布もありがとうございます!
え、と、あの、真仁と
仲良くしてくださって
ありがとうございます!」
「ふふふ…。真仁くんに
聞いていた通りの方ですね。
何かありましたらご遠慮なく
お呼びつけください。
深水奏佑と申します。」
「深水さんありがとうございます。
…あの、真仁はなん、て?」
「とても聡明で可愛らしい方だと。」
真っ赤になった僕に深水さんは
慌てて水とおしぼりを持ってきてくれた。
ロサンゼルスまでの約10時間
映画を観たりやまちゃんと話したり
深水さんと話したり
美味しい機内食を食べたりで
そんなに退屈はしなくて。
無事に飛行機は降り立った。
手続きをし、やきもきしながら
荷物を受け取り
ようやく出口に辿り着く。
「くーちゃん!!」
ひときわ大きな愛おしい声が聞こえた…。
僕は荷物をその場にほおり投げて
駆け寄る。
「ま…ひとぉっ!!!」
人目を憚らず抱きつくと
まぁくんの匂いでいっぱいになって
僕は泣き崩れてしまった。
「ちょっ…くーちゃん…。
紅李翔…。顔見せて…。」
「うぅぅぅ…まぁくん…。」
まだ顔をあげられない僕の耳元で
まぁくんは小声で言う。
「…我慢できなくなるだろ…?」
「!!!まぁくん!」
ばっ、と、顔を上げると
真っ赤な顔のまぁくんの瞳からも
涙が流れていた。
思わずキスをしようとすると
やまちゃんの困った声がする。
「ちょ!くりっと!真仁さんっ!
注目の的っすよ!
それにくりっと!荷物!」
僕は血の気が一気に引いた。
みんなが僕達を見てにやにやしてる…。
「わ、わ、わ!ご、ごめんなさっ…
んんっ!んっ!」
まぁくんにキスをされ目を白黒させて
胸元をポカポカと叩いた。
辺りにいた人たちはブラヴォー!と
拍手喝采。
ペコ、とお辞儀をするまぁくんと
唖然としているやまちゃんたち。
僕は呆然と口をパクパクと動かすだけ。
皇教さんが僕の荷物を持ち
やまちゃんと僕を端っこのほうまで
引っ張って行って。
そのあとから涙を拭い爆笑しながら
まぁくんが着いてきた。
「こら!おまえらっ!公衆の面前で!
バカか?何年も会えなかったわけじゃ
ないだろう?たった半年だぞ?
何考えてんだ!…ふははは!」
皇教さんは怒り笑いで
やまちゃんを引き寄せた。
「さ、ヤスくん、俺たちもしようか…。」
そう言ってやまちゃんを抱きしめる。
「ちょ!ちょ!ノリくん!
ダメだって!ちょ!んっ!
…ば、ばかやろっ!」
ドタバタしながらもなんだか
微笑ましい2人を僕達は
自然と手を繋ぎ笑って見ていた。
「おい、大和!おまえらこそ
ずっと一緒なのに何してんだよ!
バカ!…ぐははは!」
まだバタバタしているやまちゃん達を
後目にまぁくんは僕の頭を撫でる。
「紅李翔…。やっぱりちょっと
痩せたよな…。大丈夫か?」
「うん…。大丈夫だよ!
これでもだいぶ戻っ…っあ!」
「なに?もっと痩せてたのか?
もう…なにやってんだよ…。」
またまぁくんは僕を抱き寄せる。
「そっ、それよりっ!
ご飯、食べに行こうよ!
予約してくれたんでしょ?
イタリアン!」
「あ、ああ。それにしても
アメリカ来てまでイタリアンってさ。
くーちゃん…。」
「だって!美味しいお店がある、って
聞いたから!…やまちゃん!皇教さん!
ご飯行こっ!」
2人はやっとイチャイチャをやめて
こっちへ来ると荷物を指さして言う。
「これ、どうしましょう?
邪魔っすよね?」
「真仁。先、ホテル
チェックインでもいいかな?」
「まだレストランの予約時間まで
2時間あるから…
じゃあ、そうするか、紅李翔。」
「………………ん。」
「??紅李翔どうした?」
まぁくんが心配そうに
顔を覗き込んでくる。
僕は曖昧に笑って首をふった。
空港からすぐのホテルまで
タクシーを利用して…。
ものすごく豪華なホテル…。
奮発してやまちゃんとこと
合わせたけれどちょっと持て余すなぁ…と
1人気後れしていたら
颯爽とまぁくんと皇教さんが
チェックインしてくれて
各々部屋に荷物を置きに行った。
部屋はキングサイズのベッドが
置かれていて豪華なソファ…。
とても綺麗で広くて…。
窓からの景色が素敵で…。
まぁくんが背中から抱きついてくる。
「紅李翔…抱きしめたかった……。」
「真仁…僕も…。僕もだよ…。
……先にチェックインしたらもう
部屋から出たくなくなると思って…。
ちょっと躊躇しちゃった…。
ね…。顔見せて?」
まぁくんは僕の前に回ると
僕の両頬を包んだ。
頬をうなじを撫でる指に体が震える。
「紅李翔…。俺の紅李翔が
本当にここにいるんだな…。」
「まぁくん…。真仁…。キスして…。」
噛み付くようなキスが降りてくる。
僕の舌を絡めとり吸いあげると
舌で上顎を撫でられてふっ、と
体の力が抜けて
まぁくんに抱きとめられた。
片手で腰をホールドされて
必死に背中に縋る。
「んっ…ん…………。ふぁ…んっ…。」
「…んっ…はぁ……く、りと…。」
頭を撫で髪を梳く手が熱くて
僕は涙を流した。
「…んっ…………はぁ…まぁくん………
手を…手…手を……………。」
「くーちゃん…。」
「握らせ…て。」
そっと手を握り指で撫で
目を合わせてくれるまぁくん。
「ぅぅ…まぁくん…………。
この手を握りたかった…。
この手がないと僕は…。ダメだぁ…。」
膝からくずおれて泣く僕を抱き上げて
ソファに座り膝に乗せた。
しっかりと僕の目を見つめ
手を握ってくれる。
「紅李翔。ごめんな…。
寂しい思いさせて。
…ほら、ここにいるよ。
俺はここにいる。な。泣きやんで…
笑った顔見せて…。」
そう言ってまぁくんは額や鼻先や
目じりにキスして
やっぱだいぶ軽くなったな…と
僕を抱きしめた。
しばらくそうやって抱き合っていると
突然ぐーっ!とお腹が鳴って
まぁくんが照れくさそうに笑う。
「今日、食べる時間なくてさ…へへへ。」
「まぁくん!ちゃんと
食べなきゃでしょ!?」
「そんなに痩せた紅李翔には
言われたくないね!ぐは…。」
「えっ…そ、それは…。あははは!」
「ぐははは!…あ、ちょうど
いい時間だ、行こうか。」
うん、と頷き僕達は
しっかりと手を繋いだ。
待ち合わせの時間に少し遅れてきた
やまちゃん達。
「こら大和遅い、ぞ………って…。
わぁ………おまえら!なんだよ、それ!
やめろよなぁ!
俺だって我慢したのにっ!」
「へ?」
「ちょ!やまちゃんもっ!
首っ!もう!」
「え?…っあ!もしかしてっ?」
ロビーにあった鏡を覗き込む2人。
皇教さんの白いシャツの上からでも
わかる胸の鬱血の数々。
やまちゃんもシャツの襟ギリギリ
見えるか見えないかの位置に
キスマーク。
鎖骨あたりにも見える…。
「僕達は我慢したのにっ!
やまちゃんのバカ!」
「く、くりっとぉ…ごめん~!
俺たちだって途中で我に返って
慌てて来たんだから許してぇ!」
僕はわざとやまちゃんのじゃれつきを
かわし、頬を膨らす。
「はいはい、ふふふ…。
行くよ~俺腹減ったから~」
まぁくんは苦笑いして
僕を抱き寄せた。
タクシーに乗りレストランに着き
イタリアンを堪能する。
僕はいつも通りメモをとりながら
食べ、皇教さんにも感心された。
「ヤスくんから聞いてたけど
本当なんだ…。
また細かく書いてるね…。絵まで!」
「ノリくん、くりっと凄いでしょ?
高校の時からだからね~
ほんとマニアだよね!」
「!ちょ!マニアって何さ!
勉強熱心と言って!」
笑い合い幸せを噛みしめる。
食事の後、展望台に登り
ロサンゼルスの夜景を堪能した。
初めての海外旅行に
僕はドキドキしていた。
この飛行機が着いたら
まぁくんに逢える。
サプライズで、と思っていたのに
やまちゃんがバラしちゃった。
でも、サプライズで行ってたら
まぁくんは出張でいなかったらしい。
やまちゃんに聞いてからまぁくんは
必死で出張をずらして
全然取っていなかったらしい有給を
使って3日間も休んでくれた。
だから…。ゆっくり逢える。
やまちゃんに感謝だな…。
いつも本当にありがとう…。
一緒に飛行機に乗ったやまちゃんと
皇教さんはもう
ラブラブで見てるこっちが
恥ずかしい。そして羨ましい。
(さっき感謝したの取り消し!)
僕は心の中で叫び
苦笑いするしかなかった。
しかたなく映画を観ながら
ウトウトしていた僕。
「隅坂様。毛布をお持ちいたしましょうか?」
男性のCAさんにそう聞かれて
お願いします、と言ってから
なぜ僕の名前を知っているのだろう、と
顔を上げる。
「お客様のお名前は
把握させていただいております。
それに…頼まれましたので…。
…実は真仁くんと同じ学校で
ルームメイトだったんです。
紅李翔様のお話を
よく聞いていました。
今回この機にお乗りになられると
いう事で真仁くんから
紅李翔様をよろしく、と。」
「そうなんですか!
真仁がお世話になっております。
気をつかっていただいて
ありがとうございます。
あ、毛布もありがとうございます!
え、と、あの、真仁と
仲良くしてくださって
ありがとうございます!」
「ふふふ…。真仁くんに
聞いていた通りの方ですね。
何かありましたらご遠慮なく
お呼びつけください。
深水奏佑と申します。」
「深水さんありがとうございます。
…あの、真仁はなん、て?」
「とても聡明で可愛らしい方だと。」
真っ赤になった僕に深水さんは
慌てて水とおしぼりを持ってきてくれた。
ロサンゼルスまでの約10時間
映画を観たりやまちゃんと話したり
深水さんと話したり
美味しい機内食を食べたりで
そんなに退屈はしなくて。
無事に飛行機は降り立った。
手続きをし、やきもきしながら
荷物を受け取り
ようやく出口に辿り着く。
「くーちゃん!!」
ひときわ大きな愛おしい声が聞こえた…。
僕は荷物をその場にほおり投げて
駆け寄る。
「ま…ひとぉっ!!!」
人目を憚らず抱きつくと
まぁくんの匂いでいっぱいになって
僕は泣き崩れてしまった。
「ちょっ…くーちゃん…。
紅李翔…。顔見せて…。」
「うぅぅぅ…まぁくん…。」
まだ顔をあげられない僕の耳元で
まぁくんは小声で言う。
「…我慢できなくなるだろ…?」
「!!!まぁくん!」
ばっ、と、顔を上げると
真っ赤な顔のまぁくんの瞳からも
涙が流れていた。
思わずキスをしようとすると
やまちゃんの困った声がする。
「ちょ!くりっと!真仁さんっ!
注目の的っすよ!
それにくりっと!荷物!」
僕は血の気が一気に引いた。
みんなが僕達を見てにやにやしてる…。
「わ、わ、わ!ご、ごめんなさっ…
んんっ!んっ!」
まぁくんにキスをされ目を白黒させて
胸元をポカポカと叩いた。
辺りにいた人たちはブラヴォー!と
拍手喝采。
ペコ、とお辞儀をするまぁくんと
唖然としているやまちゃんたち。
僕は呆然と口をパクパクと動かすだけ。
皇教さんが僕の荷物を持ち
やまちゃんと僕を端っこのほうまで
引っ張って行って。
そのあとから涙を拭い爆笑しながら
まぁくんが着いてきた。
「こら!おまえらっ!公衆の面前で!
バカか?何年も会えなかったわけじゃ
ないだろう?たった半年だぞ?
何考えてんだ!…ふははは!」
皇教さんは怒り笑いで
やまちゃんを引き寄せた。
「さ、ヤスくん、俺たちもしようか…。」
そう言ってやまちゃんを抱きしめる。
「ちょ!ちょ!ノリくん!
ダメだって!ちょ!んっ!
…ば、ばかやろっ!」
ドタバタしながらもなんだか
微笑ましい2人を僕達は
自然と手を繋ぎ笑って見ていた。
「おい、大和!おまえらこそ
ずっと一緒なのに何してんだよ!
バカ!…ぐははは!」
まだバタバタしているやまちゃん達を
後目にまぁくんは僕の頭を撫でる。
「紅李翔…。やっぱりちょっと
痩せたよな…。大丈夫か?」
「うん…。大丈夫だよ!
これでもだいぶ戻っ…っあ!」
「なに?もっと痩せてたのか?
もう…なにやってんだよ…。」
またまぁくんは僕を抱き寄せる。
「そっ、それよりっ!
ご飯、食べに行こうよ!
予約してくれたんでしょ?
イタリアン!」
「あ、ああ。それにしても
アメリカ来てまでイタリアンってさ。
くーちゃん…。」
「だって!美味しいお店がある、って
聞いたから!…やまちゃん!皇教さん!
ご飯行こっ!」
2人はやっとイチャイチャをやめて
こっちへ来ると荷物を指さして言う。
「これ、どうしましょう?
邪魔っすよね?」
「真仁。先、ホテル
チェックインでもいいかな?」
「まだレストランの予約時間まで
2時間あるから…
じゃあ、そうするか、紅李翔。」
「………………ん。」
「??紅李翔どうした?」
まぁくんが心配そうに
顔を覗き込んでくる。
僕は曖昧に笑って首をふった。
空港からすぐのホテルまで
タクシーを利用して…。
ものすごく豪華なホテル…。
奮発してやまちゃんとこと
合わせたけれどちょっと持て余すなぁ…と
1人気後れしていたら
颯爽とまぁくんと皇教さんが
チェックインしてくれて
各々部屋に荷物を置きに行った。
部屋はキングサイズのベッドが
置かれていて豪華なソファ…。
とても綺麗で広くて…。
窓からの景色が素敵で…。
まぁくんが背中から抱きついてくる。
「紅李翔…抱きしめたかった……。」
「真仁…僕も…。僕もだよ…。
……先にチェックインしたらもう
部屋から出たくなくなると思って…。
ちょっと躊躇しちゃった…。
ね…。顔見せて?」
まぁくんは僕の前に回ると
僕の両頬を包んだ。
頬をうなじを撫でる指に体が震える。
「紅李翔…。俺の紅李翔が
本当にここにいるんだな…。」
「まぁくん…。真仁…。キスして…。」
噛み付くようなキスが降りてくる。
僕の舌を絡めとり吸いあげると
舌で上顎を撫でられてふっ、と
体の力が抜けて
まぁくんに抱きとめられた。
片手で腰をホールドされて
必死に背中に縋る。
「んっ…ん…………。ふぁ…んっ…。」
「…んっ…はぁ……く、りと…。」
頭を撫で髪を梳く手が熱くて
僕は涙を流した。
「…んっ…………はぁ…まぁくん………
手を…手…手を……………。」
「くーちゃん…。」
「握らせ…て。」
そっと手を握り指で撫で
目を合わせてくれるまぁくん。
「ぅぅ…まぁくん…………。
この手を握りたかった…。
この手がないと僕は…。ダメだぁ…。」
膝からくずおれて泣く僕を抱き上げて
ソファに座り膝に乗せた。
しっかりと僕の目を見つめ
手を握ってくれる。
「紅李翔。ごめんな…。
寂しい思いさせて。
…ほら、ここにいるよ。
俺はここにいる。な。泣きやんで…
笑った顔見せて…。」
そう言ってまぁくんは額や鼻先や
目じりにキスして
やっぱだいぶ軽くなったな…と
僕を抱きしめた。
しばらくそうやって抱き合っていると
突然ぐーっ!とお腹が鳴って
まぁくんが照れくさそうに笑う。
「今日、食べる時間なくてさ…へへへ。」
「まぁくん!ちゃんと
食べなきゃでしょ!?」
「そんなに痩せた紅李翔には
言われたくないね!ぐは…。」
「えっ…そ、それは…。あははは!」
「ぐははは!…あ、ちょうど
いい時間だ、行こうか。」
うん、と頷き僕達は
しっかりと手を繋いだ。
待ち合わせの時間に少し遅れてきた
やまちゃん達。
「こら大和遅い、ぞ………って…。
わぁ………おまえら!なんだよ、それ!
やめろよなぁ!
俺だって我慢したのにっ!」
「へ?」
「ちょ!やまちゃんもっ!
首っ!もう!」
「え?…っあ!もしかしてっ?」
ロビーにあった鏡を覗き込む2人。
皇教さんの白いシャツの上からでも
わかる胸の鬱血の数々。
やまちゃんもシャツの襟ギリギリ
見えるか見えないかの位置に
キスマーク。
鎖骨あたりにも見える…。
「僕達は我慢したのにっ!
やまちゃんのバカ!」
「く、くりっとぉ…ごめん~!
俺たちだって途中で我に返って
慌てて来たんだから許してぇ!」
僕はわざとやまちゃんのじゃれつきを
かわし、頬を膨らす。
「はいはい、ふふふ…。
行くよ~俺腹減ったから~」
まぁくんは苦笑いして
僕を抱き寄せた。
タクシーに乗りレストランに着き
イタリアンを堪能する。
僕はいつも通りメモをとりながら
食べ、皇教さんにも感心された。
「ヤスくんから聞いてたけど
本当なんだ…。
また細かく書いてるね…。絵まで!」
「ノリくん、くりっと凄いでしょ?
高校の時からだからね~
ほんとマニアだよね!」
「!ちょ!マニアって何さ!
勉強熱心と言って!」
笑い合い幸せを噛みしめる。
食事の後、展望台に登り
ロサンゼルスの夜景を堪能した。
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